神客
昨晩はずっと眠れなかった。午前3時3分、雨の降り始める瞬間の音を聞いた。1分後には止み、それから4時まで、降ったり止んだりを繰り返した。
Nohtenkigengo の Villa という曲をSpotifyで見つけた。音と声が好き。宅録アーティストがつくる音は不思議で心地よいものばかりで、はまる曲が多い。
夜更かし 空しく 得るものはない、と歌うサビ。そんなことはね、私もわかっているのだけれどね。考えなくてもいいことを考えながら、毎日夜更かしをするのだ。
11時半に一度起きた。そのとき、見た夢のことを記したであろうメモは、「コーヒーショップショップバーガー」だった。アメリカの匂いがする。
バイト先に自転車で向かった。天気の悪さが気にならないくらい、風がすずしくて快適な気候だった。ようやく夏は去った。
以前は苦手だった、50歳前後の社員さんと話した。「うなぎパイ持ってきたから食べてね」と言い、両手で口を隠してくっくっくっ、と笑う彼女に、かわええな!と思った。そう、「かわいい」は振り幅が大きい。うなぎパイはおいしい。
今日はお客様がべらぼうに多かった。忙しい日の前半はスイッチが入って、いろいろと気配りができるけれど、後半には、脳内が帰りたいコールで満たされ、能面のような顔になってしまう。
いちバイトである私にとっての神客は、愛想の良い人でも、たくさん買ってくださる人でもない。
すぐ帰る人、これに限る。
インターンとバイト合わせて12連勤だった。こんな馬鹿げた日々にそろそろ終わりを告げよう。一刻も早く心のゆとりを取り戻して、キレのある感性をみがくのである。
私はほんとうは、
おしゃれがしたいし髪切りたいしおいしいご飯を食べたいし好きな人たちとお酒が飲みたいしミニシアターで映画を観たいし一にも二にも喫茶店に行きたい。はぁはぁ。
明日は早起きしましょうね。
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