奄美語におけるしまくとぅば表記法の対応表記

画像1 2/18は鹿児島県の奄美語諸方言の記念日として制定され、方言全般の記念日に転じた方言の日です。令和4年に琉球諸語共通の仮名文字正書法を示す“しまくとぅば表記法”が発表されカタカナ・ひらがな両文字体系に上付き文字8種16字を追加した表記法です。Xim Sans Handwrittenフォントに奄美語諸方言に必要な上付きカタカナの《ア/イ/ウ/エ/オ/ツ》が含まれています。それ以前に三省堂・刊『カナで引く外国語辞典』で子音字のみを示す表記として同型の上付きカタカナが使用されています。
画像2 奄美語に於いて、無声音は有気音[ʰ]と放出音[ʼ]に分かれています。その分類に近い文字体系である台湾語仮名/ハングル字母/ジョージア諸文字/カフカズ・キリル文字/アブハズ語キリル文字/アブハズ語ヤナリフ/セレール語ラテン文字/アムハラ語エチオピア文字との対照です。
画像3 奄美語におけるÏ《イ゚・ィ゚》段[ɨ イゥ/ ɪ イ]及びË《エ゚・ェ゚》[ɘ エゥ]段(※日本語標準語では〈あい・あえ〉に対応)です。特定行の場合はカタカナ小文字にダイアクリティカルマークの半濁点《゜》が付加されます。ローマ字表記におけるウムラウト《¨》付きのI《Ï・ï》[ɨ~ɪ]とE《Ë・ë》[ɘ]は上代特殊仮名づかい乙種を示す音韻表記と同一となっています。なお、奄美語与論島方言はア《🇯🇵あ》[a], イ《🇯🇵い・🇯🇵え》[i], ウ《🇯🇵う・🇯🇵お》[u]の3母音のみです。