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「私」の開示と憧れの暮らし

久しぶりに花を買って、長らく置物と化していた花瓶に本来の役割を与えた。本棚の上に置かれたその「完成品」を見て、無意識にどう写真に収めるかを考えていた自分に気づく。我に帰るのがあと数秒遅れていたら、写真に添える文言も数通りは考えていたに違いない。

たいしてインスタも使わず、普段からあまり写真を撮らない私ですらもこうなのだ。私たちの中には、隙あらば「私はこんな暮らしをしている」と世間に公開したい欲求が潜んでいるに違いない。よく自己顕示欲の象徴としてインスタグラムが挙げられるが、ほとんどの人はもう少し穏やかな、コミュニケーションの欲求を満たす手段として使っているような気がする。

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