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ラジオの恋

ラジオを聞き始めて半世紀を越えるけれど、いつもラジオはそばにありました。
テレビは一時的に擦り寄ってきたけれど、すでにラジオが生活の一部になっていたので、テレビが入り込む隙がなかったようです。
こちらからラジオ局にメッセージを送ることも、もはや友達に手紙を書く感覚。ひいては、パーソナリティの存在すら友達になってしまう。
現実にはパーソナリティにはパーソナリティのプライバシーがあるので、一定の距離はとっていますが、それでもその一言に力はあります。

Video Killed the Radio Starとトレヴァ・ホーンは歌ったけれど、当時から笑っている人がほとんどでした。この曲に火がついたのは少なくとも国内ではラジオだったから。だれもラジオが滅びるなんて思ってなかった。今やラジオよりテレビの方が危うくなってきています。
インターネットの普及にテレビは勝つことはできず、形を変えてネットに吸収されていくことでしょう。

内容的にはおとぎばなし、短編小説というよりもショートショートな感覚です。
ないように大きな起承転結があるわけではなく、小さな積み重ねを一気に覆すから。
noteではよく見られる携帯の物語です。
「媒体としてどちらが優れていると思う?」とあちらから語りかけてくるシーンすらあります。
「ラジオはなくならないよ」っていう監督の強い思いですかね。
なかなか濃い作品でもあります。


名古屋で育ったので、ラジオといえばつボイノリオが最大のスターでした。
コミュニティFMが普及してくると、ラジオは形態を変えます。
いわゆる圏域局と呼ばれる放送局とコミュニティ局。
コミュニティFMは狭い地域での振興、災害対策などが主たる局です。
金儲けは2次的要素であるべき。
そこで話すのはタレントさんやミュージシャンの他に、地域に住む普通の人。
小さい局が狭い地域を丹念にカバーするというスタイルができあがっていくわけです。
ラジオは今でも進化しているんですよね。

主人公の横山雄二さんは使命感を再び胸に刻んで、マイクの前にいる。
話していることは以前と同じ。
「横山、まだバカなことばっかり言ってるな」
それこそがパーソナリティの幸せなのかもしれないです。

横山さん、Twiiterを活発に利用されているようで、作品の感想など送ってみようと思ったけれど、あまりにも面映くて出せません。
こんなときこそ、まず彼のラジオ番組を聴いて、メッセージを送って一歩近づいておくのがよかろうと。それが自分のスタイルだし、この番組に出てきた登場したリスナーさんたちも同じ想いだったに違いありません。

映画企画を持ち込んだ時川氏のラジオへの思いが強く感じられます。
それに共鳴したからこそ横山さんも出演されたのでしょう。ラジオはまだまだ死なない!!

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