「小言」という愛情表現
女の子というのは、小さい頃から「もう!ちゃんとしてよ!」と怒るのが仕事なのかもしれない。
その構図は大人になってからもたいして変わることなく、日々「もう〜〜〜〜〜〜」と小言を言い続けている人も多いと思う。
そして大人になって気づく。
「小言」は、ひとつの愛情表現なのだと。
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昔、K-POPにハマっていた時代によく聞いていた曲がある。
その名も「잔소리(チャンソリ)」、日本語になおすと「小言」だ。
「小言」はIUと2AMのスロンのデュエット曲で、つい小言ばかりになってしまいがちな彼女と、それをのらりくらりかわす彼の日常を描くほんわかしたかわいい曲だ。
デュエットならではの掛け合いによって、男女のすれ違いをうまく表現している曲でもある。
特にこの一節は、公私問わず男女の考え方の違いが端的に表れているように思う。
IU:嫌な話をすることになる私の気持ちも知らないで
スロン:いい話だけをしてたい僕の気持ちも知らないで
そして「もう!」と怒っても、ちゃかしてうやむやにしてくる人種というのが一定数いて、この曲のスロンがまさにそんな雰囲気なのもとてもリアルなのだ。
IU:1から10まで 全部あなたのために言ってるの
私の話をきかないあなたへは 分かりきった小言
スロン:目に力を入れて怖がらせてみても 僕にはただ可愛い顔
昔はわりと本気で怒っていたのだけど、年を重ねるにつれてこれは一種のプロレスなのだなと思うようになった。
「小言」はひとつのコミュニケーションスタイルで、相手が本当に更生してしまったらそれはそれで寂しくなってしまうものなのだと。
「ちゃんとした人がいい」と言いながらも、結局毎日怒りながらも幸せそうにしている友人たちを見ていると、改めてそう思う。
だから、みんなもっと口先だけの小言は、愛情をベースにしたコミュニケーションだと割り切っていけばいいと思う。
つい小言を言ってしまう自分に自己嫌悪を感じたり、言われることを真に受けてうるさいなーと逆ギレしたりせず、そういうコミュニケーションなのだと受け入れていけばいい。
世の中は、「ちゃんとして!」と言われたい人・言いたい人の両方がいて回っているのだから。
電車内で喧嘩するカップルを見守りながら、そんなことを考えた冬のはじまり。クリスマスまであと1ヶ月、みんなが幸せでありますように。
(Photo by tomoko morishige)
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