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暗黒の高校性活~タントラマンへの道(第79話)

--「我が性春は悔いだらけ」とは、残念でしたねぇ。
で、もう少し具体的に、どのように悔いているのか教えてもらえますか?

TM:少なくとも高校卒業までは、その一番好きだった子以外は眼中に無かったのにも関わらず、その子とは会話すら交わしたことが無かったのですから、機会損失という点だけでもとてつもなく悔いています。

実は、高1の早い段階で僕に告白してくれた奇特な子がいたんですが、僕は、「他に好きな人がいるから」と正直に言うことはできず、「女子に興味はないから」と、1ミリの真実も含まない純度100%の嘘をついてお断りしてしまったなんてこともありました。
その子は後に、かなり僕の好みのタイプに変貌を遂げることになるのですが、後悔先に立たずでした。女子高生が急に色っぽくなるってことには、十中八九男が絡んでるものだ、と僕は確信しているんです。
具体的にその男が誰だったのかはわからなかったけれど、あの時断っていなければ自分がその子の女性性を開花させる役割を担えたかもしれないのに!
と思うと自分の馬鹿さ加減を呪いましたよ。

--他にエピソードはないんですか?

TM:そうですねぇ。高校時代は僕にとっては本当に暗黒時代でしたよ。
もしかしたら、「女子に興味ない」って断ったことが知れ渡ってしまっていたのかもしれませんね(笑)。
ただ単に、モテる要素が全然無かっただけだとしたら悲しすぎるので、そういうことにしておきましょう。

高校時代で記憶に残っているのは、中学の時から好きだった子を、少なくとも外見だけならはるかに上回る超絶美人が現れたってことですね。
彼女は学年は一つ上だったんですけど、それはもう、男子の大半が憧れるような超人気アイドルのような存在でした。他校の男子も見に来るくらいでしたからね。
ウルトラ面食いな僕の目から見ても、彼女以上に綺麗な女優もアイドルもいなかったので、芸能界にスカウトされても全く不思議ではないし、もしかしたら本当にされてたかもしれませんね。

で、さらに衝撃的だったのは、その子がめっちゃ男好きだったってことなんですよ。ちょっと不良っぽい男子と付き合っていたのは確かだったし、その男子ではなく、別の男と一緒にホテルから出てくるのも目撃されたという噂も流れたりしてました。
ある時期、彼女はしばらく学校を休んでいたのですが、原因は「中絶」だったみたいなんです。まぁ、そんだけ男遊びしてたんだからそうなるリスクは高かったんでしょうけど、彼女としては無理やりやられたのではなく、自ら進んでやったん結果なんでしょうから自業自得だなと思うと同時に、彼女と妊娠の可能性があるような行為をすることが出来た男たちのことが羨ましかったです。

でも、彼女のおかげで、女子、特に自分が魅力を感じる女子を「理想化」して、真実とはかけ離れた偶像を創り上げる習性は少なからず修正されたようでした。
それまでは多少なりとも、「可愛くて美しい女の子は、おしっこもうんこもおならもしないし、優しくて、怒ったりもしない」みたいに思ってたというか、思いたがっていた節はありましたからね(笑)

なので、中学の頃から好きだった例の彼女も、本当はどんな子なのか知らないまま、妄想の中で創り上げた彼女像に振り回されていただということも認識できるようになりました。

--やっと少し大人になったというわけですね!

TM:まぁ、そういうことかな。でも、物心ついたころには既に性に目覚めていた自分としては、かなり不本意な状況だったのは間違いないですね。
高校時代って、進んでる子は中絶体験もあるし、中には母親になる子もいる反面、まだまだピュアで恋に恋する乙女みたいな子もいるでしょう?
で、もう一つ記憶に残ってるのは、卒業式の日に、どちらかというと後者のグループに属すると思われる女の子数人から、学生服のボタンが欲しいと言われ、握手を求められたことですね。

--えぇ!? もっと早く言ってくれたら良かったのにぃ! って思いましたか?

TM:いやぁ、全く!(笑) 何しろ卒業式当日ですからねぇ! 時すでに遅し感は否めませんでした。 今だったら、じゃあ、LINEでも交換しておこうか、となって、後々連絡を取り合って・・・なんてこともあるかもしれないけど、当時はねぇ、一家に一台黒電話があれば上等って感じでしたから・・・。

というわけで、暗黒の高校時代だったわけですが、最後の最後に少しうっすらと希望の光が射したようにも感じられたのがせめてもの救いでしたね。


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