タイトル、降格、論争、今年のサッカーコロンビアリーグの出来事

アメリカの14度目の優勝
降格、2部リーグでの戦い、最後の優勝から11年が経ち、アメリカ・デ・カリがコロンビアサッカーの頂点に帰ってきた。それは先週の土曜日に決定し、後期リーグの決勝戦でジュニオール・デ・バランキジャを下してのものだ。カラスカル、ベルガラ、ランヘルやその他の選手達を擁し、素晴らしいシーズンを体現し、”赤い星”が14度目の栄冠を手にした。
監督であるアレクサンドレ・ギマラエスはコロンビアサッカーリーグを制した初めてのブラジル人となり、アメリカを率いてタイトルを獲得した初めての外国人監督になった。

VARの導入
VARはアメリカとジュニオールの後期リーグ決勝戦で初めてコロンビア国内の試合で導入された。それは緩やかな導入の拡大が計画されており、2020年には各週2試合ずつ、2021年には全てのリーグ戦で運用されることが予定されている。
バランキジャで行われた決勝戦のファーストレグでは、初めてVARによる判定が行われ、ジュニオールのカルロス・エレーラのゴール取り消しが実行された。セカンドレグでは、同じくジュニオールのウィルマル・ロルダンのゴールが取り消された。

過激なファンのテロ
後期リーグはスタジアムにおける安全性の確保が声高く叫ばれるようになった。メデジンでの出来事のように、難しいエピソードが暗い影を落とした。メデジンでは”ポデロソ”のファンがマチェテと呼ばれるナイフ状の武器をスタジアムに持ち込んだ。
そしてそれはミジョナリオスのマッカリステル・シルバの傍に投げ込まれた。その同日、ブカラマンガではアメリカのファンの間で抗争が発生した。それによりスタジアムの高台から一人が転落し、亡くなった。
前期リーグではミジョナリオスのファンが同様の騒ぎを起こしている。

得点王たち
リーグの最優秀選手は二人が挙げられる。そのうちの一人はインデペンディエンテ・メデジンに所属するアルゼンチン人のヘルマン・カノで、前期リーグで21得点を挙げた。得点ランキングの2位はデポルティーボ・カリのフアン・ディネノの15得点であった。後期リーグでは議論が分かれる。ヘルマン・カノが引き続き活躍を見せた一方、アメリカ・デ・カリのミチェル・ランヘルも素晴らしい働きをした。どちらの選手も後期リーグで13得点を決めた。1年間で34得点を稼いだカノは2020年メデジンとの契約を延長しない。

コメサーニャとプシネリ
大きな話題となったのが、コパコロンビアで勃発したジュニオールのフリオ・コメサーニャとデポルティーボ・カリを率いるルーカス・プシネリがピッチ上で見せた大喧嘩だ。TVの映像から確認すると、コメサーニャは2-1で敗れたその試合でスタッフにパンチを見舞っている。その後、カリの監督であるプシネリにパンチしたと議論を巻き起こした。ディマジョールの審議委員会はジュニオールの監督に一カ月半の謹慎と罰金を命じ、カリの監督に2週間の謹慎を指示した。しかしながら最終的にプシネリへの謹慎処分は撤回されている。

サンタフェの復活
後期リーグでサンタフェが起こした旋風は壮大であった。最悪だった前期リーグの後、後期リーグは更にそれを下回る低調ぶりであった。カルデナルのチームは会長までもが辞任する事態となった。
エドゥアルド・メンデスが新会長となり、彼は監督の座にアロルド・リベラを据えた。降格へのプレッシャーまでも圧し掛かる状況となったチームは意外なことに、勝ち始めた。彼らは8位の順位に滑り込み、プレイオフで快進撃を続け、あと一歩で決勝に進出するところであった。この成功により、リベラはクラブの危機を免れた。しかしながらチームは2020年国際大会に出場することは出来ない。

ペケルマンの弟子たちの苦悩
1年を通してペケルマンの弟子たちの失敗が浮き彫りとなった。例えば、ペケルマンの元でコロンビア代表チームの指導を担ったパトリシオ・カンプスは、初めての監督業をサンタフェから試みたが、成績は振るわなかった。4試合に渡り負け続け、デポルテス・トリマに4-0で負けた後、その座から降りた。ククタ・デポルティーボの監督に就任したパブロ・ガラベージョも同様で、5試合しかチームを率いることが出来なかった。彼らはファンの記憶からは抹消されることとなる。

カラスカルという男
2019年は話題が豊富な一年だった。アメリカ優勝の立役者となったボランチは、様々なクラブを渡り歩いた。カラスカルは7月11日にデポルテス・トリマを出て、アメリカと契約した。ところが、このイバゲのクラブはその事実を知らず、その間に行われたリオネグロでの試合にも勝利した。審判委員会はその事実を重く受け止め、リーグにおける勝ち点をはく奪した。トリマはそれに対しTASに仲裁を求めた。はく奪された勝ち点は再び順位表に舞い戻り、最終的にコパリベルタドーレス出場を決定づけるものとなる。

昇格と降格
アトレティコ・ウイラとウニオン・マグダレナの2チームが2020年を2部リーグで戦うこととなった。長らく2部にとどまっていたマグダレナは久々に1部リーグで戦ったが、その地位を保つことは叶わなかった。
2部リーグでは素晴らしいシーズンを歩み年間優勝を果たしたデポルティーボ・ペレイラと、コルトゥルアとの昇格決定戦を制したボジャカ・チコが昇格を決めた。この2チームは2020年をハグアレスと同じ有効勝ち点77から戦うこととなる。

ジュニオール9度目の栄冠
ジュニオールはリーグ3連覇を目指したが、先週土曜日に行われた決勝戦でアメリカに敗れ、叶わなかった。それでも彼らは2018年後期リーグと2019年前期リーグの2連覇を達成した。どちらの優勝もフリオ・コメサーニャの元で成し遂げた。

コロンビアが誇る名将たちの苦戦
2019年はコロンビアが誇る名監督の苦戦ぶりが目立った。ホルヘ・ルイス・ピントはミジョナリオスの監督に就任し奮闘したが、タイトルに手は届かなかった。前期リーグは順調だったが、決勝進出は叶わず、2020年のコパスダメリカーナ出場権を得るにとどまった。
フアン・カルロス・オソリオはアトレティコ・ナシオナルから強大な期待を以て迎えられた。1年の折り返しで合流したが、同じくタイトルは獲得出来なかった。コパコロンビアでのサンタフェ戦、主審のジョン・イネストロサへの抗議が原因で2カ月の謹慎処分が下され、プレイオフでのジュニオール戦の後では記者会見を欠席した。
ジュニオールで苦戦したルイス・フェルナンド・スアレスの場合は、リベルタドーレスで敗退し、監督の座を半期も保つことが出来なかった。2018年後期リーグの優勝監督であるフリオ・コメサーニャが再度監督の座に就き、2019年前期リーグの優勝を成し遂げた。

翻訳元記事:コロンビア El Tiempo紙
Los 20 hechos del fútbol colombiano que marcaron el 2019
https://www.eltiempo.com/deportes/futbol-colombiano/futbol-colombiano-estos-fueron-los-20-hechos-mas-importantes-del-ano-441644


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