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踏み外した瞬間
本記事では、人気グループの楽曲を「好きではない」と否定しています。
この曲を大切に思っている方がいたら申し訳ない。
自分で言うのは野暮だが、自分は個性的な人間かもしれない。
入学時、入社時など人間関係が新しくなる時期は、
必ず「個性的」「ユニーク」と言われる。
こんな人間になってしまった原因はわからないが、
あきらかに一つ、心当たりがある。
小学2年生のとき。
SMAPの「世界に一つだけの花」という楽曲がリリースされた。
「ナンバー1ではなくオンリー1になろう」という趣旨の歌と理解した。
ピンとこなかった。
小学4年生になった。
この楽曲が大ヒットしていた。
数年前、ピンとこなかった曲が大ヒットしているな・・と思った。
2年経過していたので、多少ピンと来るようにはなっていた。
ナンバー1も重要だけれど、順位ばかり競うのではなく自分のいいところを大切にしようよ、という意味と理解した。
間違ってはいないがテレビで堂々と流す曲ではないと思った。
試合後のロッカールームのような場所でひっそりと歌う曲だと思った。
同じ目標を掲げ一緒に努力した仲間と、負けた後に仲間うちだけで歌う曲だと思った。
テレビは不特定多数の人が見ている。
目標も、本気度も、勝ち負けもばらばらな不特定多数の相手が見ている。
本気で努力して勝った人も見ているはずである。
その状況でこの曲を歌うのは乱暴だと思った。
そしてこの時、自分は中学受験をするため学習塾に通い始めていた。
つまり、自分にとって生まれて初めての戦いが幕を開けたばかりだった。
確かにナンバー1よりオンリー1が重要なのかもしれない。
でもまずはナンバー1を目指して戦わせてくれよと思った。
負けた時は、自分はだめなんだと言って泣かせてくれよと思った。
戦う前から逃げ道を作らないでくれと思った。
とにかく自分はこの曲が好きではなかった。
自分は世間と好みが違うと思った。
今後、流行りのものはあてにしないと心に決めた。
この時、自分は世間とずれてしまったかもしれない。
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