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富士谷御杖 訳古今集 初稿 巻第八

53.2
古今和歌集巻第八
 離別哥
08.0365 ∥2・3句訳注圏点3個・6個原状。6句訳「オヽツ」原状。
  題しらす      在原行平朝臣
立別いなはの山のみねに生る松としきかは今かへりこん
▼立別○テ イテシマウタラバ〈の山の◎◎◎〉 〈みねに生る◎◎◎◎◎◎〉 松とサヘきイタラバ オヽツケモトツテコウ
08.0366
            よみ人しらす
すかるなく秋の萩はら朝たちてたひ行人をいつとかまたん
▼すか゛る○ノなく 秋の萩はら○ヲ 朝たツて たひ行人を いつ○アフと○思フテ〈か●〉またウゾ
▲蜂
08.0367
かきりなき雲井のよそにわかるとも人を心にをくらさんやは
▼かきりなイ 雲井のよそヘ わかレルト云テモ 人を心デ アトニセウカイノ
08.0368
  をのゝちふるかみちのくのすけにまかりける時に
  ▼をのゝちふるか゛みちのくのすけデ○陸奥ヘマヰリマシタ時に
  はゝのよめる
  ▼母ガよめる
たらちねのおやのまもりとあひそふる心許はせきなとゝめそ
▼〈たらちねの◎◎◎◎◎〉 おやガまもりと○思〈ツ歟に重ね書き〉フテ あひそヘる 心許は せきモ〈な●〉とゝめテクレナ
08.0369
  さたときのみこの家にてふちはらのきよふか
  ▼さたときのみこの家デふちはらのきよふか゛
1.54.1
  あふみのすけにまかりける時にむまのはなむけし
  ▼あふみのすけデ○近江ヘマイリマス時にセンベツヲイタ
  ◆〈歌「むまの」の「む」に重ね書く,朱筆〉う
  けるよゝめる
  ▼シマス夜ゝめる
            きのとしさた
けふわかれあすはあふみと思へともよや更ぬらん袖の露けき
▼けふわかれ○テモ あすは逢ふ身みと 思フケレドモ よ○ガ〈や●〉更テシマウタデアロウカ 袖ガ露けイノハ
▲〈2句「あふみ」左傍〉近江
08.0370
  こしへまかりける人によみてつかはしける
  ▼越へマイリマス人ヘよンデつかはしける
かへる山ありとはきけと春霞たち別なはこひしかるへし
▼かへる山ト云山ガ ありとはキイテヰルケレド 〈春霞◎◎〉 たち別テシマウタラバ こひしウアリソウナ
08.0371 ∥作者紀貫之名欠落原状
  人のむまのはなむけにてよめる
  ▼人のむまのはなむけデよめる
おしむからこひしき物をしら雲の立なん後はなに心ちせん
▼○別ヲおしむト云トハヤ こひしイモノジヤニ 〈しら雲の◎◎◎◎◎〉 タツテシマウ後は ナント云心モチガせウゾ
08.0372
  ともた゛ちガ人のくにへまかりけるによめる
  ▼ともたちの人の他国へマイリマスノデよめる
            在原しけはる
別ては程をへたつと思へはやかつみなからにかねてこひしき
▼別ては 程をへたテルゾと 思フニヨツテ〈や●〉 片手ニ見ナリニ マヘビロニこひしイカ
1.54.2
08.0373
  あつまのかたへまかりける人によみてつかはしける
  ▼あつまのかたへマイリマス人ヘよみてつかはしける
            いかこのあつゆき
おもへとも身をしわけねはめにみえぬ心を君にたくへてそやる
▼おもフケレドモ 身をソノヨウニわけヌニヨツテ めにみえぬ 心を君に ツレダヽセテそやる
08.0374
  あふさかにて人をわかれける時によめる
  ▼あふさかデ人をわかれマス時によめる
  ▲〈「を」左傍〉ワカレトモナイ人ヲシモト云心也
            なにはのよろつを 《万雄》
相坂のせきしまさしき物ならはあかすわかるゝ君をとゝめよ
▼相坂の せきガソノヤウニウソノナイ 物ならは あかす○にわかレル 君をとゝめよ
08.0375 ∥左注2行訳注「女ナリ」は歌右傍
  題しらす      よみ人しらす
から衣たつ日はきかし朝露のおきてしゆけはけぬへき物を
▼〈から衣◎◎◎〉 たつ日はキク〈し゛〉マイ 〈朝露の◎◎◎〉 おきてソノヤウニゆクニヨツテ 消テシマイソウナ物ジヤノニ
  この哥はある人つかさを給はりてあたらしきめに
  ▼この哥はサる人○カ官をクタサレてあたらしイ妻に
  つきてとしへてすみける人をすてゝたゝ゛あす
  ▼スミツイてスネンライソウテヰマシタ人をすてゝたゝあす
  ▲   〈「人」左傍〉女ナリ
  なんたつと許いへりける時にともかうもいはて
  ▼ナアたつと許イヒマシタ時にドウトモカウトモいはズニ
1.55.1
  よみてつかはしける
  ▼よンデつかはしマシタ○哥デゴザリマスル
08.0376
  ひたちへまかりける時にふちはらのきみとしに
  ▼ひたちへマイリマス時にふちはらのきみとしヘ
  よみてつかはしける
  ▼よンデつかはしける
            寵 《或本無此名》
            ▼チヨウ
あさなけにみへき君としたのまねは思ひ立ぬる草まくら也
▼マイアサゝヽ みソウナ君とソノヨウニ アテニ〈ナ歟抹消した右傍〉ナラヌニヨツテ 思ひ立ツテシマウタ 草まくらジヤ
▲朝トハ云トモ毎日ノコトナリ
08.0377
  きのむねさたかあつまへまかりける時に人の家に
  ▼きのむねさたか゛あつまへマヰリマシタ時に人の家に
  やとりてあかつきいてたつとてまかり申しけれは
  ▼トマツてあかつきいて゛たつと○イフてイトマゴヒヲイタシマシタトコロガ
  女のよみていたせりける
  ▼女ガよンデ○内カラ出シマシタ
            よみ人しらす
えそしらぬ今心みよ命あらは我やわするゝ人やとはぬと
▼ドウモナニカシラズしらぬ○ソ 今ヲツヽケタ心みよ 命○ガあルナラバ 我○ガ〈や●〉わすレルカ 人○ガ〈や●〉とはぬ○カと
▲         〈5句「人」右傍〉ソナタトイフヲ公ニ云也
◆〈2句訳「ヲツヽケタ」を墨筆で見せ消ち,それと歌「今心みよ」との間に朱筆〉ヲヽツケタメシテミヤレ
08.0378
  あひしりて侍ける人のあつまのかたへまかり
  ▼チカヅキデゴザリマシタ人ガあつまのかたへマイリ
1.55.2
  けるををくるとてよめる
  ▼マシタノををくると○申シてよめる
            ふかやふ
雲井にもかよふ心のをくれねはわかると人にみゆはかり也
▼雲井デも かよふ心ガ をくれヌニヨツテ わかレルと人に みヱルはかりジヤ
08.0379 ∥5句訳注圏点「哉」左傍
  とものあつまへまかりける時によめる
  ▼ともガあつまへマイリマシタ時によめる
            よしみねのひてをか
            ▼よしみねのひて゛をか
しら雲のこなたかなたに立別心をぬさとくたくたひ哉
▼しら雲ノヤウニ コチラヤアチラヘ 立別○テ 心をぬさノヤウニ くたく○コトカナたひ○が〈哉●●〉
08.0380
  みちのくにへまかりける人によみてつかはしける
  ▼みちのくにへマイリマス人ヘよンデつかはしける
            つらゆき
白雲の八重にかさなるをちにても思はん人に心へたつな
▼白雲ガ ヤヘにかさなる アツチデモ 思はウ人に 心○ヲへたつな
08.0381
  人をわかれける時によみける
  ▼人をわかれマシタ時によみける
わかれてふことは色にもあらなくに心にしみてわひしかるらん
▼わかれトイウ ことは色デも あリモセヌノニ 心にシユミコンデ わひしウアルデアロウカ
1.56.1
08.0382
  あひしれりける人のこしのくにゝまかりてとし
  ▼チカヅキデヲリマシタ人ガこしのくにヘマイリマシテ〈1字歟に重ね書き〉スネン
  へて京にまうてきて又かへりける時によめ
  ▼シテ京ヘマヰ〈リ歟に重ね書き〉ツテきて又イニマシタ時によめ
  る         凡河内みつね
かへる山なにそはありてあるかひはきてもとまらぬ名にこそ有けれ
▼かへる山 ナンジヤゾイあツて ○ソノあるかひは きてもとまらぬ 名デナニヨリモアルコトナレ
08.0383
  こしのくにへまかりける人によみてつかはしける
  ▼こしのくにへマヰリマス人によンデつかはしける
よそにのみ恋やわたらんしら山の雪みるへくもあらぬ我身は
▼よそデバツカリ 恋〈や●〉わたらウカ しら山のイテみるソウニモ ナイ我身は
▲〈2句「わたらん」左傍〉月日ヲ也 〈4句「雪」左傍〉雪ト往トニカケタルナリ
08.0384
  をとは山のほとりにて人をわかるとてよめる
  ▼をとは山のヘンデ人をわかレルと○申シてよめる
            つらゆき
をとは山こたかくなきて郭公きみかわかれをおしむへら也
▼をとは山 こた゛かウなイて 郭公○ガ きみかわかれをおしむデアリソウニ思ハルヽ
08.0385
  藤原ののちかけかからものゝつかひになか月の
  ▼藤原ののちかけ゛か゛からものゝつかひデ九月の
  つこもりかたにまかりけるにうへのをのことも
  ▼つこもりかたにマヰリマシタノデ殿上人とも
1.56.2
  さけたうひけるついてによめる
  ▼さけ○ヲタベ〈ひ゛〉マシタついて゛によめる
            藤原のかねもち 《兼茂 延長元年\参議》
諸共になきてとゝめよ蛬秋の別はおしくやはあらぬ
▼トモゝヽ なイてとゝめよ 蛬○ヨ 秋の別は おしウハ〈やは●●〉ナイカヤ
08.0386
            平もとのり 《元規 蔵人 左衛門尉》
秋霧のともに立出て別なははれぬ思ひにこひやわたらん
▼秋霧ノヤウニ ともに立出て 別テシマウタラバ はれぬ思ひデ こひ〈や●〉わたらウカ
▲        〈5句「わたらん」左傍〉月日
08.0387
  源のさねかつくしへゆあみんとてまかりける時に
  ▼源のさねか゛つくしへ湯治セウト存ジテマヰリマ〈シタ抹消〉ス時に
  山さきにてわかれおしみける所にてよめる
  ▼山さきデわかれ○ヲおしみマシタ所テよめる
            しろめ
命たに心にかなふものならはなにか別のかなしからまし
▼命ナリトモ 心にかなふ ものならは ナニシニ〈か●〉別ガ かなしからウゾイ
▲     〈4句「か」左傍〉カハノカナリ
08.0388
  山さきより神なひのもりまてをくりに人ゝヽ
  ▼山さきカラ神なひのもりまてをくりに人ゝヽ
  まかりてかへりかてにしてわかれおしみけるによめる
  ▼マヰツテモドリニクウしてわかれ○ヲおしみマシタノデよミマシタ
1.57.1
            源さね 《右近少将実》
人やりの道ならなくにおほかたはいきうしといひていさかへりなん
▼人ニヤラレテユク 道デモナイノニ ゼンタイハ いきトモナイといひて ドリヤモドツテシマハウ
08.0389
  今はこれよりかへりねとさねかいひけるおりによみける
  ▼モハヤコヽカラインデシマヘとさねか申マシタおりによみける
            藤原かねもち
したはれてきにし心の身にしあれは帰るさまには道もしられす
▼したはれて きタ心ガ カラダノ中ソノヤウニアルニヨツテ モドリには 道ナトモしられヌ
08.0390
  藤原のこれをかかむさしのすけにまかりける時に
  ▼藤原のこれをかか゛むさしのすけデマヰリマス時に
  をくりにあふさかをこゆとてよみける
  ▼をくりにあふさかをコヘルト申シテよみける
            つらゆき
かつこえて別もゆくか相坂は人たのめなる名にこそ有けれ
▼カタテニこえて 別サテモもゆくコトカナ 相坂は ヒトダラシナ 名デナニヨリモアルコトジヤ
08.0391
  おほえのちふるかこしへまかりけるむまのはなむ
  ▼おほえのちふるか゛こしへマヰリマスセンベツ
  ▲〈「こし」左傍〉越
  けによめる     藤原かねすけの朝臣
  ▼によめる
1.57.2
君かゆくこしのしら山しらねとも雪のまにゝヽ跡はたつねん
▼君かゆく こしのしら山 しらヌケレドモ ユクニシタガウテ 跡はたつねウ
08.0392
  人の花山にまうてきてゆふさりつかたかへり
  ▼人ガ花山ヘマヰツテゆふさりつかたインデ〈シマ抹消〉
  なんとしける時によめる
  ▼シマハウとイタシマシタ時によめる
            僧正遍昭
夕くれのまかきは山とみえなゝんよるはこえしとやとりとるへく
▼夕くれの まかきは山トイフヤウニ みえルヤウニナツテクレイ よるはこえ〈し゛〉マイト云テ やと゛りとリソウニ
08.0393 ∥歌に訳注なし。
  山にのほりてかへりまうてきて人ゝヽわかれける
  ▼山ヘのほツてモドツテマヰツテ人ゝヽわかれける
  ▲比叡也
  ついてによめる   幽仙法し
別をは山のさくらにまかせてんとめんとめしは花のまにゝヽ
▼別をは 山のさくらに まかせてん とめんとめしは 花のまにゝヽ
08.0394
  うりむゐんのみこの舎利会に山にのほりて
  ▼うりむゐんのみこのサリヱデ山ヘのほツて
  かへりけるにさくらの花のもとにてよめる
  ▼モドリマスルノデさくらの花のもとデよめる
            僧正へんせう
1.58.1
山かせに桜ふきまきみたれなん花のまきれに立とまるへく
▼山かせデ 桜○ヲふきまイテ みたれテクレイ 花のまきれデ 立とまリソウニ
08.0395
            幽仙法し
ことならは君とまるへく匂はなんかへすは花のうきにやはあらぬ
▼ソウナウテカナハヌコトナラバ 君○ガとまリソウニ 匂フテクレイ かへす○ノは花の うイノデハ〈やは●●〉ナイカヤ
08.0396
  仁和のみかとみこにおはしましける時にふるのたき
  ▼仁和のみかと○ガみこデゴザアソバシマシタ時にふるのたき○ヲ
  御覧しにおはしましてかへり給ひけるによめる
  ▼御覧しにオ出アソバシてヲカヘリアソバシマスルノテよめる
            兼芸法し
あかすしてわかるゝ涙たきにそふ水まさるとやしもはみゆらん
▼アキタラズニ わかレル涙○ガ たき○ノ水ヘそふ○故 水○ガまさると〈や●〉 ○川しもデハみエルデアロウカ
08.0397
  かむなりのつほにめしたりける日おほみきなとたう
  ▼かむなりのつほ゛ヘめしマシタ日御酒なとクダ
  へてあめのいたうふりけれはゆふさりまて侍て
  ▼〈へ゛〉サレてあめガキツウふりマシタニヨツテゆふさりまて゛ヲリマシテ
  まかりいてけるおりにさかつきをとりて
  ▼退出ツカマツリマスおりにさかつきをモツて
  ◆〈歌「てけ」2字の間,朱筆〉○ 〈その「○」の左傍,朱筆〉侍
            つらゆき
1.58.2
秋萩の花をは雨にぬらせとも君をはましておしとこそ思へ
▼秋萩の 花をは雨に ぬらスケレドモ ○ソレヨリハ君をはまして ヲシイとナニヨリモ思へ
▲            〈5句左傍〉花ノ方ハヲシクモアラズト云心ナリ
08.0398
  とよめりける返し
  ▼とよミマシタヘン哥
            兼覧王
おしむらん人の心をしらぬまに秋の時雨と身そふりにける
▼おしむデアロウソノ 人の心を しらぬまに 秋の時雨ト云ヤフニ 身○ガナニカシラズふりテシマウタコトジヤ
08.0399
  かねみのおほきみにはしめてものかたりしてわか
  ▼かねみのおほきみにはしめて○逢テハナシヲしてわか
  れける時によめる
  ▼れマシタ時によめる
            みつね
わかるれとうれしくもあるかこよひよりあひみぬさきに何をこひまし
▼わかレルケレド うれしウサテモあるコトカナ こよひカラ あひみぬさきに 何をこひヨウゾ
08.0400 ∥5句訳「ナニカシラズ」は墨筆で同文を重ね書き。
  題しらす      読人しらす
あかすしてわかるゝ袖のしら玉を君かかたみとつゝみてそ行
▼アキタラズニ わかレル袖の しら玉を 君かかたみ○ジヤと○思フテ つゝンデナニカシラズ行
◆〈5句訳墨筆「ンデ」の位置が歌「み」の右上・左傍であったのに対し,朱筆で,「ン」抹消,墨筆「テ」に重ね書き〉ン 〈歌「て」右傍,朱筆)デ
08.0401
限なく思ふ涙にそほちぬる袖はかはかしあはむ日まてに
▼限なウ 思ふ涙デ ジボツイテシマウタ 袖はかはクマイゾ あはウ日まてニハ
1.59.1
08.0402
かきくらしことはふらなん春雨にぬれきぬきせて君をとゝめん
▼マツクロニナツテ マツコトナラフツテクレイ 春雨デ ぬれき゛ぬ○ヲきせて 君をとゝめウ
▲        〈4句左傍〉虚名無実ノコトニ云
08.0403 ∥4句訳「ドレニカ」は墨筆で恐らく同文を重ね書き
しゐて行人をとゝめん桜花いつれをみちとまかふまてちれ
▼ゼニトモニ行 人をとゝめウ 桜花○ヨ ドレ〈ガ歟抹消〉ニカをみちジヤト ウロツククラヒニちれ
08.0404 ∥詞書「山こえにて」訳注は原状「こえ」右傍「デ」を私に改める
  志かの山こえにていし井のもとにてものいひける
  ▼志かの山こえデいし井のもとデものいひマシタ
  人のわかれけるおりによめる
  ▼人ガわかれけるおりによめる
            つらゆき
むすふ手の雫ににこる山の井のあかても人にわかれぬる哉
▼スクウ手の 雫デにこ゛る○ホドノ 山の井ノヤフニ あかズニデモ人に わかれテシマウコトカナ
08.0405
  道にあへりける人のくるまに物をいひつきてわかれ
  ▼道テアヰマシタ人のくるまヘ物〈○ヲ抹消〉をいひつイて○サモわかれ
  ける所にてよめる  とものり
  ▼マシタ所デよめる
したのおひのみちはかたゝヽわかるとも行めくりてもあはんとそ思ふ
▼したのおひ○ノヤフニ みちはホウゝヽト わかレルト云テモ マワリマワツテデモ あはウとナニカシラズ思ふ


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