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Jazz Standard Theoryを読む。③Softly, as in a morning sunrise

ジャズ・スタンダード・セオリー 名曲から学ぶジャズ理論の全て』を題材にジャズ理論を勉強するシリーズ三回目。題材とする曲は『Softly, as in a morning sunrise』です。
一緒にお読みいただけると理解が深まるかもしれません。
(販促ではありませんし、内容を公開するわけでもないことをご理解いただき以下をお読みください。)

Softly, as in a morning sunrise

概要

music by Sigmund Romberg & Oscar Hammerstein II
1928年のオペレッタ(オペラの一種)の「ニュー・ムーン」からですね。

おなじみ独断と偏見プレイリストはこちら。

定番処から色物まで。
流石にテイクが多くて選ばなかったのにもいいのがたくさんあります。
龝吉敏子さんのアルバムが出てたことが個人的発見。

コード


キーはCm、BでEbに転調しますが殆どダイアトニック上のコードでキーのカラーがそのまま表れているような曲ですね。
初めて聴いた時、名前のわりになんてジメっぽい曲なんだと感じた記憶あります。笑

今回はマイナーダイアトニックコードとその三つのスケールについて拡張していく回になります。

解釈

マイナーダイアトニックコードはメジャーのそれと同じように、マイナースケールに3度で重ねていくことで出来るコードです。
しかしマイナーコードには3つのスケールが存在します。

ナチュラルマイナー(自然短音階)
ハーモニックマイナー(和声的短音階)
メロディックマイナー(旋律的短音階)

ナチュラルマイナーはそのまま3度を重ねて言った形。
しかしジャズのいわゆる「2-5-1」のドミナントモーションにおいて重要なトライトーン(ルートに半音で進行する導音)がナチュラルマイナーの5つ目のコードにありません。

それを解決するのがハーモニックマイナー。ないならば作ればいいじゃないということで
ナチュラルマイナーの7つ目の音を半音上げ導音にしたものがハーモニックマイナーということになります。

メロディックマイナーはハーモニックマイナーで上げた7つ目の音が今度は6つ目の音と短三度の関係になり、気持ち悪い音になってしまってます。
気持ち悪いなら気持ちいいようにすればいいじゃない(既視感)
6つ目の音も半音上げてスムーズに聞こえるようにしたものがメロディックマイナー

このスケールはメジャースケールと比べて3つ目の音が半音下がっていて、ルートの音から上行した場合3つ目の音ですぐにマイナーと判定できますが、下行する時にメジャーとメロディックマイナーの判別が難しくなるため
上行時はメロディックマイナー、下行時はハーモニックマイナーかナチュラルマイナーを使用するようになっています。
ただジャズにおいては全編メロディックマイナーであることがほとんど。
ソロ取る時に不便だからでしょうね。笑

サンプルテイク

Pf Ba Tpの変則トリオ。リズムに永遠に凝ってしまって本稿とは関係なくなってしまうのでドラムは抜きました。
メロディックマイナーでソロ取りたかったものの全編それだと逆に違和感があってそのままのところもあり。二週目で感覚変わってるかしら。

反省点

ピアノのヴォイシングを頑張ってみました。練習しないとうまくならないですしね。ルート減らして適度に音当てつつ、定番の形を目指しました。
相変わらず弾き過ぎてしまうきらいがあるので、良いバランスを探したい。

BassがEzBASSになって打ち込むのは早くなりました。ただ。
殆どそのままなんだけど改めて聴き直すと曲やテーマに対して合ってないところもあるなぁと。
ジャズは人が弾く、反応することで成立するジャンルだとつくづく思いました。

おわりに

3回目にして基本的なところがようやく揃ってきた感じはありますね…
ようやくスタンダードを眺めてコード機能的に見れるようになってきた。
改めてこの本の選曲の素晴らしさも感じています。

ピアノ自体の練習をしないといけないなぁ。
プレイヤー的なところまで行かずとも、入力装置として使えるようになりたいですね。

次回は『Autumn Leaves』です。遂に来たか、枯れ葉。
初心者はまずこの曲が弾けるように、と言われる曲です。
その理由が理解できればいいな。

読んでくれてありがとう。


おまけmemo

次回以降のために残しておくメモ。見る人の参考になったら幸いです。
今回は大尊敬してる方のサイトがオープンしたので紹介させてください。

SoundQuest

「自由派音楽理論」を掲げて運営されている音楽理論学習サイト。
個人で運営されていて(!)内容も素晴らしく、私の音楽理論への苦手意識を払拭してこんな連載をしようと思うに至りました。
まだ見たことない方は是非準備編だけでも読んで欲しい。

私の知識はSoundQuestを基本にして他をくっつけている、みたいな側面があります。
ちびちびと進めてるんですが色んな勉強方法が出会ってくれる日までこつこつ勉強したいです。

個人的に運営されている吉松 悠太さんの本業、Plugmonも本当にツボでセンスの良さが最高なので、是非見てみてください。
ここのプリセット使いたいがためにシンセ欲しいんだよね...w

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