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今泉監督から返事が来た

なにが華のJKだよ、と思う。

未成年が出来ることなんて限られている。
子供扱いしてもらえないのに、
大人扱いしてもらうこともできない。

縛られることばかりの
高校生生活に飽き飽きだった。

今泉監督のツイートを見て、DMを返してくれるタイプの方であることを知った。
だから私も、監督にメッセージを送ってみようと思った。
我ながら質問の内容を読み返したらアホらしいけど、ぼやけて見えない高校生活が苦しくて苦しくて、とにかく明確な答えが欲しかった。


質問を送った3時間後にきた返信。

最後の言葉で、思わず涙が溢れた。
失恋したばっかりだったからなのかな、

マイナスな感情を肯定する言葉なんて
たくさんあるかもしれないけど、
それに納得したことはなかった。

けれどたくさんの遠回りが出来るのが
私たち高校生の特権だと、その言葉を聞いて、
これからの高校生活が少し明るくなった。








さて、私と映画の話をしよう。



昔から青春映画が嫌いだった。

最終的に幸せになる前提で進む
型にはまった恋愛の形。

高嶺の花との放課後勉強会。
夏祭りで切れた下駄の鼻緒。


そんなものは存在しないし、
私はそもそも両思いなんて
空想上のものだとおもっている。


青春映画に映るセーラー服も、
涙を堪えて伝える俺も好き、というセリフも、
切り取られた存在しないベッドシーンも、
すべてが忌々しかった。

“好き”という感情が認められる世界線で、
愛だけで動いて生きている彼らが
とっても羨ましかったのかも。


片恋ばかりで地獄を見ていた私にとって
彼らの姿は、眩しすぎて見えなかった。












お酒の入った恋愛映画は好きだ。

素面では到底言えないだろう
嘘の愛言葉を照れもなく話す
登場人物に愛おしさと憧れを感じた。


そのいじらしさを描くのが上手い
今泉力哉監督のこともだいすきだった。


遠回りするように見えるかもしれないけれど、
ムダと思われる時間を積むことが
自分を豊かにしていくことだ。

とメッセージで教えてくれた監督。

監督の描く映画ってまさにそれを体現している。

愛がなんだを人生で初めて見た時の衝撃。

ハッピーエンドに出会えたことのない私を
救ってくれるような映画だった。

救ってくれると同時に、
テルコと性格の似ている自分を呪った。
このままじゃ本当に幸せになれないのだろうな、と思った。








だからこそ、
テルコの二の舞にならないように、

たくさんの無駄、後悔、失敗、悔しい思い出
毎日毎日つくっていますよ。


いつかそれが私を助けてくれて、
簡単に死にたいなんて
口に出さない人間になりたい。



今泉監督のような年のとり方をしたいです。
私もこんな素敵なアドバイスをできるように、
今はたくさんの経験を積みます。


アンダーカレント、公開たのしみです。

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