見出し画像

差別化にストーリーが効果的な理由

そもそも何故差別化が必要なのか

端的に言うとユーザーから選ばれ続けるために必要である。

あらゆる企業はユーザーから選ばれ続けるために[機能,価格,デザイン,品揃え,サポート内容]など多種多様な切り口で自社プロダクトを他社と差別化している。

これはもちろん新規事業開発にも当てはまる。
既存のプロダクトとの明確な違いを生み出すために企業は
・ユーザーインタビュー
・市場調査
・プロダクトテスト
などを繰り返して、既存プロダクトと差別化した新プロダクトを開発している。

差別化の対象

一般に差別化と聞くと[機能,価格による差別化]を想起しがちだ。
しかし差別化を生み出すには機能,価格ではなく、独自のストーリー,そしてそれに基づいたプロダクトの開発がbetterである。特に資本力の無いスタートアップこそ、ストーリーベースのプロダクト開発によって差別化を生み出すべきである。

何故なら機能,価格による差別化は短期的な利益しか生まず、他社との競争から永遠に抜け出すことができないからだ。

競争を続けると最終的に価格競争,資本力勝負に陥るため、体力の無いスタートアップに勝ち目はほぼ無い

【機能,価格による差別化の競争の流れ】
1.自社プロダクトをニッチな機能で差別化
2.他社による模倣,高性能化
3.[1][2]の繰り返し,高機能化の限界
4.価格競争,利益率の低下
5.資本力のある企業が生き残る
6.生き残り企業が値上げして利益率を回復する

特にこの流れは[Winner takes all]の市場で発生しやすい。
近年急速に普及したキャッシュレス決済は正にその典型例で、実際にこの流れに陥って負けたのがorigamiだ。

キャッシュレスに商機を見出した資本力のある大手,メガベンチャーが次々に参入し、先行者であったはずのorigamiは一気に負けた。
そして一人勝ちの様相を呈してきたpaypay,Line pay連合は赤字回収フェーズに入ろうとしている。


競争から抜け出すためのストーリー

上述のような泥沼の競争から抜け出すために役立つのがストーリーである。

自社独自のストーリーを描き、それに基づいたプロダクト開発を進めると、ストーリーに共感したユーザーが自社プロダクトを選び続けてくれる。

ストーリーは機能と異なりコモディティ化しにくいので、長期的に利益を生み続けることが出来る。

ストーリーの事例

例えばスノーピーク,クラシコムは素晴らしいストーリーを描いて独自の世界観を構築している。

どちらも市場には安価な類似プロダクト,高機能プロダクトがあるのに、ストーリーに共感したユーザーが両社のプロダクトを選び続けている。

ストーリーの効果

ストーリーを効果的に活用していると競争からの脱出できるだけでなく、様々なメリットが生まれる。

【ヒト】

ストーリーを発信し続けていると採用にも役立つ。自社のストーリーに共感した方が仲間になってくれるようになるからだ。

これは採用にお金をかけられないスタートアップにとってかなり大きなアドバンテージとなる。

【モノ】

ストーリーをベースに意思決定するので、開発する機能の取捨選択が容易になる。
また社内にストーリーを浸透させることが出来ていれば意思決定のスピードもはやくなる。

【カネ】

機能,価格の競争から抜け出せるので高い利益率とLTVの向上を同時に実現可能だ。

先程紹介した2社はどちらも高い利益率を実現している。


注意点

健気なほど忠実にストーリーに基づいた意思決定を続ける必要がある。
組織文化,プロダクト開発,マーケティング,CSRなど、自社に関係する事柄全てストーリーと整合性がなくてはいけない。

ユーザーはプロダクトではなくベースにあるストーリーに共感して選んでくれるから、少しでもストーリーと相反する意思決定をするとユーザーは離れてしまう。
時には利益を損なう意思決定をする必要も出てくるからストーリーに忠実な意思決定を続けることは極めて困難である。
ただそれを続けることが出来れば長期的に大きなリターンを生んでくれるはずだ。

最後に

自社プロダクト開発の過程で気がついたことを偉そうにタラタラと述べてきましたが、ウチも全然まだまだこれからです。
皆で頑張ってやっていきましょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?