救世主からの卒業を経て、私たちは大人になる
10代は、生まれたての感受性を荒野に晒しながら生きている。ささいなことに傷つき、悩み、思い詰めてしまうからこそ、そのエネルギーを何かに没頭することで発散する。アニメだったりアイドルだったり、アーティストだったり。今ならVTuberやTikTokerも、その対象なのかもしれない。
子供が使い慣れた毛布やぬいぐるみを離さないように、思春期の多感な時期にも、自分にとって都合よく振る舞ってくれる絶対的な存在を必要とする。生身の人間同士のコミュニケーションによって、傷つくことを覚える年頃。だからこそ、決して自分を傷つけないシェルターとしての偶像が必要なのだ。
きっと誰にでも多かれ少なかれ、そんな逃げ場のような存在があったはずだ。
その頃の記憶なんてもはや遥か彼方となってしまっていたけれど、久しぶりに10代の「頭がヘンだった頃」の話をしていたら、当時の感覚がまざまざと蘇り、同時にあの頃の自分を客観的に見て言語化できるようになっていた。
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