日本屈指のユニコーン企業を支える行動規範

プリファードネットワークの西川社長と岡野原副社長が書かれた「Learn or Die 死ぬ気で学べ プリファードネットワークの挑戦」という本を読みました。
以前、雑誌で岡野原副社長のインタビューを見たことがあり、すごい人がいるものだな、と感心したのを覚えていたので、是非読んでみたいと手に取りました。
様々なことに挑戦していき成果を出していくすごさに驚いたのですが、行動指針に大変感心いたしました。
1つ目はMotivation-Driven(熱意を元に)です。
これを1つ目に持ってこれるのはすごいですね。私自身も自分が面白いと思う仕事に専念できるように心がけているものの、これを組織全体あるいは企業全体で共有しようと思うと「面白さとか自己実現だけでやっていけないよ」と反論が出てきます。
でも本当は違う気がしています。面白い仕事ができていないのではなく、やろうとしていない人が多い気がします。「どういう仕事ができたら面白いのか?」とか「どういう仕事がやりがいがあるの?」と聞いたときに答えることができない人が多いと言い換えても良いのかもしれません。
ただ、それは若手や中堅社員だけを責めてもダメで、企業のトップが面白さを感じていたり、熱意を持って仕事をしていき、その熱を伝播していくことが大切だと感じています。
そういう点でも一番目にこの指針を持ってこられるのはすごいと思います。

2つ目はLearn or Die(死ぬ気で学べ)です。
これも良いですね。単に学べではなく、死ぬ気で学べというフレーズに共感します。
プリファードネットワークのような企業ばかりだと良いのですが、日本企業の社員は勉強が不足している印象を受けます。もちろん自己啓発に励んでいる人もいらっしゃるので、全員がというわけではありません。
今後、AIやIoTが普及することを思うと、製造業でも流通業でもサービス業でも人がやらなくても良いことが増えてくる印象を持っています。自分の仕事はAIに真似できないと否定するのは簡単ですが、多くの職種はお客様から見て同等の価値を提供することは可能になってくるのではと感じます。そういうことに関する危機感が薄いというのか必死さが足りない感じがします。あるいは危機感というより熱意をもって取り組めることがないので、死ぬ気で学べないと言えるのかもしれません。
いずれにしても、自分の目先の業務の専門知識を深く学ぶこともさることながら、幅広く学ぶことももっともっとしても良い気がします。

3つ目はProud, but Humble(誇りを持って、しかし謙虚に)です。
プロフェッショナルとしての誇りを持ちながら、未知の分野に対しては謙虚な姿勢で臨むことができるのは理想ですね。学びを広げていく中で素直さと謙虚さは非常に重要で、自分の考えに凝り固まってしまうのは危険だと思います。
個人的には、感謝と謙虚というのがセットであるような印象があり、今置かれている環境に感謝できると、謙虚になれるのだけど、被害者意識ばかり高くなると謙虚になれず意固地になってしまう気がします。
その点では、死ぬ気で学べる環境を感謝しつつ、さらに自分たちの周りに尊敬すべき素晴らしい才能や知識を持った人たちがいることにも感謝することで、謙虚さが自然に出てくるのではないかと思います。

最後の4つ目はBoldly do what no one has done before(誰もしたことがないことを大胆に為せ) です。
良いですね。こうでありたいです。目先のことに追われているとつい手堅いやり方に終始してしまい、新しい発見がありません。
単なる趣味の研究ではなく、役に立ち、普遍的な知見となるパスツール象限を狙って自分たちの知見をぶつけていくのは良いなと思います。
毎日の業務に甘んじることなく、少しでも背伸びして、なおかつ時間的な余裕も少し持ちながら新しいやり方を試し、新しい知見が得られるように頑張りたいものです。
こうやって見てみると、プリファードネットワークは西川社長と岡野原副社長が非常に優れた方であるの間違いないと思うのですが、300人近い社員を束ねる行動規範が成長しつづけるカギの1つになっているのではと感じました。

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