そのダメ恋はきっと、あなたのせいじゃない。
「付き合った人のことを悪く言いたくない」なんて、綺麗事だと思う。
好きなまま別れられればいいけれど、大抵はもう顔も見たくないほどすれ違ってしまってから、別れを選択することになる。
そして少しずつ、笑い話にしてなっていく。
あのときダメな恋愛してたよね〜と、女子会のネタとして昇華されることによって。
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この歳になると、惚気混じりの単純な恋愛相談は少なくなる。
安易にアドバイスするのが憚られるような、複雑な話も増える。
昔は私も真摯にアドバイスをしていたけれど、最近は「それは、もう素人がどうにかできるレベルを超えてる」と伝える機会が増えた。
根本的にどちらかのメンタルが限界を迎えていたり、付き合いが深くなるにつれてもとから抱えていた爆弾に気づいたり、本人同士で解決しようとしてもお互いに悪化しかしないパターンだ。
人は想像以上に、たくさんの歪みを抱えている。
そしてその多くは、育った環境に起因しているように思う。
虐待を受けて育ったとか、ネグレクトを受けたといったわかりやすい環境でなくても、優等生であることを期待されてきた子は一見普通の環境で普通に育ったからこそ周りからその闇が見えづらいし、本人も自覚がないことが多いものだ。
付き合っていくうちにその悪い癖がでてきて、どうにかしてあげなきゃと奮闘しているうちに、自分にも限界がきて共倒れになってしまうことはよくある。
だからこそ、自分と相手の二人の世界で完結させてしまうのではなく、そもそもその人の生い立ちからくる歪みのせいかもしれないと考えて、限界を超えたらプロに頼る選択肢をもった方がいいんじゃないかと思う。
幸せな日よりも、不安な日や辛い時間の方が多いなら、それはきっとあなたが悪いわけじゃない。
自分か相手のどちらか、もしくはお互いの歪みが露呈して、お互いを傷つけ合っているだけなのだ。
「恋人」というのは友達よりも深くて、家族と同じくらい特別な関係性だからこそ、歪みが露呈した時に自分の力だけでどうにかしようとせず、プロの力を借りて健やかな方向に軌道修正する絶好の機会でもある。
自分の力だけではどうしようもなくなったとき、友達との恋バナの延長くらいの感覚で、プロの手を借りる選択肢がもっと増えればいいのにと思う。
そして友達から相談を受けた時、「我慢するための方法」ではなく、プロへの相談を通して根本的に解決するためのきっかけを勧められるような友人でありたい。
我慢の上に成り立つ幸せではなく、自分らしく自然体でいられる幸せをみんなが感じられる世の中になるように。
(Photo by tomoko morishige)
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