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yukiao
rain
僕は学校から帰ろうとして、下駄箱で靴を取り、外を見ると雨が降っていた。僕は外に出るところで止まり、少しの間雨を眺めていた。
傘は持ってきている。天気予報を見て母が持たせてくれた。
しばらく雨を眺めていると、右の方で女の子が同じように雨を眺めていた。
「嫌だなあ。雨なんて嫌い。」彼女はつぶやいた。
彼女は確か斎藤さん。話したことはないがかわいい子だった。クラスの女子に溶け込むわけでもなく、男子と話すわけでもなく、独りで本を読んでいる。そんな子だった。彼女は傘を持っていないようだった。
僕は自分の傘を貸してあげて僕は濡れて帰ろうと想像した。でも、なかなか言い出せなかった。言い出そうとした時、彼女は雨の中を走りだした。
「あ。」
僕は自分のいくじなしを恥じた。
「ねえ、あの時、なんで傘貸してくれなかったの?」
「え?気づいてたの?」
「知ってたよ。だってあたしずっと君のことを見てたもの。」
そう言って彼女はたばこを吸いながら、僕のコンドームを外して中の精液の量を確かめるように眺めた。
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