ショートからのコンバートはどれくらいいるか?【ドラフト戦略にも関わる?】
2018年10月6日、埼玉西武のスタメンに元ショートが4人名を連ねた。
中 秋山翔吾 ※現広島
右 金子侑司 ※2024年引退
ニ 浅村栄斗 ※現楽天
一 山川穂高 ※現ソフトバンク
左 栗山巧
捕 森友哉 ※現オリックス
指 メヒア ※退団
三 山田遥楓 ※現楽天
遊 源田壮亮
このスタメンの中に元ショートが金子・浅村・山田
源田も含めると4人いることになる。
※ここで元ショートとはドラフト指名時のメインポジションがショートであった選手のことを指している。
山田はそこまで西武時代スタメンで出場する試合は多くなかったが、
2018年の俺は、とりあえず困ったらショートをドラフトで獲得しておけばいいのではないかと思ったりしていた。
それで今回はタイトルの通り、ショートからのコンバートした選手はプロ野球界にどの程度いるのか調べていこうと思う。
調査対象期間:2020年以降の5年間
調査対象:1軍で規定試合数以上の選手(それぞれの年ごと)。
※規定試合数:[野手]チームの試合数×2/3以上、なので守備固め要因の選手は対象からは外れることになる。
コンバートの対象
・巨人・坂本のような、プロ入り後も長くショートを守っていたが、晩年に差し掛かりサードへ転向したパターン
・楽天・浅村は二塁手と三塁手として規定試合数出場しているが、この場合はコンバート2回として扱う。
・阪神・木浪のように、アマチュア時代にショートのみではなく「ショート兼セカンド」のようなユーティリティに活躍した選手。
木浪に関しては以下サイトで、「本職はショート」と記載されいているので、元ショートとしてカウント。(社会人2年目は主にショートとして出場)
※一貫性を持たせるためにドラフトレポートのサイトで確認する。
コンバートの対象外
・中日・村松のような、セカンド兼ショートのような選手は元セカンドとしてカウントする。高校時代はショートで出場していたが、大学(ドラフト指名時)ではレギュラーを獲得してからセカンドでの出場が主なため。
・オリックス・西川龍馬は広島、オリックスの2球団で外野手として規定試合数出場している。
この場合は別球団だが、同ポジションのためコンバート1回として扱う。
・外国人
それでは、過去5年分の選手を年度別・ポジション別に確認していく。
太文字青背景がの選手が、ショートからのコンバートとなっている
※誤っている箇所がありましたら、ご指摘お願いいたします。m(__)m
年度別
2020年
セ・リーグ
パ・リーグ
2021年
セ・リーグ
パ・リーグ
2022年
セ・リーグ
パ・リーグ
2023年
セ・リーグ
パ・リーグ
2024年
セ・リーグ
パ・リーグ
ポジション別
※以下では重複している選手は記載していない。別ポジションでは記載。
※太文字青背景が元ショート
一塁手
二塁手
三塁手
遊撃手
外野手
結果
過去5年で内野手・外野手として規定試合数に到達した選手は133人 ※重複は除く
そのうち、ドラフト指名時に主にショートとして出場していた選手は47人
47/117 40% ※日本人選手のみ
一塁手:3/13 23%
二塁手:11/14 79%
三塁手:6/22 27%
遊撃手:20/21 95%
外野手:7/47 15%
過去5年の規定試合数に達した選手が117人、その内ショートを守っていた選手は21人で18% ※重複なし
21/117 18%
現在のショートのレギュラー(規定試合数以上)よりも、他ポジションの元ショートの方が多いということだ。
個人的には想像より多い結果だった。
以降は結果のまとめになる。
まとめ
二塁手は元ショートが多い
二塁手は11/14で 79%が元ショートの選手が占めている。
もちろんアマチュア時代にセカンドを守ったことのある選手もいるが、個人的にはかなり多いと感じた。
ショート以外で2つのポジション
楽天・鈴木大地、浅村はショート以外に、過去5年以内に2つのポジションで規定試合数出場している。
鈴木:20年にサード、21年にファースト
浅村:20年にセカンド、24年にサード ※15年以降セカンド
過去5年以前を含むと、他にも西武・外崎、オリックス・福田も2つのポジションで出場している。
外崎:17年に外野、20年にセカンド ※19年以降セカンド
福田:18,19年にセカンド、21年以降外野
現在のショートで村松のみが元セカンド
過去5年ショートを守った選手で、唯一中日・村松のみが元ショートではないという結果になった。
村松は高校では主にショートして出場していたが、大学でスタメンを獲得して以降は主にセカンドで出場していたので今回はセカンド扱いとした。
以下の指名あいさつの記事を見る感じ、「セカンド・ショートどちらも」という感じ。
※今回の調査上、1つメインポジションを定めつ必要があったので許してください。
他のポジションは替えが効く
上でも記載しているが、セカンドの多くは元ショート。
サードに関しても6/22 27%は元ショート。
サードは他にも広島・坂倉、ソフトバンク・栗原、日本ハム・郡司など元捕手の選手もいる。
外野は7/55 12.7%とポジション別で最も割合は低いが、DeNA・桑原、日本ハム・大田がゴールデン・グラブ賞を獲得したり、西武・金子など守備の上手い選手もいる。
金子は2019年で最も素晴らしい左翼手だったらしい(GGは受賞していないが)
大田も2020年で最も優れた右翼手だったらしい(GG賞獲得)
しかし、ショートは20/21 95%で元ショートが出場しており、
最も替えが効かないポジションとなっている。
ドラフトへの影響
その1
日本代表クラスのポジションプレイヤーが球団にいた場合は、ただ良い選手から順に指名すればよいというわけではない。
例えば、巨人・坂本が全盛期の状態でチームに在籍していた場合、
即戦力でショートの選手を獲得する必要性はない。
仮の話だが、2012年(坂本高卒6年目シーズン)に今年のドラフト1位候補である明治大・宗山がいたとして、宗山を獲得する必要があるだろうか、いやない(反語)。
宗山が欲しい球団は、現状ショートが固定できていないor2,3年後のショートが欲しい球団である。
流石にその年で最も良い選手を1位指名する方針の日ハムでもそんなことはしないと思う。
2012年時点、坂本は1軍でショート以外のポジションを守ったことがない。
この状況で1位で即戦力ショートに指名した場合、Twitterが大荒れである。
仮にショートの頭数を増やしたい場合、明治大-中日の村松や、Honda-中日阿部のようにショート以外に複数ポジション守ることが可能な選手or高卒の素材型の選手を獲得するのではないかと思う。
これならTwitterは荒れないはず。
まぁこれはショートに限らず、どのポジションでも同じ話だと思うけど。
その2
中日はここ2年のドラフトで6人のショートを獲得している。(本当らしい)
当時Twitterが荒れたんだろう、俺は中日ファンではないけどなんとなく分かる。
なんでそんなドラフト戦略に至ったのか、気になって調べてみたらいくつか記事が出てきたので、引用させていただく。
以下の記事では、足りないポジション埋めるのではなく、良い選手を獲得して、トレードの駒にするのもありという見解。
これ、実は結構ありなのではと思ったりした。
以下の記事は、ショートはコンバートができるから、別にそんなに問題ないという見解。
ショートを守っている選手でセカンド、サードを守れる選手は確かにいる。
それは今回の調査結果でも分かったことだ。
(それでも2年で6人は多い気がするが。カリステも獲得しているので実際は2年で7人らしい)
確かにショートにいい選手が集まりやすいのは、本当だと思う。
これは俺の考えなんだけど、少年野球で優先されるポジションは
投手→遊撃手の順だと思う。それ以下は、捕手や、一塁手、三塁手、中堅手とか人それぞれだと思うから、今回は置いておく。
上の記事の通り、ポジションの被りはあまり考えず、いい選手から指名するのは理にかなってるとも言えそう。その後どうするかは現場次第だと思うが。あとは以下の意見と同じ。
なので、コンバート前提というかショートを守れるというのは、ドラフト戦略にも影響するということであった。
ショートの選手らコンバートできる可能性が高いので、迷ったらショートの選手を指名するのもあり。
そう言うところもちょっと頭に入れてドラフトを見てみようと思う。
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