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保育士試験 一発合格体験記【′22年後期・実技編】

2023年度後期日程の筆記試験も終わり、受験者のみなさんは実技試験の受験票の到着を待っている頃でしょうか。

筆記試験の合否を待っていたら実技の対策が間に合わないじゃないか!と思った方、気持ちは非常によくわかります。
先の話になりますが、いざ実技に合格して保育士登録をして働くぞって段階になっても、やたら煩雑な手続きをやらされます。封書が来てから素早く諸々済ませないと、翌年度からの始業に間に合わない可能性も。
'23年度からはオンラインで受験申請できるようになるなど、保育士試験も変わってきているとはいえ色々面倒ですよね。何より結果待ちの間焦らされる感もしんどい。

今更ながら、2022年後期日程の実技試験(試験日:12/11) を受験したので、記録として残そうと思います。

選択した科目は、造形に関する技術・言語に関する技術です。これから上記科目で受験しようと思っている方の一助となれば幸いです。

*なお、本番の得点は造形:43点 / 言語:49点でした。合格ラインが30点(50点満点中)だったので、余裕を持ってパスできた方だと思います。

■使用した参考書

無策に挑むよりは、と思い市販の参考書を2冊購入しましたが、造形に関する技術のお題を把握するために使用しただけと言っても過言ではありませんでした。
選択しなかった音楽に関する技術のページはもちろんノータッチ。第一、どの参考書にも載ってる紙の鍵盤なんて使う人いるのかしら。

成美堂出版 保育士実技試験完全攻略 '22年度版
ユーキャン 保育士実技試験合格ナビ 2022年度版

■造形に関する技術

造形に関する技術については、過去問と、類題を確認してひたすら時間内に描き上げる練習をしました。
以下は使用した画材です。

Master artのスケッチブック

練習に使用。試験の規定サイズ(19㎝✕19㎝)にちょうど良く、1枚につき1題描き上げられました。
紙質は本番の用紙よりも若干ざらつきがあったかも?解答用紙は回収されるのであまり覚えていないのですが……。

Faber-Castelの水彩色鉛筆

24色入りで発色が良く、おすすめです。よく使う色はうっかり落としても大丈夫なよう、2本用意して本番に臨みました。
あと、念の為よく使う色にマスキングテープを貼ってわかりやすくしておいたり、転がらないよう本番ではハンカチの上に色鉛筆を置いたりしました。
いずれも、制限時間内に少しでも満足のいく仕上がりにするための工夫といった感じです。45分の中でお題を確認し、構成を考え、実際に描いて全体に着彩するのは思いの外カツカツ。
鉛筆削りや色鉛筆用の消しゴムも用意しましたが、使う余裕はあまり無かったです。

こちらは実際に練習で描いた保育の場面。
後ろの方が序盤に描いたもので、手前になるにつれて試験直前に描いたものです。こうして見ると、画力云々より慣れで上達している部分は確実にありますね。
保育室ならこう描く、園庭ならこう描く、と自分の中でシステマチックに処理できるようにしておくと、時短になるしストレスなく細部まで描き上げられます。
ちなみに、手前の1番右の絵は指定された子どもの人数よりも1人少なく描いてしまったので、このまま提出していたらたぶん不合格です。早く描かなきゃ!と焦る気持ちもあるとは思いますが、まずは落ち着いて設問の条件をしっかり確認することが何よりも大事です。

■言語に関する技術

よく知っている童話だとイメージに引っ張られてしまうかなと思い、私はあえて馴染みのない『3匹のやぎのがらがらどん』を選択しました。
流れとしては、まず原文となるテキストとして絵本を購入して、試験の制限時間である3分に収まるような原稿を作り、そこからどこに表現を付けるかなど考えていった、という形です。

福音館書店 『三びきのやぎのがらがらどん』
マーシャ・ブラウン 絵 / せた ていじ 訳

1番注力したのは小さなやぎ、中くらいのやぎ、そして大きなやぎのキャラクター付けです。それぞれ気弱だったり、お調子者だったり、具体的に性格をイメージして演じると自然な表現ができるし何よりやっていて楽しいです。

他の課題の童話と比較して、大きなやぎのがらがらどんとトロルの戦いがあるなど、若干怖さのあるお話です。第一、通りたいがために元々棲んでたトロルをバラバラにして川に落とすなんて野蛮な……って思う人もいそうですよね。
試験に関して言えば、子どもを怖がらせ過ぎないようにと、大きなやぎとトロルの声量・口調には気を付けました。

ちなみに、ラストで登場する「チョキン パチン ストン」ってフレーズ、きっと皆一度は疑問に思うはず。なんでも、英語では「Snip, snap, snout. This tale's told out.」と締めくくられていて、このSnip, snap, snoutが物語の終わりに使われる言葉だそう。
いわゆる、「めでたし、めでたし」にあたる言葉ということですね。日本でも地域によっては「とっぴんぱらりのぷう」で締めることがあるらしく、「昔々あるところに-」と「Once upon a timeー」の対応関係よろしく、読み聞かせの言い回しは奥が深いなあ……と感じました。
試験の話に戻りますが、正直子どもに向かってこのフレーズ言ったところでポカンだろと思ったので私は言いませんでした。

あと、試験本番は6秒ほど時間が余りました。ただ、終わった後あれこれ子どもに喋りかけても仕方ないと思っていたので、無言でニコニコしながらタイマーが鳴るのを待ちました。

■あとがき

最初に筆記試験の合否を待っていたら対策の時間が無いじゃんかと触れましたが、1ヶ月もあれば充分ではあると思います。

科目は3つのうちから2つを選択する形式です。一概には言えないけれど、保育を志す人の中にはいずれの分野も元々興味がある、得意意識がある!って人が多いのではないでしょうか。
少なくとも私は幼少から絵を描くことが好きだったので、試験本番も楽しむ気持ちを忘れずに挑もうと考えていました(実際、描いた作品に愛着が湧いてしまい、本番が終わって答案を提出するのが内心惜しかった)。一方で、蓋を開けてみたら読み聞かせの方が得点が高く驚きました。

実習などを経て認定資格を取得する学校の生徒とは違い、既卒者はじめ元々保育と違うフィールドで頑張ってきた人に対しては、この資格試験の実技をもって資質が試されます。

造形にしろ言語にしろ、自分が好きだと思うジャンルで受験して、対策から本番にかけて肩肘を張らず楽しむのがいいと思います。
前回の筆記試験編とあわせて、これから受験する方の参考になれば嬉しいです。

昨今保育士不足が叫ばれるなか、保育士試験の受験資格自体は幅広く、多くの人に門扉が開かれています。保育に対する熱意を持った方がつつがなく試験に合格して、現場で活躍していくに越したことはないですよね(もっとも、現場に出てその実態に打ちひしがれることだって想像に難くないですが……)。

最後に、僭越ながら受験者の皆さんの健闘と成功を祈っています。

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