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会計基準

会計基準設定アプローチ
帰納的アプローチ:
現実の会計実務で行われている会計処理の諸方法を検討・分析し、その中から一般に公正妥当と認められるものを抽出することによりGAAPを設定する方法
ex. 企業会計原則
演繹的アプローチ:
会計の前提となる仮定や会計の目的・機能を規定した上で、これらと整合的で首尾一貫するようにGAAPを設定する方法
ex. 新会計基準

※GAAP:Generally Accepted Accounting Principles
(一般に認められた会計原則)
GAAP
1. GAAPの必要性
経営者は本来、投資家の保守的なリスク評価によって企業価値が損なわれないよう、自己のもつ企業情報を自発的に開示する誘因を有している。そのため、たとえ公的な規制がなくても、投資家に必要な情報はある程度まで自然に開示されると考えられる。しかし、財務報告における情報作成を全て経営者に委ねるとすれば、虚偽の報告のおそれもあり、また、情報の等質性(比較可能性)が確保されないという問題が生じる。
このような経営者による虚偽報告を排除し、情報の等質性を確保するためには、情報作成のための最小限のルールを定めることが必要となる。しかし、それを当事者間の交渉または契約に委ねるとすれば多大なコストが発生してしまう。そこで、このようなコストを社会的に削減するため、財務報告に関する標準的な契約を一般化して規定するものがGAAP(会計基準)である。つまり、GAAPは、投資家による企業成果の予測と企業価値の評価に役立つ情報を提供するにあたって、経営者による虚偽報告を排除し、情報の等質性を確保するとともに、情報作成に必要な社会的コストを削減する役割を果たす。

2. 帰納的アプローチの特徴
帰納的アプローチにより形成された会計基準は、会計実務で行われている会計処理の諸方法から構成されており、実践可能性が高く遵守されやすい利点がある。
しかし、会計実務の問題点を改善するような会計基準の設定は期待しがたく、会計基準全体の整合性や首尾一貫性が確保される保証がない。

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