理解しすぎていない範囲でRTAしているゲームを紹介する話①ゼルダの伝説(FDS/FC/NES) TDO Glitchless

昨今その名をよく耳にするようになった
RTA(リアルタイムアタック)
リアルタイムアタックというと日常のあらゆる出来事にタイマーをつけて早く終わらせてしまえばリアルタイムなのでアタックになると思いますが
ここでの意味合いは「テレビゲーム」を早くクリアすることになります。
アンダーグラウンドな文化であると思われるゲームのRTA
今では表に目立つようになってきて、チャリティ系のイベントも増えてきたり、もっとRTAの活気を高める為の活動なども増えています。

さて前置きが長くなってしまいましたが、この「ゲームのRTA」、ちょっとしたきっかけから1年半前から自分もいくつかのゲームでそれに触れるようになりました。今回はそのうちの一つ
「ゼルダの伝説」
のことについて理解しすぎていない範囲でお話したいと思います。


まず、ゼルダの伝説というゲーム。
1986年2月に発売されたファミコンディスクシステムのローンチタイトル、後に1994年2月にファミコンカセット用にゼルダの伝説1として発売された、ゼルダシリーズの初作品。
様々な任天堂のゲーム機でバーチャルコンソール等で遊べて、今現在ではNintendo Switchのオンラインコンテンツ、Nintendo Switch Onlineのファミリーコンピュータにて遊ぶのが手っ取り早い。

ゲームの中身としては見下ろし方アクションRPG。
プレイヤーはリンクというキャラクターを操作し、各ダンジョンでトライフォースのかけらを集め、大魔王ガノンを倒し、ゼルダ姫を救出するという一連の定番。
プレイヤーが出来るのは移動、Aで剣を振る(向いてる方向に刺す)、Bで様々なアイテムを使う、スタートボタンでBボタンのアイテムの切り替え、セレクトボタンでポーズ。以上の操作のみ。
そして出て来る敵にも移動の速さや攻撃の特性があり、昨今のゲームにはない難しさが特徴。

ええ、正直難しいですこのゲーム。
オープンワールドである故に攻略手順は自由、ただし行き方が必要なところもあり、そのヒントはいろんなところにある洞穴にいるおじいさんやダンジョンの中にいるおじいさんがくれる、ディスクシステムやファミコン当時は説明書に序盤の攻略ヒントが載っていたりしたが、そこ以外容量の関係かヒントが簡略化されすぎていまいちわかりにくい場所が存在する。
心を折りまくられるゲームです。
RTAの話をする前にカジュアルプレイで挫折するプレイヤーが多いです。

とはいえ今は探せば攻略サイトもあるので自力攻略に降参したプレイヤーとかは覗きに行くのもいいと思います。

(23.03.04追記)
また、初めてプレイする方、カジュアルプレイを久しぶりにされる方は、以下のニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータの取扱説明書一覧より、「ゼルダの伝説」の取扱説明書(pdf)を一読いただいてからプレイされることをお勧めします

実際自分は初めてのカジュアルプレイで友人からのヒントを得ながらも攻略に9時間(3日にわけて)かかりました。
その時のアーカイブリストがこちらにあります。
というのもこのゲーム、先述の通り、特性上討伐が困難な敵の群を全部片付けて進めるゲーム進行上必須の場所が何箇所かあるのですが、その場所が鬼の所業です。その場所の攻略だけで2〜3時間溶けます。
心を折られまくるゲームです。

さて難しいゲームですという紹介はこのくらいにして、RTAサイドの話をしましょう。カジュアル面についてはまた別の機会でお話しします。


まずこのゲームのRTA(Speedrun)は海外の走者が多い為、海外版初代ゼルダ(The Legend of ZELDA)に準拠されるルールのカテゴリが多く、カテゴリによっては日本国内版の初代ゼルダのFCDもしくはカセットで走ったあるカテゴリが違うカテゴリまとめられるといったことがあったり、日本での走者は数年前まで1人〜2人程度。今でもSpeedrun.comに載っている日本人は4人程。
日本のゲームなのに何故でしょう?
ということで、カテゴリを走る際に、海外版のNintendo Switch Onlineで海外版の初代ゼルダを使うということをします。

今回は自分がRTAを行っているこのゲームのカテゴリのうちのTDO Glitchlessを理解しすぎていない程度に紹介します。

・TDO Glitchless(Blue Ring Route)
Traditional Dungeon Order
L1〜L8までのダンジョンを順番に攻略、尚且つ、グリッチと言われるバグ技に近いものを行わない、正当攻略のカテゴリです。尚、このカテゴリはSpeedrun.com上では、Category Extensionの枠に分けられています。不思議ですね。

完走目安時間  50〜1時間半
Speedrun.comのカテゴリページは↓から。

このカテゴリの最速ルートとは外れるのですが、安全に攻略出来るものとして、道中で青リング(ダメージによるライフ減少の緩和)を購入するルートを使っています。Blue Ring Routeとしてのカテゴリ分けはありません。


※カテゴリのルートやテクニック説明上の注意として、
このゲームを一度でも遊んでる方がある程度理解できることを前提で記事を進めています為、未プレイの方にはなにがなんだろうとなる部分が多々ありますことをあらかじめご了承ください。
また、前述の通り、こちらは最速ルートではなく、このカテゴリを始める方の完走の安定性を優先したルートになります。


まずこちらがそのTDO Glitchlessの現在Speedrun.comに登録されている記録動画です。

TDO Glitchlessのルートメモ

こちらは自分が当時教わった通りの手書きメモを仮置きしておきます。
順番に攻略するという正攻法カテゴリではありますが、このルートに書いてある「決まった道の方向に行くだけ」というのが、カジュアル未プレイの方にはこのゲームの醍醐味の半分以上を失うことになるので、カジュアルプレイでクリア後に1回通してみるのがおすすめ。
「特にそういうのいいんで、とりあえずやってみたい」と端折る方もいると思うのでこれから手をつけてみるのもいいでしょう。

グリッチ関係(壁やブロックを抜けるバグを使った短縮)のテクニックは使用禁止の為、それらに属さないテクニックについていくつか説明を入れていきます。

このカテゴリ(青リングルート)のよさと注意点としては
順番通りにダンジョンを攻略していくのと、青リングルートでマップ移動を構築する為、比較的安定した完走が出来る。
だからといって油断大敵。先述のようにこのゲームの敵の攻略が元々難しい為、やりはじめは特にLEVEL 5とLEVEL 6で幾時間もゲームオーバーになり修行を重ねることになります。
やっていくうち敵の攻撃特性を身につけ、それに合った動きをしていくこと。
また、ほとんどのどのカテゴリにも言えますが、このゲームは爆弾と鍵残数の管理が非常に重要になる為、慣れていくと爆弾管理はそれに付随したテクニックを一つ覚えておく必要があります。

※環境によってはGIFが見れない場合もございます、ご了承ください。

9体ノーダメージで敵を狩り、10体目を爆弾で処理することで強制的に爆弾をドロップさせるもの。10カウントボムだったりforce bombと言われてるそうです。

各敵にはランダムでドロップするアイテムにテーブルが組まれているらしく、この敵は絶対にこれをドロップしないというのがあるそうです。そのルールを無視して強制的に爆弾をドロップさせる手法。

例えば↑の敵は爆弾をドロップしないテーブルの敵なのですが、ノーダメージで10体目に爆弾で処理することで爆弾をドロップしています。
※説明のためにL1で再現していますが、ルート上L1ではこのテクニックは使いません。

他にもこんなことも。

こちらはL2のボスの攻略を短縮化させるためのテクニック。
L2ボス(ドドンゴ)は通常爆弾を2個食べさせることで消滅しますが
こちらは、ドドンゴに爆風を当て、動きを止め、その間に剣で刺して倒すというもの。爆風あたり動きが止まった状態がだいたい5秒前後続くため、そのうちに1発刺します。
これとは別に、1回目の爆弾を飲み込ませたあとにすぐに2つ目の爆弾を置いて、爆風で動きを止め、同様に刺して倒すというやり方もあります。

このような様々な短縮テクを徐々に身につけていき、後にある心折(しんせつ)設計の敵配置を攻略していきたいむを縮めていくのがなんだか楽しかったので、今でも息抜きにやっていたりします。

というのも、自分は記録を狙うためのストイックな行動というのが非常に苦手なため、上を目指すぞ…というよりはRTAそのものを嗜みの一つして蒼んでる側になります。

ですので、軽く触れてみた後に、もっと上に行ってみたくなったときは、上にいる方のSpeedrun.comの記録動画を参考にしてチャートを構成してみるなどもありだと思います。

この記事の終わりに、自分が実際にイベントに参加し、この初代ゼルダ TDO Glitchlessを走った際の記録が残っている動画を紹介します。

こちらの動画で解説をしてくださっている りゅうく さんが、このRTAを教えてくれた張本人でもあり、初代ゼルダ日本人走者としてのトッププレーヤーであり、自分のリアル友人でもあります。

りゅうくさんのtwitchチャンネルでは、ゼルダの伝説などのファミコンゲームRTA主軸に様々なゲームのカジュアルプレイを行っています。初代ゼルダのRTAに関してもっと聞きたいと思った方は↓のチャンネルで、聞いていただければ、答えてくれると思います。

この初代ゼルダの自分が走っていたRTAを紹介する記事は後日もう一つ掲載あります。
次回は Switch Special Editionとどのカテゴリでも使うグリッチテクをいくつかご紹介できればと思います。

2023.3.3追記
記事その2を投稿しました。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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