思い切り祝いたい

仕事の〆切がさらっと2日早まってすこし機嫌が悪かった。ゆっくり仕上げたいカラーだった。

丁度実家(都内)に帰って猫の面倒を見なければいけない。実家で仕事をする環境はなく歯ぎしりするしかない。友達とハヤシライスを食べる予定をキャンセル。

実家にいた23時、出来る事はないので遊ぶしか無い。地元の友達のSを呼ぶ。オタク友達。テレビではパラリンピック。我々はこういうのに全く関心がない。

中学生の時に買ったギャルゲーの話になった。受験生になる直前に勇気を出して買ったやつ。(俺の前髪は鼻の先にかかるほど長く、襟足は肩までついてどう見てもオタクというか単純に気持ち悪い状態にあった頃)

プレステ持ってなかったからSの家に毎日通ってやってた。いい迷惑だ。いい奴だから何も言わなかった。

ギャルゲーをやっていた時の記憶は余り無い。ただ幸せだった事と「お前ギャルゲーに入り込んでる時、いつも口開いてるよ」と言われた事くらいだ。

俺は1つのルートだけやってソフトはSにあげた。Sはその後ギャルゲーにハマってしまった。お前のせいだと今更怒っていた。

懐かしいね、とそのギャルゲーのOPをYouTubeで聴いた。酔っ払ってたからかイントロで何故か爆笑した。当時の中学生特有の無力感の様なものが一瞬蘇った。いや中学生特有じゃない、俺だけが無力でした。認める。

聴きながら(あ、俺の青春ってもしかしてこれなのか)と思った。

岡村靖幸が「青春って1、2、3 ジャンプ」と言っていたが俺のはこれか。全て忘れるほど熱中したものが架空の幼馴染ツンデレを振り向かせる事なのか。根が明るいので落ち込みませんけど。

続いて「逆襲のシャア」をふたりで観た。

「クェスうるさい!フラウ・ボゥといいファ・ユイリィといいガンダムはすぐうるさい女をストーリーの推進力にする!」

「大丈夫すぐひどい目に合うから…あ、ピルクルサワーとって」

だらだら観てたら実家のWi-Fiが死んだ。手を尽くしたがどうにもならず最後まで観られなかった。5時だったので解散した。

小沢健二の彗星で言う「思い切り祝いたいよね」という瞬間。小さいながら俺のはこういう時ですと思った。漫画描いてようと働いてようとこういうのを集める、ゲーム。人生は最高集めゲーム。たくさんの最高を集めて君だけのカタルシスを作ろう。え?

さよなら



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