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「後悔先に立たず」の山に埋もれた男~タントラマンへの道(第92話)

蘭:じゃあ、大学生活の間は初体験の時の彼女さん以外の女性とはお付き合しなかったんですね?

TM:そうだね。ホント、中学から大学卒業までの一番元気で伸び盛りの時期に女性経験、恋愛経験を積むことができなかったのは、悔やんでも悔やみきれないよ。何事もそうだけど、経験しておくべき時期を逃してしまうと、後から挽回するのは難しくなるからね。

射精コントロール、性愛テクニック、女性とのコミュニケーションスキルや女性の心理や身体について等々、生身の女性を相手に経験を積んで磨きをかけ続けていたら、今頃はどうなってたと思う?
「後悔先に立たず」とはまさにこのことだよね。
ということなので、大学時代に付き合ったのは初体験の彼女のみ。
しかも、とても短期間だったから、本当に彼女と呼べる存在だったと言えるかどうかも怪しいくらいだね。

蘭:じゃあ、超早漏の問題も解決しないままだったし、女性との関係性を深めることへの苦手意識も持ったままで、社会人になってしまったんですね?

TM:そうなんだ。しかも、最初に入社した会社は前にも話した通り、とても忙しくてね。女性との出会いもほとんど無くなってしまったんだよ。

蘭:TMさんって、女性に縁が無いって言うか、縁があっても何らかの障害が発生してしまうんですねぇ。何か見えないところで悪いことしてるんじゃあないですか? 日ごろの行いが悪いからそうなっちゃうのかもですよ?
何か心当たりありません?(笑)

TM:無いと思うけどなぁ! もし自覚出来ていたら、それを治すことで女性との関係がスムーズに行くようになるんだったら最優先で取り組んで治していたハズ!(笑)

蘭:じゃあ、またまた高校時代から大学入学当初みたいに女性との縁が薄い生活に戻ってしまったんですね。
でも、高校から就職までだと浪人も含めたら8年もあったでしょう?
その間に、なにか変化は無かったんですか? 自分自身の中で。

TM:そうだなぁ。それがあまり無いんだよね。あ、でも、自分は性格や人格等の点では嫌われるタイプではなさそうだっていう自己評価はずっと覆ることは無かったのは良かったかな。子供の頃から、仲間外れにされたり、いじめられたりした経験は無かったし。嫌われたのは超早漏っていうところだけだと思ってるし。

なので、他社に出向みたいな感じで実施されていた超多忙なプロジェクトが終わった後、自社に戻って活動するようになった際には、女子社員との接点も増えてきたんだけど、中には僕に好意や興味を示してくれる人も何人かはいたんだ。ただ、ハッキリと告白されたとかではなく、何となくそんな感じを受けたと言うだけなので、気のせいだったかもしれないけどね。
でも、たとえ気のせいだったとしても、もっとじっくりと会話を交わすチャンスを作ったりしていれば、男女の関係になるくらいは簡単だったと思うよ。

蘭:でも、実際のところはそうはならなかったんですよね?
やっぱり、超早漏が気になってしまったんですか?

TM:それもあるけど、彼女たちよりも圧倒的に気になる女性が現れたんだ。
で、僕はかなり一途なところがあるから、彼女以外の女性はアウトオブ眼中にしてしまったんだよね。
ホント、もったいないことをしたよ。
でも、好きなタイプの美人に対する気後れしてしまう弱点は既に克服していたので、その気になる女性ともすぐに親しく話を出来るようにはなったんだ。
彼女とは別のプロジェクトだったから、そんなに頻繁に会うこともできなかったけど、少ないチャンスを活かしつつ、コンサートに一緒に行くくらいのことは出来るようになったんだ。でも、やがて、その人には彼氏もいるってことが判ってしまった。

当時の僕は、交際相手のいる女性にも果敢にアプローチして奪い取るようなことは考えもしなかったので、彼女に対する好意は持ち続けながらプラトニックな片思いは続いたなぁ。

で、その彼女も、結局は当時交際していた男性とは結婚せずに、別の男性と結婚したという話を風の便りに聞いた。

考えてみたら(って言うまでも無く)、彼女は彼氏がいるにも関わらず僕と食事やコンサートにも行っていたのだし、僕の部屋にも遊びに来たことがああるくらいだったのだから、実際は僕にもチャンスがあったのかもしれないよね。まぁ、ただの男友達だと思われていたのかもしれないけど、それでもチャンスを逃してしまったことは間違いなさそう。

なので、僕に超早漏コンプレックスが無くて、性技やコミュニケーションスキルで「こんなの初めて!」って感動させてあげられる自信があれば、なにがなんでも彼女をものにしようとしたと思うんだよね。
だって、それが彼女にとっても幸せだと信じられるから。

蘭:本当に、後悔先に立たずですね~。それで、そんな状態をなんとか変えたいとは思わなかったんですか? 自分が嫌になったりしはしなかった?

TM:そりゃあ、嫌になるよ。でも、超早漏を治す具体的なトレーニングとかも特にした覚えはないんだな。前にも言ったけど、スクイーズ法はうまく行かなかったからね。
でも、スキューバダイビングを始めてから、僕を取り巻く環境は大きく変わったんだ。

蘭:あ、あの「ワンネス体験」をすることになったスキューバダイビングですよね!

TM:そう。スキューバダイビングにのめり込んだことがきっかけとなって、女性との関係性にも影響がありそうな大切なことに気づかされたんだ。






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