デーヴァとディーヴァ
9月14日はヒンディー語の日で、1月10日は国際ヒンディー語の日です。
サンスクリット語・ヒンディー語・マラーティー語・ネパール語などで使用されている文字体系は【デーヴァナーガリー文字】と呼ばれ、サンスクリット語では〈देवनागरी / Devanāgarī〉と表記され、ヒンディー語ではデーヴナーグリー, ネパール語ではデバナガリと呼称されます。
南インドのサンスクリット語の【ナンディナーガリー文字】やジャイナ教の【ジャイナナーガリー文字】、バングラデシュのシレット語の【シローティナーガリー文字】などの派生があります。
漢字圏でデーヴァナーガリー文字は【天城文】と表記されます。
デーヴァナーガリー文字の〈देव / 𑀤𑁂𑀯 / Deva〉[デーヴァ]は“天空の神”の意で、イタリア語で“女神; 歌姫”の意の〈Diva〉[ディーヴァ]やアヴェスタ語で“魔神”の意の〈𐬛𐬀𐬉𐬎𐬎𐬀〉[ダエーワ]と同じ語源となっていて、ゾロアスター神話の魔神ダエーワの英語表記〈Daeva〉はDivaと同じくディーヴァ[ˈdiː.və]と発音されます。
サンスクリット語デーヴァの女性形はデーヴィーで、サンスクリット語で〈देवी / 𑀤𑁂𑀯𑀻 / Devī〉, インドネシア語で〈Dewi〉となります。
イタリア語ディーヴァの男性形はディーヴォで〈Divo〉と表記されます。
歌姫のディーヴァは、日本語では〈ディーヴァ / Dīva / Ďiibwa〉[dʲíː.βà]と〈ディーバ / Dība / Ďiiba〉[dʲíː.bà]とでカタカナの綴りに合わせて発音が有声両唇摩擦音[β]から有声両唇破裂音[b]に変化します。現行の訓令式ローマ字ではディ[di]とヴァ行[β]の正しい表記が制定されていないため、ディは初期訓令式に基づく〈ĎI・Ďi・ďi〉, ヴァ行は〈BW・Bw・bw〉で示しています。
今回はいろいろな言語でデーヴァとディーヴァを取り上げます。
いろいろな言語でデーヴァとディーヴァ
インド諸言語ではダ行音はサンスクリット語由来のものは歯音DA《द / 𑀤 / D・d》[d̪]に由来する字母で表記されるのが多くの言語における原則ですが、英語経由で借用されたヨーロッパ諸言語のダ行音は、南アジアの言語のほとんどで、そり舌音DDA《ड / 𑀟 / Ḍ・ḍ》[ɖ]に由来する字母で表記されるルールとなっています。
正則アラビア語やフィリピン諸語の大半、ベルベル諸語の大半、イヌイット諸語などではイ段[i]とエ段[e]の区別が存在しないため、デーヴァとディーヴァが同一の綴りとなる言語が見られます。
【デーヴァ〈Deva〉―ディーヴァ〈Diva〉】ほとんどのラテン文字使用言語
【デーヴァ〈Deva / ·𐑛𐑱𐑝𐑩〉―ディーヴァ〈Diva / 𐑛𐑰𐑝𐑩〉】イギリス英 - シェイヴィアン文字の中点《·》は固有名詞符。
【デーヴァ〈Deva / 𐐔𐐩𐑂𐐲〉―ディーヴァ〈Diva / 𐐔𐐨𐑂𐐲〉】アメリカ英
【デーヴァ〈Deva / 𐔄𐔇𐔠𐔀 / 𐕵𐖞𐖸𐖗〉―ディーヴァ〈Diva / 𐔄𐔍𐔠𐔀 / 𐕵𐖥𐖸𐖗〉】アルバニア
【デーヴァ〈Deva〉―ディーヴァ〈Divă〉】ルーマニア、モルドバ
【デーヴァ〈Deva〉―ディーヴァ〈Díva〉】アイスランド
【デーヴァ〈Devao〉―ディーヴァ〈Divao〉】エスペラント
【デーヴァ〈Devâ , Dev / Девъ , Дев / देव〉―ディーヴァ〈Diva / Дива / दिवा〉】ロマーニー
【デーヴァ〈Dewa〉―ディーヴァ〈Diva〉】インドネシア
【デーヴァ〈Dewa〉―ディーヴァ〈Diwa〉】ポーランド、トルクメン
【デーヴァ〈Deeva〉―ディーヴァ〈Diiva〉】フィンランド、エストニア
【デーヴァ〈Defa〉―ディーヴァ〈Difa〉】ウェールズ
【デーヴァ〈Déva〉―ディーヴァ〈Diva〉】フランス、チェコ - チェコ語で“乙女”の意の〈Děva〉はヂェーヴァと読む。
【デーヴァ〈Déva〉―ディーヴァ〈Díva〉】スロバキア、ハンガリー
【デーヴァ〈Déwa〉―ディーヴァ〈Diva〉】アチェ
【デーヴァ〈Dêva〉―ディーヴァ〈Dîva〉】クルド
【デーヴァ〈Dêve〉―ディーヴァ〈Diva〉】ザザキ
【デーヴァ〈Dēva〉―ディーヴァ〈Dīva〉】ラテン、ラトビア
【デーヴァ〈Dizboz / Diƨboƨ / 提婆〉―ディーヴァ〈Dizvan / Diƨvan / 迪万〉】チワン
【デーヴァ〈Diwa〉―ディーヴァ〈Diwa〉】ケチュア
【デーヴァ〈Dívea / Ꝺíḃeɑ〉―ディーヴァ〈Dívea / Ꝺíḃeɑ〉】アイルランド
【デーヴァ〈Đề-bà / 提婆〉―ディーヴァ〈Đi-va〉】ベトナム
【デーヴァ〈Δέβα〉―ディーヴァ〈Ντίβα〉】ギリシャ
【デーヴァ〈Дева〉―ディーヴァ〈Дива〉】ほとんどのキリル文字使用言語 - 前者と同じ綴りのデーヴァはブルガリア語で“おとめ座”の意。
【デーヴァ〈Дева〉―ディーヴァ〈Діва〉】ウクライナ、ルシン - ウクライナ語で後者と同じ綴りのヂーヴァは“乙女; 聖母”の意。ルシン語で“乙女”の意の〈Дїва〉はヂィーヴァと読む。
【デーヴァ〈Дева〉―ディーヴァ〈Дивэ〉】モルドバ
【デーヴァ〈Дэва , Дева〉―ディーヴァ〈Дива〉】ロシア - デーヴァの後者はヂェーヴァ[ˈdʲe.və]と読まれる場合“乙女; 聖母; おとめ座”の意となることから、インド神話のデーヴァ[ˈdɛ.və]の場合は誤読・誤解を防ぐために、エ段はイェー《Е・е》[je]からエー《Э・э》[ɛ]に置き換えるが、デーヴァナーガリー文字などの場合、エ段はキリル文字共通のイェー《Е・е》で〈Деванагари〉と綴られる。
【デーヴァ〈Дэва〉―ディーヴァ〈Дзіва〉】ベラルーシ - おとめ座の意のヅェーヴァは〈Дзева〉。
【デーヴァ〈Дєва / Ⰴⰵⰲⰰ〉―ディーヴァ〈Дива / Ⰴⰻⰲⰰ〉】古代教会スラブ
【デーヴァ〈Типә〉―ディーヴァ〈Дива〉】東干
【デーヴァ〈Դեվա〉―ディーヴァ〈Դիվա〉】アルメニア
【デーヴァ〈დევა / ᲓᲔᲕᲐ / Ⴃⴄⴅⴀ〉―ディーヴァ〈დივა / ᲓᲘᲕᲐ / Ⴃⴈⴅⴀ〉】ジョージア、メグレル、ラズ
【デーヴァ〈ᏕᏩ , ᏕᏫ- / Dewa , Dewi-〉―ディーヴァ〈ᏗᏩ / Diwa〉】チェロキー - デーヴァナーガリーは〈ᏕᏫᎾᎦᎵ / Dewinagali〉[デーウィナーガリー]とヒンディー語の発音に近い表記。
【デーヴァ〈דווה , דווא־〉―ディーヴァ〈דיווה〉】ヘブライ
【デーヴァ〈דיב׳ה , דיב׳א־〉―ディーヴァ〈דיב׳ה〉】ラディノ
【デーヴァ〈דעװאַ〉―ディーヴァ〈דיװאַ〉】イディッシュ
【デーヴァ〈دەوا〉―ディーヴァ〈دٖىوا〉】ボスニア
【デーヴァ〈دەۆا〉―ディーヴァ〈دىيۆا〉】カザフ
【デーヴァ〈ديفا〉―ディーヴァ〈ديفة ، ديفا〉】アラビア - ター・マルブータ《ة》は女性形のア段を示す。
【デーヴァ〈ديڤا〉―ディーヴァ〈ديڤة〉】モロッコ・アラビア
【デーヴァ〈دیڤا〉―ディーヴァ〈دیڤا〉】ソラニー
【デーヴァ〈دیڤا ، دیفا〉―ディーヴァ〈دیڤا ، دیفا〉】エジプト・アラビア
【デーヴァ〈ديڥا〉―ディーヴァ〈ديڥة〉】チュニジア
【デーヴァ〈ديو〉―ディーヴァ〈ڊيوا〉】シンド
【デーヴァ〈دیو〉―ディーヴァ〈ڈیوا〉】ウルドゥー、西パンジャブ、サラーエキー - 西パンジャブ語では〈دیو ناگری〉とデーヴァとナーガリーが分かち書きで表記される。
【デーヴァ〈ديوا〉―ディーヴァ〈ديۏا〉】ジャウィ - ヴァ行はサンスクリット由来の場合はマレーシア・インドネシア完全正書法ラテン文字〈Dewa〉[デワ]に基づきWAW《و》[w ゥ]で、ヨーロッパ諸言語由来の場合はVA《ۏ》[v ヴ]で表記される。
【デーヴァ〈دېو〉―ディーヴァ〈ديوا〉】パシュトー
【デーヴァ〈دېۋا〉―ディーヴァ〈دىۋا〉】ウイグル
【デーヴァ〈ދީވަ〉―ディーヴァ〈ޑީވާ〉】ディベヒ
【デーヴァ〈ܕܝܘܐ〉―ディーヴァ〈ܕܝܒ݂ܐ〉】アッシリア現代アラム - ヴァ行はヨーロッパ諸言語由来の場合はルッカーハ付きベース《ܒ݂》[v ヴ]で表記される。
【デーヴァ〈देव〉―ディーヴァ〈डिभा〉】ネパール - ヴァ行はヨーロッパ諸言語由来の場合はBHA《भ》[bʰ バ]で表記される。
【デーヴァ〈देव〉―ディーヴァ〈डीवा〉】ヒンディー
【デーヴァ〈देव〉―ディーヴァ〈दिवा〉】ボド
【デーヴァ〈দেব〉―ディーヴァ〈ডিভা〉】ベンガル、ビシュヌプリヤ - ヴァ行はサンスクリット由来の場合はBA《ব》[b ボ]がVA[w ウォ]と同型であることにちなんでBAで表記されるが、ヨーロッパ諸言語由来の場合はBHA《ভ》[bʰ ボ]で表記される。
【デーヴァ〈দেৱ〉―ディーヴァ〈ডিভা〉】アッサム - ヴァ行はサンスクリット由来の場合はアッサム文字VA《ৱ》[w ウォ]で表記されるが、ヨーロッパ諸言語由来の場合はBHA《ভ》[bʰ ボ]で表記される。
【デーヴァ〈ਦੇਵ〉―ディーヴァ〈ਡੀਵਾ〉】パンジャブ
【デーヴァ〈དེ་བ་ , དེ་བ།〉―ディーヴァ〈དྷཱི་བ་ , དྷཱི་བ།〉】チベット - ヴァ行はBA《བ》[w ワ]で表記。
【デーヴァ〈དེ་ཝ་ , དེ་ཝ།〉―ディーヴァ〈ཌི་བ་ , ཌི་བ།〉】ゾンカ - ヴァ行はインド諸言語由来の場合はチベット語と異なりWA《ཝ》[w ワ]で表記されるが、ヨーロッパ諸言語由来の場合はBA《བ》[b バ]で表記。
【デーヴァ〈ꯗꯦꯋ / দেৱ〉―ディーヴァ〈ꯗꯤꯚꯥ / দিভা , দীভা〉】マニプーリ - ヴァ行は原則的にWAI《ꯋ / ৱ》[w ワ]で表記されるが、ヨーロッパ諸言語由来の場合はBHAM《ꯚ / ভ》[bʰ バ]で表記。マニプーリ語には“そり舌音”が存在しないため(旧正書法ではDDA《ꫦ / ড》[d ダ]で表記されていた)、ダ行音は常にDIL《ꯗ / দ》[d ダ]で表記される。
【デーヴァ〈𑒠𑒹𑒫 / देव〉―ディーヴァ〈𑒛𑒲𑒦𑒰 / डीभा〉】マイティリー - ヴァ行はヨーロッパ諸言語由来の場合はBHA《भ》[bʰ バ]で表記される。
【デーヴァ〈ଦେବ〉―ディーヴァ〈ଦିଭା , ଡିଭା〉】オリヤー - ヴァ行は本来、VA《ଵ》[w ウォ]だが、サンスクリット由来の場合はBA《ବ》[b ボ], ヨーロッパ諸言語由来の場合はBHA《ଭ》[bʰ バ]で表記される。歌姫のディーヴァのダ行音はデーヴァの影響でDA《ଦ》となるが、英語経由借用語用のDDA《ଡ》にもなる。
【デーヴァ〈ᱫᱮᱣᱟ , ᱫᱮᱣ〉―ディーヴァ〈ᱰᱤᱵᱷᱟ〉】サンタル - ヴァ行はインド諸言語由来の場合はAAW《ᱣ》[w ゥ]で表記されるが、例外的にデーヴァナーガリーの〈ᱫᱮᱵᱽᱱᱟᱜᱽᱨᱤ〉などベンガル語やオリヤー語を経由して借用された場合はOB《ᱵ- , -ᱵᱽ》[b ブ]と表記され、ヨーロッパ諸言語由来の場合はOBとOHの連字《ᱵᱷ》[bʰ ブ]で表記。
【デーヴァ〈தேவ〉―ディーヴァ〈டீவா〉】タミル
【デーヴァ〈ദേവ , ദേവൻ〉―ディーヴァ〈ഡീവ〉】マラヤラム
【デーヴァ〈දේව〉―ディーヴァ〈දීවා〉】シンハラ
【デーヴァ〈ထေဝ〉―ディーヴァ〈ဒဳဝါ〉】モン - デーヴァナーガリーは〈ထေဝနာခရေဝ်〉と、本来のインド系文字と異なる綴りで表される。
【デーヴァ〈ဒေဝ / Deva〉―ディーヴァ〈ဍီဘါ / Ḍībhā〉】パーリ - ヴァ行はヨーロッパ諸言語由来の場合はBHA《ဘ》[bʰ バ]で表記。デーヴァのVA《ဝ》[ʋ ヴァ]は、バングラ・パーリ語では〈দেৰ〉[デーヴァ]という風にアッサム文字RA《ৰ》, チャクマ・パーリ語では〈𑄘𑄬𑅇〉[デーヴァ]という風にVAA《𑅇》―ディーヴァは〈𑄓𑄩𑄞𑅅〉[ディーバー]と、拡張チャクマ文字の母音記号AA《𑄃𑅅》で長音を表記―とそれぞれ拡張文字で表記される。
【デーヴァ〈ဒေဝ〉―ディーヴァ〈ဒီဗ〉】ビルマ、アラカン - ヴァ行はインド諸言語由来の場合はWA《ဝ》[w ワ], ヨーロッパ諸言語由来の場合はBA《ဗ》[b バ]で表記。
【デーヴァ〈ទេវ〉―ディーヴァ〈ឌីវ៉ា〉】クメール - デーヴァの派生語で“神”の意の〈ទេព〉[テープ]がある。
【デーヴァ〈เทว〉―ディーヴァ〈ดีวา , ดีว่า〉】タイ - デーヴァの派生語で“神”の意の〈เทพ〉[テープ]がある。
【デーヴァ〈ເທວະ〉―ディーヴァ〈ດີວາ〉】ラオ - デーヴァの派生語で“神”の意の〈ເທບ〉[テープ]がある。
【デーヴァ〈ᬤᬾᬯ / Déwa〉―ディーヴァ〈ᬤᬶᬧ , ᬤᬶᬯ᬴ / Diva〉】バリ - バリ文字本来のラテン文字フェー《V》に対応する表記はルルカン付きWA《ᬯ᬴》[f ファ/p パ]だが、現行正書法ではインド諸語由来は伝統的な表記であるWA《ᬯ》[w ワ]を用い、英語・オランダ語由来の一般名詞の場合はPA《ᬧ》[p パ]を用いるのがルール。
【デーヴァ〈ᜇᜒᜊ / Deva〉―ディーヴァ〈ᜇᜒᜊ / Diva〉】タガログ/フィリピノ
【デーヴァ〈提婆 / Típó〉―♀ディーヴァ〈迪娃 / Díwá〉―⚧ディーヴァ〈迪瓦 / Díwǎ〉】中国 - ノンバイナリーのディーヴァ[歌姫]表記も見られる。
【デーヴァ〈提婆 / ㄊㄧˊㄆㄛˊ〉―♀ディーヴァ〈迪娃 / ㄉㄧˊㄨㄚˊ〉―⚧ディーヴァ〈迪瓦 / ㄉㄧˊㄨㄚˇ〉】台湾華
【デーヴァ〈提婆 / Tai⁴po⁴〉―♀ディーヴァ〈迪娃 / Dik⁶waa¹〉―⚧ディーヴァ〈迪瓦 / Dik⁶ngaa⁵〉】広東
【デーヴァ〈提婆 / Thê-pô〉―♀ディーヴァ〈迪娃 / Te̍k-oa〉―⚧ディーヴァ〈迪瓦 / Te̍k-ㄚˇ〉】台湾
【デーヴァ〈提婆 / Thì-phò〉―♀ディーヴァ〈迪娃 / Thi̍t-vâ〉―⚧ディーヴァ〈迪瓦 / Thi̍t-ngá〉】客家
【デーヴァ〈提婆 / Dhǐkbhu〉―ディーヴァ〈迪万 / Dhǐkve〉】上海
【デーヴァ〈提婆〉―ディーヴァ〈迪万 / 迪萬〉】贛
【デーヴァ〈데바〉―ディーヴァ〈디바〉】韓国
【デーヴァ〈데ᄫᅡ〉―ディーヴァ〈디ᄫᅡ〉】チアチア
【デーヴァ〈ߘߋߝ߭ߊ߫〉―ディーヴァ〈ߘߌߝ߭ߊ߫〉】マニンカ - ンコ文字でデーヴァナーガリーは〈ߘߋߝ߭ߣߊߜ߭ߊߙߌ߫〉と綴られ、2つの音節における母音が同一の場合、VANA〈ߝ߭ߣߊ〉[ヴァナ]という風に第2音節に限り母音が表記される。
【デーヴァ〈𞤁𞤫𞤾𞤢〉―ディーヴァ〈𞤁𞤭𞤾𞤢〉】フラニ
デーヴァとディーヴァについてのメモ
スラブ諸語では、古代教会スラブ語で“乙女”の意である〈Дѣва / Ⰴⱑⰲⰰ / Děva〉[ヂェーヴァ]を語源とする単語と同一の綴りとなるものが見られます。
デーヴァの漢字表記〈提婆〉は日本語ではダイバ[dái̯.bà]と音読され、牛馬に憑依する高知県の妖怪の名称にもなっています。
英語で〈Daeva〉と表記されイタリア語由来の女神の名称と同じくディーヴァと呼ばれるゾロアスター神話の魔神の名称及びインド神話のデーヴァに由来するT&Eソフトのパソコン用ゲーム『ディーヴァ』の英語表記は『DAIVA』―実際のタイトルロゴは『DɅIVA』―と、日本語の提婆とゾロアスター神話のダエーワの影響を受けた表記となっています。
ダエーワは日本語ではデーウとも呼ばれています。