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コミュニケーションから広がること

祖母とでかけると「この花は何?」と訊ねることが多い。私は植物への関心が特に強いわけではないけれど、祖母に聞くとほぼ確実に植物の名前を教えてくれるのでつい聞いてしまうのだ。教えてもらった次の日にはすっかり忘れてしまうので知識としてはまったく身についていないけれど、祖母といるときは植物への目の向け方が変化することに意味がある気がしている。

植物の名前を知るだけなら、そのうち写真を撮ったら自動的に判別して詳細を教えてくれる機能をGoogleあたりがだしてくれるかもしれない。けれど私がその機能を使う機会はそう多くないだろう。私が祖母に花の名前を聞くのは情報を得るためではなくコミュニケーションのためだからだ。

これと同じことが、小売の世界でも重要になっていく気がする。先にコミュニケーションの欲求があって、そこから世界が広がりモノやサービスへの興味につながっていく。買い物だけならワンクリックですむ時代に人が介在する価値は、そこにあるのではないかと。

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