白駒の隙を過ぐるが如し

中国の荘子って思想書にある言葉でね、白い馬が走り過ぎるのを壁のすきまからちらっと見るように、月日の経過するのは早いっていう意味なのね。日本のことわざで言うなら、光陰矢の如し…。(ねっとり声)

そういう年でした。今年は勢いで仕事を辞めてしまい、約半年もの間無職で過ごしてしまった。忙しいと時間の経つのが速く感じると言うが、しっかり働いていた去年よりも今年の方がすぐ終わってしまったように感じた。また時間に余裕ができるとむしろ無い時よりも娯楽に対して消極的になるらしい、というかなった。娯楽と言ってもゲームかアニメくらいしかないのだが、少なくともゲームをプレイする時間はだいぶ控えめになったという実感がある。(夏頃はやりたいゲームがほとんど出なかったというのもあるし、スパイディやアサクリオデッセイなどやるゲームは何十時間とやったが。)
対してアニメの方は観る数が回復した。平日更新のものを更新日にすぐ観られるという環境になったおかげだ。週末にまとめて観る、というのがなんか時間がもったいない気がしてなかなかできなかったので。

何か新しいことも始めたいと思った6月、ダイハードテイルズ雑記に感化され、これまでROM専だったnoteに毎日何かしら書いてアップする挑戦が始まった。その挑戦は3日坊主ならぬ3ヶ月坊主で途切れてしまったが、今後も好きなものについてはたまに書いていきたい。

というわけで秋アニメの話ですよ。10月頭の時点では14タイトルくらいリストアップしていたけどほとんどは2〜3話で観なくなってしまい、最後まで観たのはグリッドマン、ジョジョ5部、ゾンビランドサガ、ひもてはうすの4本だけ。グリッドマンとジョジョは期待値:中、ゾンサガとひもては期待値:低という状態で観たんだけど最終的にみんな大きく上回りました。

グリッドマンは本当に何の情報も無い状態で見たので「えっこれウルトラマンやん」と第1話のグリッドマン出現シーンで驚かされた。いや確かに○○マンって名前だったり頭の形がどことなくそれっぽいなとは思ったりはしていたけれど…。特撮作品は小学生くらいまでしか観てなかったのであまり思い入れが無くて、それに慣れ親しんだ人の方がより楽しめるとは思うけど、それなりロボットアニメ好きという自分でも楽しむことができました。ロボットアニメあるあるなオマージュも色々あったしね。最終話まで観終わった後で1994年の特撮版「電光超人グリッドマン」も観てみると「アニメで見たやつだ!」と2度楽しめる。プライムビデオで配信してるぞ。

ジョジョ5部は4部までの実績があるのでクオリティに関しての心配はなかった。OP主題歌は2部OPで「BLOODY STREAM」が好評だったCodaによる歌唱の「Fighting Gold」が最初からシリアス方向に全開で映像も相まって最高。こうなるとより状況が過酷になる後期のOPがどうなるのか期待が高まる。話も原作に忠実なようでいて、原作では終盤近くで明かされるアバッキオのオリジンを早々に出してきたり、突然キレるやべーやつというキャラ設定のわりにあまりそういうシーンが無かったフーゴがよくキレるようになったり、敵である暗殺者チームの顔見せもあったり、よりキャラへの思い入れが強くなりそうな良改変がなされている。やっぱりプロシュート兄貴はすげえや。

ゾンビランドサガ、これは…「そういうアニメだったの?」という意外性が肝ではあるが、それが慣れて当たり前になると後は実力勝負になるわけでしかしちゃんと実力も持っていた。死者が蘇るタイプの作品ならお約束と思っていた生前の親しい人物との邂逅話をやったかと思ったら、佐賀県のご当地ネタすぎるCM撮影ネタをしたり、アイドルアニメらしい仲違いや葛藤もあったり…とにかく毎週笑ったり泣いたり尊くなったり感情が落ち着かないアニメだった。伝説の山田たえちゃんやら最終話のCパートやらの伏線を残しているあたり2期もやる気満々なようなので期待している。

そしてひもてはうす。このnote冒頭のやつはこれに出てくる紐手ときよさんとそのセリフのパロです。実は今期で一番気に入っていたりする。Blu-rayも予約した。CGアニメだし、ショートアニメだし、アニメとしてのクオリティとしちゃあ上記3作には及ばないのだが…。石ダテコー太郎、通称ダテコー監督作品はプレスコ(先に音声を収録して後から映像をつける)で作られ、加えて台本パートとキャストによるアドリブパートが混在しているというものが多く、ひもてもその例に漏れずそういう作り方をされている。今回はその塩梅がいいんですよね。アドリブパートまでの繋ぎみたいな扱いだった台本パートも今回はちゃんと面白い。過去に似たような作品で経験を積んできたダテコー被害者の会メンバーがほとんどなのでアドリブパートも安定している。キャラ半分、キャスト半分というこの感覚は普通のアニメだとなかなか味わえないので、ともかく1度観てみてほしい。年内はYoutubeで全話無料配信とのことなので、年末でヒマだという人は是非。気に入ったらニコニコにラジオの公式アーカイブもあるので、そちらも聴くと更に深く楽しめるぞ。

【期間限定公開】アニメ『ひもてはうす』第1話「ロマンティックあげるよ」
ひもてはうすラジオ 第1話

こうしてみると、オリジナルアニメか古めの原作のリバイバル作品が強い。来期はまだちゃんとチェックしてないけど、今把握しているのだと「荒野のコトブキ飛行隊」と「上野さんは不器用」あたりが気になりますね。

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