「あなたらしさ」に祝福を。
『好きな人のことは全肯定』
これが私の基本スタンスだ。
私は野球が好きなのだけど、好きな選手に関してだけは技術的なことは脇に置いてひたすら褒めまくるので、『甘すぎる』とよく言われる。
しかも『姿勢が綺麗』とか『フォームが美しい』とか、さらには『今日はなんか楽しそう』とか、記録とか勝ち負けに関係ないところばかり褒めているので、他人からしたら何を言っているんだこいつは、という感じだろうと思う。
でも、好きってそういうことなんじゃないだろうか、と思うのだ。
『もっとこうした方がいい』というアドバイスは、他の人がいくらでも言ってくれるだろう。
そして何より、『もっとこうした方がよかったな』とか『今日はいまいちだったな』なんてことは、言われずとも本人が一番よくわかっているはずだ。
一番成長を欲して、焦っているのは本人なのだから、追い打ちをかけるような言葉をかける必要はないんじゃないかと私は思っている。
逆に本人に焦りがないのであれば、それはその人がやりたいこととは違ったということなのだから、そのままにしておいてあげたらいいんじゃないかな、とも。
『応援』というのは自分の思い通りに相手を成長させることではない。
なれっこない虚像を追いかけて苦しむのではなく、相手がよりその人らしくなっていくことを、私は祝福していきたいと思っている。
もちろんここでいう『その人らしさ』もまた応援する側のエゴでしかないのだけど、相手が自分の心に嘘をつくことなく自分が欲しいものに向けて邁進していれば、たとえその瞬間は苦しくても、最終的に本人の幸せに結びつくはずだと私は思う。
だからこそ、『期待』という名のまわりに押し付けられた虚像ではなくて、自分が本当にやりたいこと、目指したいものに向かっていってほしいなと自分の好きな人たち全員に対して願っている。
そしてそうやって努力し続けているといつか必ず挫折する日がくるから、そのときに自分自身の価値まで見失ってしまわないように、『自分の喜びを一緒に喜んでくれる人がいる』ことを伝えていきたいと思うのだ。
記録とか勝ち負けではなくて、自分自身の満足や誇りを、喜んでくれる人がいるということを。
何かができるということは素晴らしい。
でもそれ以上に、あなたがあなたらしく生きていることを、私は祝福したいと思う。
私の好きな人たちは今年も無事にシーズンを迎え、戦いのフィールドに立つべく着々と準備を進めている姿に、じんわりとした喜びを感じる。
開幕まで、あと5日。
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