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さいはての彼女(375字)

いやあ、いいものを読ませていただきましたって言うのが、率直な感想。
途中からずっとそんな気分で読んでました。
オートバイ、風。
いや、いちばんのテーマは「風」だろうな。
風のような生き方、それがテーマ。
疲れた人たちが北海道の最果てにやってくる。
みんな、なんらかの挫折なり問題を抱えて、本人曰く「逃げてきた」。
逃げてきた原因を胸に澱ませてどうしようもない気持ちを「風」で吹き飛ばす、そんなお話でした。

主人公ナギはいつも自然体。
その自然体こそが「風」。
でも烈風は吹かなくて、ゆる〜い風が吹くだけ。
吹くというより、流れている。
強い力で押せば、大きな変化に対応できなくて戸惑ったりするけれども、ゆるい場合少しずつ変化していくことになる。
ゆるいのは、問題を抱えた本人がナギの生き方を見て、自ら気づくからだ。
強制しないし、変にアドバイスもしない。

自然体、風。
ハートフル。

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