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Think Lab × quod 新規プロジェクトのチームの作り方 〜 quod works #03

働き方の多様性や労働人口の減少により、年々採用活動は難易度を上げています。その一方で、会社単位ではなくプロジェクト単位でミッションやイシューに共感が集まり、応援する人や組織を超えてプロジェクトに参加する人、またそういった働き方も徐々に増えてきています。採用活動は難易度が上がるのに、会社からは新規事業や新しいアイデアを求められる。

そんな時代のプロジェクトの立ち上げ方やメンバーの集め方とは。

アイウエアブランド「ジンズ(JINS)」を手掛けるジンズホールディングスのグループ会社である株式会社Think Labの取締役事業統括 井上一鷹さんと、初期からThink Labプロジェクトにパートナーとして関わってきたquod共同代表の飯塚(株式会社Think Lab 事業企画・経営企画担当)と中川(株式会社Think Lab PR director)が鼎談をおこないました。

「Think Lab」は「世界で一番集中できる場所」というコンセプトで開発したワークスペースです。


プロジェクトベースのチームの作り方

人に役割を当てるのではなく、役割に人を当てる

飯塚:Think Labプロジェクトに関わって2年半になりますが、改めて振り返ってみると井上さんのプロジェクトの作り方はすごくユニークだと感じます。Think Labプロジェクトはほとんどが社外のメンバーで構成されていますよね。

井上:社内で新規事業を立ち上げるときに、プロジェクトの作り方には2つのパターンがあると思っていて。ひとつは「人に役割を当てる」、もうひとつは「役割に人を当てる」作り方です。前者が起きやすいのが社内で、後者は社外を含んだプロジェクトの方が実現しやすい。

社内でプロジェクトメンバーを集めようとすると、在籍している人員から選出しなければいけない。場合によってはもっと限られた人数から募ることや、望んでいないのにアサインされることもある。

その後に起こりやすいのが、各メンバーに役割を振らなければいけないという現象です。本来サービスを使ってくれるユーザーを第一に考えず、その人の能力や活躍ありきでサービスのことを考えてしまうことが一番問題だと思っています。だから、ファブレス化の次の段階として、雇用についても考えていかないといけない。

プロジェクト立ち上げ段階のチームの理想を言えば、willがあり、canもしっかり持っていて、経済的にも自立している人たちで構成されていることかな。

弱いつながりを持っている人たちをつなぐ

中川:Think Labプロジェクトのメンバーはどのように集まったのでしょうか。僕たちのとの出会いのきっかけは、共通の知人を介してでしたよね。

井上:そうですね。社外の方で自分と弱いつながりを持っている人たち、具体的には共通の友人や知人が多い人たちでしょうか。会社のように強いつながりのなかだと相対的な立ち位置を気にしてしまい、飛び抜けたモノや新しいモノを許容しにくくなってしまい、新しいプロジェクトが進みにくいという背景もあるんですよね。

飯塚:共通の知人はいれど、はじめて一緒に働くメンバーばかりだったと思います。僕たちも最初は信頼やケイパビリティもあまりよくわからない状態でスタートしたと思いますが、井上さんはどんなフィーリングだったんですか?

井上:僕はオーナーシップを持ってくれることに一番喜びを感じるんだけど、「自分のプロダクト」や「我々の」という感覚が早かったし自然だった印象があります。自分の責任で話せるって、信頼になるんですよね。

飯塚:嬉しいですね。quodでも仲間を集めるときには、信頼できるかどうかは根底にあります。山岸さんの著書『信頼の構造』の中で、信頼の定義は「社会的不確実性が存在する中で相手を信じることをしめす。」とありますが、新規事業を始めるときはより“信頼”がひとつ大きなテーマにありそうですね。


“do with the right Person“ なのか “do with the Person right“ なのか

井上:“do the right thing“ と “do things right“ の話に近いと思っているのですが、“do with the right Person“ なのか "do with the Person" を "right" にしていくのか。僕は前者なんですよ。自分が人を動かせるという幻想を抱かないことが大事だと思っているので、ドンピシャな人でまずはプロジェクトをスタートする。新しいプロジェクトを立ち上げるときには、多くても10人ぐらいのコアメンバーでよくて、そのメンバーはすごく善人でないといけないと思っています。

中川:善人であることや信頼は僕たちも大事にしていますが、一方で組織とか会社単位になったときに、利益のことも考えないといけないですよね。そのあたりのバランスはどのように考えられていますか。

井上:僕は善人であることは最低条件だと思っていて、ケイパビリティがなくていいわけではない。必要条件として、ちゃんとマネタイズしていくとかビジネスを成立させることのケイパビリティを持っていることは必要だと思っています。善人であることが最低条件である理由としては、この記事を引用していますが「善人をはべらせ、自分の都合の悪いことを進言できるように振舞う」ということが一番大事だと思っています。指摘をする人のことを信用していなければ自分を守る逃げ道になってしまうが、100%善人だと思っている人の指摘は自分を律する方向に持っていけると思うんですよね。


愛情のあるチームは弱みをあきらめる

飯塚:井上さんは「俺のプロジェクトです」という言い方をしないのも特徴だなと思っていて。イニシアチブは持つけどすごくフラットですよね。僕は元サッカー日本代表のオシム監督が好きなのですが、「サッカーの神の前にひざまずけ」という言い方をしていて、ダメな監督は自分を向けという指示をしますが、オシム監督はみなと同じ方向を向いていてその先頭に自分がいるんだというスタンスなんですよね。それにすごく近い感覚があります。

井上:長年自分より年上の部下がいる環境だったので、トップダウンだと嫌われますよね(笑)あとは、本当の愛情のあるチームって、弱みをあきらめることだと思うんですよ。その人に対して、弱みをあきらめるだけのケイパビリティを認めることが前提ですが、それを認めることでいちいち弱みを気にしたり苛立ったりしない。“期待しない”じゃなくて“あきらめる”ことが心理的安全性にもつながると思います。

中川:Think Labのメンバーの中には複数のプロジェクトを同時にやっている人も多いから、自分のケイパビリティを理解して実行できる人が多いですよね。もちろん、弱みをスルーしてもらえるのもありがたいのですが(笑)。


同時期に2つ以上のペルソナを持つ

飯塚:タレント的な性質を持っている人は1社ではつかいきれないから、何社かでそういう個人の能力をシェアできているのも面白いですよね。

井上:複数の経験を同時に20社ぐらいやっている人は、1個ずつに対して還元できる量が指数的に増えるんですよね。

飯塚:時期によって会社にいたり、別の組織やプロジェクトに異動できる選択ができるといいですよね。個人的に思っていることとして、僕らみたいなチーム(quod)のスタイルのいいところは、すぐに価値を発揮できるのはいままでの実績だけど、ちょっと新しい領域に行きたいと思った時に1週間の半分は価値を発揮できることに時間を使って、残りの半分は報酬は下がるけどチャレンジングなことをして自分のスキルを高めていく。

井上:同時期に2つ以上のペルソナを持って生きれたほうがいいんですよね。このマインドになるためにはゆとりも必要ですが。

中川:はじめてプロジェクトを振り返りましたが、こういう会話ができるのは面白いですね。またプロジェクトが次の段階に進んだり、チームの体制がかわったりした時に話せるといいですね。

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想いのある事業家の新規事業パートナーです。 “コト”を形にできるディレクターレベルの多様なクリエーター・ナレッジワーカー(“Creative Class”)のチームで、中堅中小企業の経営企画・事業企画を共に担い、形にします。 ここでは、quodの働き方や事例を紹介。
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