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伝えたいことを、伝えたい人に伝えるために。

「note式文章術」というテーマで、10月号の日経トレンディさんに取材していただきました。これまで私のnoteやイベントで発信してきた「伝え方」の技術をぎゅっと1ページにまとめていただいています。

私がnoteを書くうえで意識している細かいあれこれは、こちらのマガジンにもまとめていますのであわせてどうぞ。

今回は「文章術」というテーマだったので具体的なテクニックを中心にお話ししましたが、記事中にも記載いただいたとおり、まずは「書きたいことを書く」が前提にあると私は思っています。

ただ読まれることだけを目指すならば、ウケるネタ、そのとき話題になりそうなテーマを扱えば、テクニックなど関係なく読まれます。それゆえにみんなテーマに頭を悩ませるわけですが、メディアを事業として営む人ならいざ知らず、個人の発信において「読まれるから書く」は本末転倒なのではないかと思うのです。

個人で発信するメリットは、KPIも費用対効果も気にすることなく、自分の好きにできること。効率を考えたら誰もやらないようなことでも、個人の偏愛の力でかたちにできるからこそ意味があるし、その結果的として何かにつながっていくのだと思います。

とはいえ、書きたいことを思うがままに書いているだけではなかなか広く届けるのが難しいのもまた事実。だからこそ、ちょっとしたテクニックやひと手間かけることで、読まれる可能性を上げる努力に意味があります。

「文章術」といっても、毎回何万PVも叩き出したり、1,000以上のスキをもらえるような、バズる方法を説いているわけではありません(私自身、バズったといえる記事はほんの数本しかありませんし…)。

むしろ、変にバズって本来届かなくていい人にまで届いてしまうよりも、届いて欲しい人にきちんと届くことの方が重要だと私は考えています。

私は、noteでの発信は記事やブログというよりも手紙に近いような気がしています。気の合う友人に最近私が考えたことを聞いてもらいたい、そんな感覚で日々言葉を綴っています。

そんな手紙をコツコツと書き続けた結果、気づけば6万人以上の「気の合う友人」ができました。そのなかには、実際に友人になった人たちもたくさんいます。

発信の醍醐味は、つまるところ「居場所づくり」ではないかと私は思っています。

そのために、自分のことを、伝えたい人に伝わるように表現する。気の合う人たちが集まってくれれば、そのなかでリアルな友人も生まれ、自分の世界が豊かになっていく。

なので日経トレンディさんでお話しした文章術も、広く届けるというよりは、自分が発信したいことの本質は変えずに、「読まれない理由」を潰すことで、伝えたい人に伝わる可能性を高めることを意識しています。

ひとつひとつは小さな工夫ですが、その積み重ねと、コツコツ発信を続けていくことが、自分の世界を広げてくれるはず。このnoteもまた、届くべき人たちに、きちんと届きますように。


マガジン読者へのおまけは、noteではなくメディアでの取材記事などを作成する際に個人的に気をつけていること。手紙ではなく「記事」を作る際の違いについてまとめました。

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思索綴

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