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仏教的ブランドのあり方

ブランドは宗教に例えられることがよくある。単なる好き嫌いを超越した信頼は信仰に似たところがあるし、「推し」への熱狂は宗教にも通じるものがある。
宗教と聞くと多くの日本人は直感的に怪しさを感じてしまうものだが、何かしらの価値観や思想を伝えて同志を増やし、コミュニティを形成・育成していく営みとそのフォーマットは人間社会の根幹を為すといっても過言ではない。伝える手段(=メディア)はテクノロジーの発展によって時代ごとに変わっても、思想を言葉やモノに具現化して伝えることで仲間を広げていく流れ自体は変わらない。昔は個人と国家の間をつなぐ中間組織として宗教が力をもっていたが、現在はその役割を企業が担っている。
ゆえに企業活動の戦略を考える上で過去に宗教がたどってきた趨勢を省みることは理にかなっているともいえる。

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余談的小売文化論

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「知性ある消費」をテーマに、現代の消費行動や理想論と現実的な問題のギャップについて考え、言語化しています。「正解」を語るのではなく、読み手…

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