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絶好のチャンスに見逃し三振~タントラマンへの道(第100話)

蘭:東京を離れることになった経緯については、わたしも過去記事で読ませてもらいましたよ。

でも、ダイビングを始めたおかげで、せっかく「ウーマンズラッシュ」にも恵まれるようになって、不二子さんやきこちゃんとも貴重な体験が出来たのに東京を離れてしまうだなんて、もったいないとは思わなかったの?

TM:そうなんだよね。だからこそ僕の人生は「後悔先に立たず山脈」の山中にあるんだよ。
当時は、自然環境問題を何とかしたい! とか、大都会は嫌だ! みたいなことに気を取られ過ぎていて視野が狭くなってしまっていたとしか思えない。
あるいは、それらにかこつけた現実逃避をしていただけなのでは? なんていう疑惑もあるし。

本来なら、数は少なかったとは言え、僕にとってはインパクトのある女性経験が出来ていたんだし、きこちゃんをかなり高いレベルのオーガズムまで導けたことで、女性が秘めている神秘性こそ人生をかけて探求し続けるべき生甲斐そのものだってことに気づけていたハズなんだからね。

自分一人だけの力ではどうにもならないような地球規模の環境問題解決なんかよりは、大好きな女性を本人も自覚出来ていないような素晴らしい世界へと案内して女性性を開花させるお手伝いをした方がよっぽど現実的な世のため人のために自分を活かすことが出来たかもしれないのにね。
いやはや、ホント、馬鹿だったな。

蘭:TMさんがその頃から熱心に女性に対して性エネルギーを活性化させて女性性を開花させる支援サービスを提供していたら、世の中も今よりは平和だったかもしれませんよね。

TM:そうだよ。僕一人の力は大したことなくても、30年間前から地道に活動できていたとすれば、バタフライ効果、複利効果もあるから、決して大げさな話でもなく、世界平和に対してももかなりの影響力をもたらすことが出来ていたとしても不思議ではないよ。幸せな女性が増えれば増えるほど世界は平和に近づくって信じてるからね、僕は。

蘭:でも、現実はそうはならなくて、TMさんは東京を離れてからも迷走につぐ迷走状態に陥ってしまったんでしたよね?

TM:そうなんだ。実は、東京を離れるちょっと前から、僕を東京に引き留めようとするお知らせみたいなのが来ていたようにも思えるんだ。
例えば、会社の先輩で他の女性が全く目に入らないくらい好きになってしまった人の話は覚えているだろう?

蘭:はい。でも、既に彼氏がいたんでしたよね。でも、実際はその彼氏とは結婚しないで別の男性と結婚したっていう人ですよね?

TM:そうそう。でね、東京を去ることに決めた数カ月前あたりから、その人との接点が増えていてね、ある時、部屋に呼ばれたんだよ。呼ばれた理由は、彼女の部屋にヤモリが現れたから助けて欲しいっていう、本当か嘘かわからないようなことでね(笑)。しかも、それが真夜中中だったわけ。
なので、僕は期待を込めて彼女の部屋までタクシーで駆けつけたんだよ。
で、ヤモリは実際にいたんだけど!(笑)
簡単に追い払うことはできたので、すぐにやることがなくなってしまったわけ。
せっかく遥々やって来たのに、1,2分で帰るのもなんだかな~とか考えていると、お互いになんとなく緊張感が漂い始めたんだ。
でも、ネグリジェの上に上着を羽織っただけの彼女の姿にそそられてしまった欲望には逆らえなくてね。なるべく自然な感じで彼女の肩をそっと抱き寄せて、そのままキスに持ち込もうとしたんだけど・・・。

なんと、彼女は拒絶して来たんだ。学生時代のファーストキッスの相手みたいな「いやっ!」っていうちょっとかわいい感じの拒絶モドキとは違って、
「大声出すよ!」みたいに本気モードの拒絶に聞こえたんだ。
 
ここで、僕がひるまずに彼女を抑え込んで最初は無理やりにでもセックスに持ち込んでいたら、そして、彼女を目くるめく世界へと案内することができていたとしたら、それこそ世界は変わっていたハズなんだ。
それこそ、別の意味での「大声」は出させていただろうね!
そして、その絶叫を聞いた近隣の部屋の住人が事件と勘違いして、本当に警察に通報することになったかもしれないけど(笑)
どっちにしても僕の人生は今とは全く別物になっていただろうね。

蘭:じゃあ、その時は何も起こらなかったんですね。

TM:そう。情けないやら悲しいやら、複雑な気持ちのまま、彼女の部屋を後にしたんだ。

彼女の部屋は、マンションの5階だったんだけど、道路に出てから部屋を見上げてみたら、彼女がこちらを見下ろしていたよ。
その時彼女がいったい何を思っていたのかはわからない。
もしかしたら、「意気地なし!」って思ってたのかなぁ?

ってなわけで、これもきっと天が僕に課したテストだったんのかもね。
もし、この時点で本当に使命に目覚めていたとしたら、彼女の拒絶を乗り越えて彼女を別世界に導くことも出来たんだろうし、たとえその時ではなかったとしても、後日、彼女との関係を深めることも可能だっただろうし。状況次第では東京を去ることも無かったかもしれないし、あるいは一緒に東京を離れることになっていたかもしれない。
人生って本当に運命の分かれ道の連続だってことだね。

蘭:なんだかなぁ~。なんでそんなにタイミングが悪いって言うか、波に乗り切れないっていうか、うまく行かないんでしょうねぇ。
やっぱり、日ごろの行い?

TM:まぁ、そういうことになるんじゃないかな。女性が幸せになるためには、何よりもまずは女性性を開花させることだという信念を持ち、それに従って自分を活かす生き方を選んでこなかったわけだから。

蘭:本当に残念。それで、東京を離れてからはその使命に目覚めることはできたんですか? 

TM:無理無理。使命に目覚めるどころか、ますます迷走したってことは知ってるよね?
実際、その女性系使命は憧れの域を脱していなかったんだろうね、それが使命とは自覚しないまま、環境問題等といった別方向で使命を探そうとしていたし、転職を繰り返した挙句、専業トレーダーとして生計を立てながら使命、天職を探そうなんてことをやることになるんだから。
で、トレードの種銭を作るためにも目の前の仕事を我武者羅にこなすだけ、職場と部屋の往復だけっていう忙しすぎる日々が長く続いてしまってね。
その当然の帰結として、女性と知り合う機会も激減してしまったんだよ。

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