「ていねいな暮らし」は、庶民による庶民のためのラグジュアリー
「日本的なラグジュアリーとは何だろうか」。
この5年ほど考え続けてきたテーマである。
もちろん値段の高さだけで見れば、日本ならではの高級品はいくらでもある。茶道具も着物も日本家屋も、日本文化の延長線上にある「ラグジュアリー」だ。歴史を遡ってみれば日本の陶器は江戸時代から高級品としてヨーロッパへ輸出されていたし、現代においても日本の作家さんのうつわを買いにはるばる日本までやってくる海外の顧客も多い。
伝統産業が連綿と受け継いできた高い技術力や「わびさび」「禅」に代表される