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僕たちはいかに「よく生きる」か

短い一生を、どのように生きれば私たちは満足して終わることができるのか。
古今東西、数々の哲学者や研究者が考え続けてきた命題である。

そしてパンデミックによって世界中の価値観が揺らぐ今、私たちは改めてこの問いに向き合わざるをえない状況に陥っている。

おそらく数年単位で続くであろう外出自粛と、それに伴う経済の変化。
どう働き、どう暮らし、何を楽しみとして生きていくのか。

あらゆる人たちが今、価値観の再構築を求められている。

そんな中、「充実した人生とは何か」をテーマに書かれた石川善樹さんの新刊が出版された。

ちょうど2年前に私も石川さんのゼミ担当として関わらせてもらい、「日本的Well-being」というテーマで何度も石川さんと対話を重ねてきた。

書籍の編集に関わってはいないものの、発売前にゲラを読ませてもらったところ、ゼミやインタビューを通して断片的に説明してもらっていた話ががやっと一本の線につながった感覚を覚えた。

石川さんがなぜWell-beingを研究し始めたのか。
そしてWell-beingは私たちの人生の充実にどう関与するのか。

「いい仕事」をするためのWell-doingのTipsを交えながら、充実した人生とは何かが徐々に紐解かれていく。

今回特別に私のコミュニティ内での事前シェアの許可をいただき、先行して読書会を開催した。

その進行をしながら感じたのは、この本は読書会のモデレーター泣かせであるということ。

普通の本は、話していくにつれてみんなで語るべきテーマが徐々に収斂し、議論が深まっていく。
しかしこの本は短期的視点と長期的視点、具体と抽象など異なる視座が次々と提示されるため、読み手の状況によって読み方の「重心」が変わり、話したいテーマもそれぞれに変わる。

逆に言えば、それだけ語るべきテーマがふんだんに盛り込まれた本であり、どのテーマも深い議論につながっていくため、1時間や2時間では到底語り尽くせない内容なのだ。

それもそのはずで、幸福の定義や感じ方はそれぞれによって異なる上に、善悪も正誤もない。

本でWell-beingとWell-doingをどう高めていくかは解説されているが、そもそも自分にとってのWellは何なのか、何を目標として人生の充実を考えるべきかについては触れられていない。(たぶんあえて書いていないのだと思う)

ちなみにゼミをやっていたとき、「私にとってのWell」というテーマで宿題を出されたことがある。

「Wellな状態」はそれぞれが自己探求するべきテーマであり、そのためにこそ哲学や小説がある。

読書会の中でも、フルライフの副読書として哲学や歴史を学ぶとより理解が深まりそう、という話も出ていた。

よく生きるための方法論をフルライフから学び、何を「よい」とするかを蓄積されてきた叡智から学ぶ。

混乱が深まる世界で自分なりの指針をもつには、「どうやるか」と「どこにいくか」の両方が必要だ。

そんなわけで私も「どこにいくか」に悩みつつ、フルライフから得た知識をもとに大きな目標設定に挑戦中だ。

これからの世界をいかによく生きるかについてより考えを深めるために、来週4/23(木)の夜に石川さん、中島さんと3人で「花木飲み会」を開催することになった。

「花木」というのはフルライフに出てくるワードである。
「花金ではなく"花木"を楽しむことが充実につながる」という石川さんの提案をもとに、私たちも花木を楽しもう!という話になった。

セミナーというよりは飲み会をイメージしていて、飲み会特有のゆるさの中にある「突然核心をつくような話」が生まれる瞬間をオンラインでどう作るかに挑戦したいと思っている。

役に立つか立たないかわからない話を通して「人生の充実とは何か」について考えたいみなさんの参加をお待ちしています。

編集担当中島さんの意気込みnoteもあわせてどうぞ。


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