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時空ナンパ師

「んでさあ。時々思うんだけどさあ。世界の出来事って神様に仕組まれていると感じることがあるんだよね。例えばね、この空、見てごらんよ。青いだろ?こんなに青いんだぜ。神様の仕業なんだよ。だからさあ。僕が1年後に君の彼氏になっているとしても不思議じゃないわけだよね。もちろん、僕らは今出会ったばかりだけどさ。ほら、僕の実家にさあ。柴犬がいるのね。ラッキーって言うんだけどさ。夏になるとラッキーの背中に顔をうずめるんだよね。そうするとさ、夏の匂いがするんだよね。ほら。草の匂いっていうかあるじゃん。夏の匂い。今君からもその匂いがしたんだよね。ほら人が好きになる匂いって決まっていて、そういう匂いが好きな人を求めちゃうんだって。だからさあ。きっと僕は昔から君のことを知ってると思うんだよね。いやいや君が犬っていうわけじゃなくてね。たとえばだよ。つまりさあ。僕は君の匂いが好きってことだよ。え?私は香水つけてないって?そういうことじゃなくてさ。その人が発する匂いってものがあるんだよ。ほら僕の嗅いでごらん。しない?そか。ともかく君には君独特の匂いがあって、それを僕は好きになってしまって、もうそれは好きとか嫌いとかの次元を超えて、もうくっついて生きていかなきゃならないみたいな次元なわけで。ほら、そういうことってあるじゃん。世の中不思議なめぐりあわせというか、あるんだよ。君とここで出会ったのも何かの時空の歪みのせいなんだよ。もしくはどこかのいシャーマンの祈りのバタフライエフェクトか。ともかく僕らが出会うのは運命だったんだよ。だから、ね。しようよ。」

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