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ヤマヤスのTwitterのすごさをツイッタラーが全力で解説する

おいみんな知っているか俺たちのヤマヤスを!!!

ハマの守護神であり、ファンサの神であり、日本代表の選手権広報こと山﨑康晃(27)。
彼のすごさは野球面からも人格面からも語るべきことが多いのだけど、ここではあえて彼のTwitterのすごさを語らせていただきたい。

私も一応Twitterのフォロワー3万超と一般人にしてはそこそこTwitterを使い込んでいるツイッタラーなのだけど、その視点から見てもヤマヤスのTwitterはすごい。

一時期は裏に企業がついていて本人は投稿していないんじゃないかと思っていたくらい、インフルエンサーとしてプロの仕事をしている。

さすがはフォロワー数76万…!!

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山﨑選手のTwitterアカウントスクリーンショット)

って、76万て!!!すごいな!!!

しかし『インフルエンサー』とはフォロワー数が多いだけでは成り立たない。

そもそも野球選手だからといって全員が数十万人のフォロワーを獲得できるわけではない。
もちろん知名度の問題もあるけれど、Twitterの運用の仕方によって人気が出る選手もいれば、あまりこまめに更新されていなければ人気選手でもフォロワーが増えないこともある。

ヤマヤスの1/10以下のフォロワー数の私が語るのもおこがましいけれど、彼のTwitter運用は本当に理想的なかたちであり、さらに後述するように企業への配慮も行き届いている点が彼の真髄だと私は思っている。

ということで、今後SNSを活用していきたいと考えているスポーツ選手やインフルエンサーを目指す人たちの何らかの参考になればと思い、私なりの『ここがすごいよ山﨑康晃』のポイントをまとめておきたい。

1. 1ツイートあたりの情報圧縮力の高さ

まず彼はツイッタラーとして基本の基本である『140字めいっぱい使う』というTIPSをしっかり体現している。

このTIPSで重要なのは、ダラダラ140字書くだけでは意味がないということ。
140字の中にいかに情報を圧縮し、物語を詰め込み、その短い文字数の中で見る側の心を動かせるかが重要なのである。

そして140字ルールと同じくらい有名なのが『改行と写真でタイムラインを占有する』というTIPSだが、これもただ型にはめただけではただ邪魔なだけである。

ヤマヤスがすごいのは、1ツイートあたりの情報量が多いために見る側がくすっとしたり何かコメントしたくなったりと感情を動かす幅が大きいことだ。

たとえば冒頭で引用したツイートをみてみると、
①お正月のあいさつ
②年始からバッティングセンターに行っている
③しかも自分と対戦している
④そしてバットを折ってるw
⑤自分で自分のこといいピッチャーって言うんかいw
⑥ラストの「ぴゅっときて〜」はたぶん誰かのネタ(野球選手はよくこういう表現をするので)
と6つもつっこみどころがある!!!!!!!

しかも写真をみると、やる気満々でバッターボックスに向かう→折れた〜〜!!という二コマになっている。

これを天然でやっているとしたら生まれながらのツイッタラーというしかない。天才である。

これだけつっこみどころがあれば、山﨑選手のファンでなくとも引用RTでついつっこみたくなるだろうし、普段は野球をみない人でも『なにこれ面白い〜!』と反応してくれる可能性がある。

あとはたとえばこのツイート。

このツイートも、私が想像できるだけでも
①野球選手のスーツに関するあれやこれやの意見
②どこにきたのー?どこのスーツなのー?という質問
③「デニムスーツ」という珍しいアイテムへの意見
など3種類の反応が考えられる。

たぶん天然でやっているのだろうけど、あえて場所やブランドに言及せず「ここかな?」とか「あのブランドかな?」など引用RTでファンに反応させるのが彼は抜群にうまい。

情報の出しどころと隠し所のセンスが抜群なのである。
そしてもちろんこのツイートも140字いっぱいいっぱい使い、改行も駆使し、写真も3枚ついている。

140字・改行・写真というTwitterでよく言われるTIPSはそれ自体が大事なのではなく、1ツイートあたりの情報圧縮力を高めようとすれば自ずとそうなるという話だと私は思っている。

山﨑選手レベルのツイートをするのは凡人には難しくても、自分のツイートにはちゃんと『意味ある情報(=受け手が自分ごととして反応したくなる要素)』があるかを振り返るのは重要だと思う。

2. ファンが喜ぶコンテンツを熟知している

ヤマヤスといえば、野球ファンの中では『侍JAPANの広報担当』というジョークが有名なくらい、公式Twitter並に更新をしてくれる。

最近では侍JAPANが合流したあたりでヤマヤスのツイートが投下されると『待ってました!』といった空気に包まれるレベルである。

なぜ侍JAPANの写真がこれだけ人気なのかというと、日本代表の試合がある時期は基本的にオフであるためにファンが野球ネタを渇望していること、そして普段は見られないオフの顔が垣間見えるからだ。

なんといっても、ご本人がこの意気込みである。

上記の宣言通り、期間中は食事中の写真やロッカーでの一枚など、選手同士でなければ撮れないor公には上げられないような写真がヤマヤスTwitterを通じてこれでもかと提供される。その瞬間を我々はいつも心待ちにしているのである。

これまで選手同士のSNSで食事に行った写真がたまにアップされることはあっても、ここまで『見る側の視点』を考えて投稿する選手は皆無だった。

ヤマヤスTwitterのすごさは、『私生活の垂れ流し』ではなく『ファンへの報告』というスタイルをとっている点だろう。

『◯◯さんとごはんにいきました』だけで終わらせず、必ず『こんな話をしました〜!』『こんなことがありました!』とひとネタいれる。
もしくは相手の持ちネタ(マッチの『熱男〜!』だったり、誠也の変顔だったり)を一緒にやることで『画』をつくる。

見ている側を楽しませる意識が圧倒的に違うのである。

もちろんキャラ的に山﨑選手と同じようなテンションで投稿できない人もいるだろうが、自分に求められているキャラクターや振る舞いを意識した上でコンテンツをつくることが成功の秘訣と言えるだろう。

3. インタラクティブなコンテンツ設計

ここまで見てもわかるとおり、ヤマヤスTwitterのすごさはフォロワー数以上に、そのエンゲージメントの高さにある。
山﨑選手は普段からファンサレベルが高いことで有名なのだけど、その精神がここでも発揮されているのだ。

そしてさすがファンサの神らしく、Twitterでもガンガン『ファンサ』をしている。

個人的に驚いたのは昨年のオフに質問箱で質問に答えていたこと。

これだけのフォロワーがいたら質問も相当な数だっただろうに、精査してきちんと回答し、それをTwitterにあげるなんて律儀すぎる…!(さすがに質問はスタッフさんとかに選んでもらってるかもしれないけれど)

こうしたインタラクティブなコンテンツはヤマヤスTwitterの十八番である。

以前ゆうこすさんも『みんなはどっちが好き?』など質問を入れたほうがいい、という話をされていたのだけど、ヤマヤスTwitterも適宜こうした質問をいれている。

ファンならついRTや引用で反応したくなるだろう。たとえ返事がきたり感謝されることはないとわかっていても、それがファンの性である。

また、下記のような『みなさん』を意識したツイートもよくある。

これは質問とは異なるけれど、なにを指しているのかがわかったらつい答えたくなる要素のあるツイートだ。

また昨年終わり頃から変わったハッシュタグをつけるようになったのもファンからしたら突っ込みどころ満載で、ついあれこれ反応したくなってしまう。
これも出された『お題』に対してこちらが『突っ込む』というコミュニケーションだ。

数十万フォロワーともなるとファンと直にやりとりするのは難しいが、こちらが質問してファンが答える、という形式であればインタラクティブ性を出すことができる。

自分の中で完結してしまわず、ときどきファンに質問したり頼ったりするツイートを挟むだけで、エンゲージメントは爆上がりするのだ。

また個人的に面白かったのは、先日山﨑選手がゲリラでアンダーアーマーの店舗に訪れる企画を告知したツイートだ。

クイズ形式になっているが、問題自体はそう難しくはない。
しかしただ告知するよりも謎解き要素がある分だけ目に止まりやすいし、答えがわかったら『わかったよ!』ということを伝えに現地にいきたくもなるだろう。

オンライン/オフラインの垣根を超えてインタラクティブ性を発揮するこの施策は私もとても勉強になった。

4. 更新頻度も絶妙

Twitterで素晴らしい手腕を発揮しているヤマヤスTwitterだが、個人的に素晴らしいと思っているのはその更新頻度だ。

これだけTwitterを使いこなしているのであれば、本来はもっとツイートしたいはずである。ツイートすればするだけ反応が返ってくるのだから、一般人だったら中毒になってもおかしくはない。

しかし更新頻度はオフシーズンでも1日1ツイート以上することは稀である。むしろ細かく情報を垂れ流さないからこそ1ツイートの情報圧縮度が高いとも言えるかもしれない。

一般的にフォロワーを増やすにはツイート数を増やしたほうがいいと言われるが、1万を超えてくるとあまりにツイート数が多いとリムーブされてしまうこともある。
ライトユーザーは数人しかフォローしていなかったりするので、1人でも更新頻度が高い人をフォローするとタイムラインがその人のツイートで埋まってしまうからだ。

さらに野球ファンであればたとえヤマヤスTwitterをフォローしていなくても誰かのRTや引用RTで目にする機会が多いため、投下するネタが多すぎるとみんながおなかいっぱいになってしまう。

フォロワーが増えてくると自分自身も楽しいし、ファンサを考えればツイート数が多いほうがいいように感じてしまうけれど、数十万になってきたらある程度絞るのもまたファンのため、なのだ。

5. 企業への配慮がインフルエンサーすぎる

ここまでは彼のファン作りのすごさを中心に語ってきたのだけど、個人的に『この人は本物のインフルエンサーだ』と感じたのは、企業への配慮が行き届いている点である。

自分が出演する番組やイベントの告知をしっかりやるのは当たり前。もちろんここでもしっかりつっこみ所や自分らしさを忘れない。

マイナビオールスターのときのハッシュタグについてのツイートも、私がオールスターの広報担当だったらむせび泣くくらいありがたいなと思った。ありがとうヤマヤス…!

そして侍JAPANの一連ツイートで衝撃を受けたのがこのツイート。おそらく野球ファンでなければそのすごさに気づけないと思う。

これはなにがすごいかというと、写っている全員が侍JAPANの公式スーツスポンサーであるブルックスブラザーズのスーツを着ており、最後に『ガタイの良い人スーツ最強説』の一言がついている点である。

特にブランド名もブランドアカウントのタグもついていないので別に企業から依頼されて投稿されたわけではないのだろうが、間接的にスポンサーブランドにしっかり貢献している。

本人がどこまで意識しているのかはわからないけれど、スポンサーとして提供してもらっている以上はちゃんとその紹介もしようという意図があるのであればすばらしいインフルエンサー魂である。

インフルエンサーとはお金をもらうために投稿する人ではない。

まず自分がいいと思ったから投稿をするのだし、スポンサーだけでなく支援してくれた企業には少なからず何か恩を返せたらと思う、GIVEを中心に動く生き物である。

おそらく山﨑選手も天性のGIVER精神から、見てくれている人たちと同じくらい企業の人たちにも喜んでもらえるようなツイートを考えているのだと思う。

そしてもうひとつ私がびっくりしたのがこのツイート。

道具だけではなく、きっちりブランド名もいれている。

選手はスポーツブランドとスポンサー契約をしており、ブランドからすれば道具の話をするならブランド名も出して欲しい!と願うはずである。
そんな中で選手名とブランド名のみならず、こだわりやポイントを少ない文字数で表現してくれるヤマヤスTwitter、私が広報だったら神棚に飾るレベルの神である。ありがとうヤマヤス…!(2回目)

スポーツ選手に限らず、こうした配慮あるツイートの積み重ねが信頼となってゆくゆく大きな仕事にもつながっていくのだと私は思う。

媚を売るのではなく、あくまでGIVERとして企業にも役に立てる投稿を心がけること。それがインフルエンサーとしてのあり方なのではないだろうか。

6. 情報保護への配慮がインフルエンサー以上すぎる

先ほど紹介したツイートの中で、もうひとつ『これはなかなかできることじゃないな』と感じたことがある。
これは相当なツイッタラーでもなかなか気づかないのではないかと思う。
実は私も初見では気づかず、虫明さんがツイートしているのを見て改めて見返し、驚いたのだ。

答えは二枚目の写真にある。
中央のスマホにモザイクがかかっているのがわかるだろうか。

おそらく撮影した際にはスマホがでていることに気づかず、撮った後にLINEの画面が表示されていることに気づき、後から加工したのだと思われる。

なにその気遣い!!!!神じゃん!!!!!!!!

SNSに写真をアップすることの恐ろしさはこうした『うっかり流出』にある。

今回ももしスマホに気づいていなかったら、ネットでその画面を解読する人たちが現れたかもしれない。
スプーンや車体に写った人影で交際を特定される時代、油断も隙もあったものではない。

しかし不思議とヤマヤスTwitterにアップされた写真でそうした騒動につながったことは一度もないのだ。

この自衛力こそ、インフルエンサーがインフルエンサーでありつづけるための大事な能力である。

スキャンダルだけではなく、ちょっとしたことから住所や居場所が特定され、ストーカー被害にあうこともある。
特に家の中をあげないこと、『今』いる場所をあげないことはインフルエンサーだけではなくSNSをやる上で基本中の基本だ。

フォロワー数が多い人はそれだけ人の目に触れる機会も多く、中には悪いことを考える人もいるため、情報は慎重に発信する必要がある。

ただ面白い投稿をするだけではなく、こうした自衛力あってこそ長くSNSを続けていけるのである。

大切なのは「受け手にGIVEしようとする」こと

最近ではスポーツ選手がSNSをやるのは当たり前になり、Youtubeをはじめる元選手も増えてきた。

しかし認知度があることとSNSをうまく使いこなすことは別の問題であり、『インフルエンサー』としても活躍するにはそれなりの基礎知識が必要となる。

もちろん山﨑選手のキャラクターだからこそできること、彼の天性の才能があればこそうまくいっているところも多々あるだろう。

しかし常に相手に何かをGIVEしようとする姿勢や配慮すべきポイントは、あらゆる人に当てはまるはずだ。

これはTwitterに限らずInstagramやYoutube、そしてこのnoteでも同じこと。
それぞれのプラットフォームごとにウケるコンテンツやフォーマットは違うけれど、すべてに共通するのは『どんなコンテンツならみんなが楽しんでくれるだろう?』という想像力だ。

だからといって、無理にHow toやお役立ちコンテンツを捻り出そうとする必要はない。
実際に、ヤマヤスTwitterも『役に立つ』とはまた別のベクトルで人気を得ている。

私は普段Twitterよりnoteのコンテンツ相談を受けることが多いのだけど、重要なのは『その人の視点からしか見えない景色』を共有することだと思う。それを役立てるかどうかは受け手に委ねればいい。

ただその景色を一方的に投げつけたり置いておくだけではなく、受け手が何かコメントしたくなったり、自分もnoteを書きたくなったり、感動して応援したくなったり、と心を動かしてくれるように細かい配慮をしていく。

SNSで人気を得るということは、こうした細かい積み重ねの結果である。

ヤマヤスTwitterはたしかに天才の所業だ。
しかしその裏にあるサービス精神やコンテンツの作り方には、学ぶべきところがたくさんある。

今回私が羅列したポイント以外にも、なにがすごいのかを自分の目で見て自分で気づき、言語化しようとすることが、一番のまなびになるのではないだろうか。

\ということでみんなフォローしてね/

(ご本人のTwitterがやりづらくなると辛いので、このnoteが本人の耳には届きませんように…🙏)

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