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雑記 2023.9 - いきなり「合作やりませんか?」とアプローチをかけてホントに合作ボカロ曲を制作した話

気合を入れて、9月のことも書きます。こんばんは、私です。

今回は9月に投稿した虹島夕夜さんとの合作
「十六夜-izayoi-」

この曲が出来た経緯や振り返り
合作のスケジュールやワークフロー、パートの振り分けなどを綴っていこうと思います。



今回合作を作るアプローチをかけた方について

虹島夕夜さん
X(Twitter)
YouTubeチャンネル

懐かしさのあるフレーズとそれに合わせたキャッチーなメロディが印象に残るボカロ曲や独特の感情を用いたインスト楽曲を作るDTMクリエイター。
DAWはReasonを使用し、VOCALOID初音ミク・鏡音リン、レン、SynthesizerV花隈千冬を用いる。
幾度か紹介しているクランとリオンチャンネルで開催しているアレンジコンテスト、リミックスコンテストでもその手癖を武器に常連リスナーのハートをがっちり掴み優秀な成績を収めている。

そもそもなぜ合作をしようと思ったのか?

クラリミコン2以降よくDiscordグループVCでよく話をしていたことや
ちょくちょく参加しているイベントや、ゲストボーカルで曲を作ってたりしていたのを聴いて、なんとなく自分に足りない何かを埋める一つのきっかけになるかもしれないと勝手に思って「一緒に曲作ってみたいな…」となって勢いでアプローチをかけるという行動に。

合作を始める前に決めることなど

相手方も快くOKの返事をくださり、その日の夜からミーティング。
ミーティングVCを始める前にお互い「合作についてのノウハウはなにもわからない」だったので、事前に合作することにおいてやることみたいなことを調べてみたのですが、検索してもなかなか探してる答えにはたどり着かず、ミーティングしながら、「こんな感じ」でスケジュールとかワークフローを決めました。

「こんな感じ」で決めたもの

お題、テーマ
「これからの時期」ということで
中秋の名月
9月の暮れ
和風テイスト
苦しい時期からようやく抜け出した感じ
という提案をいただきました

BPM
速すぎない曲がいいということやお互いの得意分野がスローテンポや120~140くらいだったため、とりあえず128にしてそこから前後4くらいしましょうかと

曲の流れ、進行、楽曲時間
今回は歌ものですし、ポップスにある流れを作っていきましょうということで
イントロ/A メロ×2/Bメロ/サビ/Aメロ/Bメロ/サビ/間奏orCメロ/サビ×2/アウトロ
という感じの提案を受け、
イントロ/イントロ2/Aメロ×2/Bメロ/サビ/イントロ2/Aメロ/Bメロ/サビ/間奏/サビ(音数少なめ)/サビ(転調?)/アウトロ
といった展開にこちらから提案し
だいたい4分切るくらいがちょうどいいかもというとこで落ち着きます。

コード進行
虹島さんはメロディのほうを浮かんで合わせたコードを作ることが主というこでとで、自分はよさそうなコード案をScaler2でもらってから、メロディを作ってるので、今回は、Scaler2でコードを探りつつ
「和っぽくして曲に使うコードとかスケールってなんだ…?」と自分がなったので、ネットの世界を探りながら、ペンタトニックスケールというものに辿り着きました。概要については各自でお調べいただければ。
そこからScaler2を使って、ペンタトニックスケールのAメジャーで行ってみようというところを決める

いつまでにどの部分を誰がどこまでやるか?
PDCAサイクルのようにも聞こえますがそのワードは頭が痛くなるので却下。
これは正直合作する人との普段のスケジュールも確認しつつ
「お互いに話しながら作業を進めれる時間」、「何曜日はお休みにする」
など確認してからになります。
今回は何時から何時間くらいという予定と、何曜日はお休みということを決めつつ、ほぼ毎日2時間は作業出来るのでするということに。
後決めたのは、何月何日くらいに投稿する、とかでした。

ここまでが1日目で決めたことになります。以外と多かったかな…?
おそらく合作をする際、相手方のスケジュールやこういう部分が得意ということは押さえておいて、決めていくのがいいかなと思うことやこういうテーマに合わせてメロディを先に作るかコードを先に考えるかということでも違ってくるのかなと思いながらつらつら書いてました。

実際に一緒に作業しながら案を重ねて土台を作るとなり、使用した便利なもの

実際の作業はDiscordの画面共有を使いながら、音を鳴らしていったりすることが多いのですが、それ以外に画期的なものがありました。

Satellite Sessions

主な使い方の説明はこちらとか

ここを参考にするといいかもしれません。

こちらはグループVCしていた時に別のクラリオリスナーの方から教えていただいたものです。
このSatellite Sessionsプラグインを使って、お互いの案を作り、土台の土台を進めていくという作業を1回目~3回目のミーティングで並行して行いました

最初に④のコード進行を決めたあとにそれに合わせてリズムやら組み上げていき、という作業を進めていったのが上記画像の通りです。

この場合だと、虹島さんはベースラインや歌メロ、バッキングの作成、提案がとても早かったので、今回はそれに助けられたところもありました。
自分は裏に入るアルペジオやリズムが中心ですね。


こうして土台を作っていったら、このままお互いの作ったトラックをオーディオデータにしたりするのもあるのですが
今回は自分のDAWのほうで全トラック制作作業するため、MIDIデータや使ったプラグインを把握して、それを自分のCubaseに組み上げて土台完成といった流れになります。
土台というよりは曲のインスト部分のデモがここでほぼ出来上がってたわけでして。


メロディと歌詞のパート振りとボーカル誰にする?

メロディについては先の土台作りの時点で虹島さんが作っていたAメロとサビを聴き、自分がBメロを作ってサビにパスするという形を取りました。8小節考えるだけなのに30~40分くらいかかったんじゃないかな…ここが普段メロディ曲を作らないのが仇になったものです。

作詞はなにかと
どちらかが作詞やどっちかが作曲ということが多いですが、今回は
1番のABサビの歌詞を片方
2番のABサビの歌詞を片方
.
.
.
といった形で進めていきました。
これはボーカルを二つ使うというのと、その二つがテーマに沿ってどういう歌詞をお互いに組み込んでいくかというのがちょっと面白そうだったので。

ボーカルは
GUMI(VOCALOID6 megpoid AI):1ABサビメイン自分打ち込み調整担当
花隈千冬(SynthesizerV):2ABサビメイン虹島さん打ち込み担当
という形にしました。
自分は前回の記事で書きましたが、VOCALOID6をmegpoidのスターターパックで購入したため、この機会にAI GUMIを使ってみようということで
SynthesizerVは虹島さんが花隈千冬を所持していていくつか曲も作っていたため、それでお願いしました。
お互いまずは、打ち込んだフルサイズのメロディを各ボイスライブラリに読み込ませて、歌詞が出来たらそれをうちこんでいくという風に進めていきました。
自分は今回もメロディを聴きながら、その場で歌詞のパーツをパズルのように組み立てていく形式をとって1番ABサビを作りそれを虹島さんにバトンしました。

2ABまで出来たら次は間奏後の小サビ、転調大サビだったんですが
ここの歌詞はお互いに4小節ずつリレーしていきました。


ここまで出来上がった後、アレンジに入ります。
この辺りのアレンジは、自分のPCで作業していたため、ほぼ自分で行っています。効果音、鈴の音を追加したり、和楽器を追加したり、音色を変えたりとやっているうちに、デモ時点は15トラックだったのが45まで増えます。
これも画面共有を使って聴いてもらいいろいろと提案を聞きながら進めていきます。
併せてVOCALOIDとSynthesizerVの調整もし、ハモリ案をいただいたものを組み立て、違和感があったところを打ち込みなおしてもらい、修正していくということも。

そしてそのアレンジ作業中に、間奏でお互いの作ったメロディとフレーズでバトルっぽいことするというのをやりましたが、これもなかなか疲れました…1時間くらいはメロディ打ち込みと戦ってたかなと。


細かいボーカルや追加音色の調整をし、ミックス前の音源完成。
ここからのミックス作業は、いつものNectar3、NeutronのAI処理に頼りつつも、ちょっと自分でも調整かけたりいろんなリバーブやディレイを試しました。
ちょっと味付けを入れて、Ozone10でマスタリングして完成。ここまでの作業が1日2~3時間の作業で約10日でした。とはいいつつも、雑談を交えてだったため、手が止まってたところもあり、実作業時間はもっと短かったと思います。


動画作り

楽曲のマスターも完成!まで来たら次は動画作りなのですが
これもお互いの使ってるツールの合わせ技を使用しました。

自分がClipchampを使ってオーディオビジュアライザーの入った背景動画を作り
虹島さんにfilmoraを使って歌詞、エフェクト入れをしてもらって
返ってきた歌詞付き動画をチェックしつつ、ここはこう直してほしいなど修正をその場でしてもらい、最終的に出来た動画を動画用の編集マスタリングソフトで音源の入れ替えをしたりなどして完成。


ここまでで公開までの一連の作業は終わりましたが…?


サムネイルや歌詞などの画像作りと公開準備と7回の再ミックスマスタリング作業

これはほぼほぼ自分のほうで行い、YouTube、ニコニコでの予約投稿の準備までしたのですが
「なんかここの音のバランスおかしくないか…?」
という調整とミックスのし直しを幾度か行い、意図しない打ち込み間違いに気づくなどしたこともあり、7回ミックス、マスタリングをし直しプレミア公開の公開先も変えるという沼にはまりました。
聴いた日のコンディションで変わりまくるので、あらゆる環境で聴き、納得いくところを探してというのをやったので、ミックスする際はコンディションを整えておきましょうということですね。耳だけではなく体全体。

初めてのYouTubeプレミア公開投稿

実際に公開日となった9/15、YouTubeではプレミア公開を設定していた為、その公開前に合わせて机の前で公開待機
いざやってみるとすごい緊張したし、ちょこちょこそのタイミングで見に来てくれた知り合いもいて、曲公開するまでずっとバクバクしてましたね…。
いざ公開時間…と思いきゃ、そこから、設定した待機時間がはじまり、設定していた公開前の4分がとても長く感じました。
曲自体を聴いてくれた方の評判はよく、ホッとしました。

公開から数日間の傾向と、TuneCoreでのリリース。

まずは公開時にX(Twitter)に載せた歌詞とコメント画像です。

公開から数日は、YouTubeでも聴いてくれる方やコメントくださる方もいて、ニコニコでは広告を入れていただいたおかげで再生数がえらい伸びていたみたいでした。

また、プレミア公開後にグループDiscordVCで聴いてくれた人たちやクラリオリスナーが集まり、いろいろ合作どうやったのというのを聞かれたり、感想を受けてすごく楽しかったです。

あと、このコメント画像のP.S.に書いてある「間奏の8小節の推しポイント」を動画にしたものをX(Twitter)に上げました

この曲を投稿した翌日、前の記事で紹介した自分の楽曲「旅ノ終ワリ」をTuneCore経由でリリースする日になっていたこともあり、「この曲もTuneCoreでリリースするかあ」と思い立ったので、収益配分の分け方など調べたりしてリリース手続きを行い

この曲も9/19にTuneCore経由で配信を開始しました

周りから見ればまだまだ数字的には低いということはありますが、自分にとっては思っていたより聴いてもらえていい評価も多く、合作…やってよかったと…思いました。

終わりに

PCDTMの経験が浅い中で、長年曲作りをしている方と合作をするというのは、自分に足りないものを補って融合して出来上がるものの楽しさや、それぞれの知識の共有や地域話等、深いコミュニケーションも取れて、経験値が一気に増えました。

まだまだこれからも自分だけの曲は作っていきますが、合作はやっていきたいと思ってるので、一緒にやってみたい方にアプローチをかけるのに恥ずかしくならないようなスキルをどんどん身につけて前に進んでいこうと思います。

今回はここまで、最後までご覧いただき、ありがとうございました。



ここから下はいつもの使用プラグインや、この合作のパート振りなどのネタバレ要素をメモ程度に載せていきます。
興味のある方はどうぞ。



































●サポート、サンプル
・Plugin Boutique Scaler2
・loopmasters loopcloud

●ボーカル
YAMAHA VOCALOID6 megpoid AI
Dreamtronics/AHS Synthesizer V 花隈千冬AI

●インストゥルメント
・XLN Audio Addictive Keys Studio Grand
・Vengeance Sound  VPS AVANGER
・Air Music Tech Xpand!2
・Arturia Pigments4
・Robotic Beans Hand Clap Studio
・Native Instruments KONTAKT7 - INSPIRE INTSRUMENT - Japanese instrument 小鼓 Free
・Klevgrand Speldosa
・Xfer Records Serum

●EQ
・iZotope Ozone10 Advenced
・iZotope Neutron4
・iZotope Nectar3
・iZotope RX10 Standard
・BABY AUDIO Crystaline
・Plugin Boutique StereoSavage2

●合作パート、担当分け
・:quilik:
全体マスターアレンジ
イントロバッキング、Bメロメロディ、パッド、全体リズム隊組み立て、効果音、エフェクト追加、アウトロ(Speldosa)
間奏:R Side ピアノメロディ(Avenger、Addictive Keys)
歌詞:1ABサビ、3小サビ前半4小節、3転調サビ後半4小節
ボーカル:1ABサビ3サビ GUMIパート ボーカル打ち込み編集調整
                  花隈千冬パート パラメータ、ピッチ、発音調整
動画:背景clipchamp編集

・虹島夕夜
イントロメロディ、A,サビメロディ、ベース、コードアレンジ、バッキング、転調進行
間奏:L Side 尺八、三味線(Xpand!2)
歌詞:2ABサビ、3小サビ後半4小節、3転調サビ前半4小節
ボーカル:2ABサビ3サビ 花隈千冬パート ボーカル打ち込み編集調整
       両パートハモリ作成
動画:歌詞表示、エフェクト追加


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