見出し画像

私の笑顔をつくる人

「面白い人が好き」と好きなタイプを答える人が多いけれど、そこで言われる「面白い」の定義は何なのだろう、と長らく疑問に思ってきた。

いつでも芸人さんのように笑わせてくれる人のことなのだろうか。
それはそれで気が休まらなさそうだな…と勝手に心配になったりもした。

「面白い」という観点で人を好きになったことがない私は、友人たちの恋愛トークを聞きながら「みんなが好きな面白い人ってどんな人を指すのだろう」とぼんやり考える。
私はみんなが「面白くない」と評する人の方が、好きなのだけど。

そんなことより、大野雄大である(ちなみに大野は右)。

動画自体はびっくりするほどくだらないのだけど、つい何回も再生しては「大野…好きすぎる…!」と勝手に沼にハマっている。
そして齢三十にしてやっと気づいた。

みんなが言っていた「面白い人が好き」の意味はこういうことだったのか!と。

この動画が面白いかどうかはそれぞれの感性の問題なのでさておき、人は一緒にいることでポジティブな時間を持てる人に惹かれるものだ。

もちろん人の気持ちは複雑にできているので泣かされたり腹が立つ時間が長くてもやっぱり好き、という状況は往々にしてあるだろうが(私はない)、基本的には幸せとか楽しいとか嬉しいとか、ポジティブな感情を共有するために共に時間を過ごす。

つまりなるべく一緒にいることで笑顔で過ごせる人に、私たちは好意を持つようにできている。

だからといって私たちが「面白い人」に求めるものは、大野のように一発芸をして笑いを巻き起こすことだけを指すのではない。

それが笑いをとるかどうかはさておき、相手を笑顔にしたい、楽しませたいというGIVEの姿勢にこそ、私たちは惹かれるのだと思う。

大野は以前、とあるインタビューの中で「無人島に連れていくなら誰?」という質問に、なぜか自分を選び自信満々にこう答えていた。

いやいや、楽しませる前に生き延びさせろよ!!!

などつっこみどころ満載の回答ではあるけれど、こう答えるくらい大野は普段からまわりの人を楽しませようとする気持ちが強い(と言いつつ、半分くらいは素のキャラな気もするけれど)。

そのサービス精神旺盛なキャラクターとしゃべりのうまさからファンにも愛され、プレー以外の部分でもファンの多い選手である。

その一方で、昨年はノーヒットノーランを達成し、最優秀防御率を獲得するなど押しも押されぬ中日のエースでもある。

これだけ普段はおちゃらけたキャラクターでありながら、仕事では第一級の活躍をする。

私が「あれ、もしかして私、大野のこと好きかも…?」と思ったのもそのギャップゆえだった。

また、2017年のシーズンではなかなか勝ち星がつかずに苦しんだこともあった。
そんな中でやっと初白星をあげたとき、ヒーローインタビューで堪えきれずに涙を流すシーンでは私ももらい泣きしそうになってしまった。

笑いにしても涙にしても、感情表現がいつも全力なのが大野のいいところだ。

大野を見ていると、この人が表に立つ仕事に就いたのは必然だったのかもしれないなと思う。
野球選手としてのパフォーマンスも、ヒーローインタビューやTV出演でのコメントも、SNSへの投稿も、「人を笑顔にすること」に全力で取り組める人なのだ。

実はネガティブ思考で試合前には悪い想像をしてしまうこともあると言っていたけれど、そんなことを微塵も感じさせないほど堂々とした佇まいで私たちの笑顔をつくってくれる。

ノーヒットノーランを達成した瞬間すらも、その謎の喜び方でファンをおおいに湧かせてくれた。

(一番右の写真が大野の達成の瞬間。昨年同じくノーノー達成した千賀とポーズを入れ替えて撮った写真を見ると余計に大野の面白さが際立つ…w)

野球を見ていれば、手に汗握る瞬間や一緒に涙を流す瞬間、ただひたすらに祈るしかない瞬間などいろんな感情を体験することができる。

でもやっぱり私たちが一番ほしいのは「笑顔の瞬間」だ。

勝って嬉しい、そして選手が楽しそうで嬉しい。
そんな笑顔の瞬間をたくさん作ってくれる大野を、これからも温かく見守っていきたい。

\大野、かわいいよ大野!/

(2枚目もみてあげてね)

---

▼選手たちに少しでもファンの思いを届けるために、「公開ファンレター」という企画をはじめました。ぜひ #公開ファンレター のタグでnoteを書いていただけたら。

▼野球エッセイを集めたマガジンや、野球サークルもやっています。


サポートからコメントをいただくのがいちばんの励みです。いつもありがとうございます!