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本と映画と、エトセトラ。

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読んだ本・観た映画について気まぐれに。 (photo by tomoko morishige)
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2018年4月の記事一覧

男女の関係もまた、『君子の交わり淡き水のごとし』

男女の関係もまた、『君子の交わり淡き水のごとし』

「好きになるのはいいが、惚れてはいかん」

何か事を成そうという人は、相手を好きになる感受性と共に、『のめり込みすぎない』冷静さが必要なのだと思う。

惚れるということは、相手に魂を預けることに他ならないからだ。

それは、恋愛においても同じこと。

『君子の交わり淡き水のごとし』は、すべてに当てはまる金言だ。

***

『竜馬がゆく』の中で、フランス製のおしろいを前にした竜馬が3人の女性のうち

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概念になったとき、人は神になる

概念になったとき、人は神になる

「じゃあさ、イチローと大谷はどっちがすごいの?」

そう聞かれたとき、私の口から無意識にでたのは

「イチローに関していうと、もはや彼は概念だから。つまり神」

という言葉だった。

自分で発しておきながら、その瞬間は3割くらいしか言葉の意味を理解していなかったのだけど、一週間ほど思考を寝かせてみて思ったのは、概念に昇華したとき人は神になる、ということだ。

前述の例でいえば、『イチロー』という存

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「似ている」という言葉の寂しさ

「似ている」という言葉の寂しさ

「切なさと 寂しさの違い 問う君に 口づけをせり これは切なさ」

切なさの象徴が口づけならば、寂しさを表すシチュエーションは何だろうか。

私は、街中で似た人を見かけてハッと振り返る瞬間がもっとも「寂しい」瞬間なのではないかと思う。

似ている。でも、その視線の先にあるのは求めているものではない。

自分の欲しいものが明確にあるとき、それに近いものと出会う方が、よっぽど残酷なのではないだろうか。

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