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忍路郡忍路


わたしは忍路が大好きです。
忍路だけでなく、旧忍路郡全体が好きです。
旧忍路郡は、昭和34年頃のいわゆる「昭和の大合併」で小樽市と合併しました。
地図で見ると、忍路地域の''出っ張り''は赤岩まで続き、小樽を守っているかのように見えますが、いちばん西の忍路だけは、堤防のように突き出した日本の岬が、忍路という谷間を守っています。

少し隠微な印象を受けるのです。
国道5号という大動脈(言い過ぎ)から海に降りること約2km。
世間の動きなど知らぬ、存ぜぬみたいな地理。
たとえ国をあげて戦っていたとしても、ここだけは静かな別天地。
世間から逃げてきた人が隠れ住むにはふさわしい。
そんななかには、許されぬ二人が逃げ込んで来るかもしれない。
なんか隠微じゃありませんか。
実際には小樽から徒歩で半日程度ですし、人の目から大きく逃れることは不可能です。でもそういう空気が存在し肌で感じるのが忍路なんです。
その空気は塩谷にも桃内にもありません。
ましてやビキニのお嬢さんがキャピキャピしてそうな蘭島は、もはや忍路郡とは呼べますまい。

国道5号からあらたしく作られた道を折れていくと、眼下には忍路海岸が広がり、廃道となった忍路の旧道が見下ろせます。
その向こうには塩谷の先端。
はや、絶景です。
今は人気のパン屋さんもあり、少し知られているのかもしれません。
そこにベンチを設けた方がいます。
おそらく自宅の入り口にベンチを置いたものでしょうが、ほぼ道路に設置されているので、散策者のために置いたとおもっています。
「ここから忍路の風景をみてくれよ。絶景だろ」と話しかけられた気がします。
自転車で訪れた自分も利用してしばらく忍路の絶景と緩やかな風にひたりました。
ここから坂を降りていった先に忍路港があります。
海はピカピカと光っています。
岬に守られて海は穏やか。その向こうでは積丹半島が始まってします。
激しい日本海。
でも忍路は静かな海。

いつか人や自然の暴風から逃れてきた若いアベックのお話を書きたいと思っています。気合いばかりで何も考えられていませんが。
リンク先のクマ親父さんがうらやましいのです。
絵が描けるって最強です。
あの風景を、人に見せられるんですから。
なんとか文章で伝えられたらいいなぁ。
がんばってくれよ、アベック!

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