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平地でも山岳系トレイルのトレーニングをしたい

山が身近にない平地民にとって、山岳系トレイルレースに向けたトレーニングをどのように行うか、いつも頭を悩ませている。

私自身、2時間程度の移動では、最大標高が200m程度の隆起した丘にしか行けず、3時間程度移動してようやく標高1000mの山の麓にたどり着ける平地民。

CTS ヘッドコーチの Jason Koop がそのような平地民向けの山岳トレーニング方法を書いていたので、簡単にまとめてみる。

Ultrarunners: How to Train for Mountains When You Live in a Flat Area - Jason Koop

前提

登り・下りはそれぞれ異なる運動動作なので、個別に鍛える必要がある。

登り

・コンセントリック収縮
・着地ダメージが少ない
・短いストライド
・遅筋線維主体→有酸素能力が高ければ、なんとかなる

下り

・エキセントリック収縮
・着地ダメージが大きい(特に大腿四頭筋)
・速筋繊維主体
・下りに特化したトレーニングが必要

登りで大事な有酸素能力は長期間に渡って一定の負荷を与え続けないと向上しないのに対して、下りで大事なエキセントリック収縮は少ないボリュームの負荷でも効果が持続することが知られています。

ベスト・プラクティス

登りは有酸素トレーニングで代替が効くので、問題は下りパフォーマンスを決定づけるエキセントリックトレーニングをどうするか?

・山地トレーニング

レースの4〜6週間前に山で数日トレーニングキャンプを実施

・近所の丘を利用

近所に15〜100m程度の丘があれば、レース前の4〜6週間前から週に数回ヒルセッションを取り込む。
インターバル相当の負荷は不要で、ペース走相当の負荷で十分。

・下り勾配のトレッドミル

上記のオプションが難しい場合の選択肢。
積極的に採用すべきではない。

バッド・プラクティス

逆に、どのようなトレーニングは向いていないのか?

・筋トレ、建物の階段を上り下り → 効果が無い。普通のトレーニングをすべし
・タイヤ引きダッシュ → コンセントリック運動。必要なのはエキセントリック動作
・重しをつけてトレーニング → 負荷が増えすぎて故障のリスクが増える

個人メモ

山岳系コースでは登り・下りがあり、有酸素能力で登れるけれども、エキセントリック収縮能力が支配的な下りは専用のトレーニングが必要。

・レッグプレス・レッグカールなどを用いた筋トレ
・階段トレーニング

などをやってきたが、記事によると、これらは効果的とはされていない。

また、平地で山岳トレーニングとして

・登り傾斜を付けたトレッドミル(傾斜+15%の「鏑木メソッド」は有名ですよね)
ステアマスター(エスカレーターを逆走)

など、登り主体のトレーニングしかやってこなかった。

個人的には、こうしたトレッドミルを使ったトレーニングの効果を感じており、結果を残しているアスリートで同じ考えの人もいる。一方で、否定的な人もいる。

一方で、本記事では、有酸素能力でなんとかなる登りは重要視されず、下りで大事なエキセントリックトレーニングに重きが置かれている。

どこまで Jason Koop さんのアドバイスに従うべきか、迷う。

FOMO との戦いは続く。

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