真冬の滝行~タントラマンへの道(第114話)
~ Previously on ”The Way of the Tantraman” ~
蘭:そう。それで、その頃にはまだ超早漏だったし、男性機能の衰えも実感していたハズなのよね。
っていうことは、その後に何かあったっていうことよね?
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TM:特別に、性的な機能を強化するためのトレーニングをしたわけではないんだよ。ただ、流れとしては、マクロビオティック、NLP等の心理学、ヴィパッサナー瞑想なんかを体験するうちに、以前からあった自然志向が再びうずきだしたって言うのかな、田舎への移住だったり、自然の中での修行に興味を持つようになったんだ。
例えば、瞑想の延長として滝行にハマった時期もあったな。
期間としては半年弱位だったけど、その期間中は毎週のように滝に打たれに行ってたし、年末年始に一か月ぐらい、山奥に泊まり込みで修行したこともあったよ。
蘭:滝行かぁ! わたしもジムに通ってた時、やったことある!
TM:あれは滝じゃなくて、シャワーの一種じゃないのかなぁ?
それに、そんなに冷たくないだろう?
蘭:そうよね(笑)。 でもさぁ、ホンモノの滝って怖くない?
自然の山にあったりするんだからさぁ、石ころとか、岩なんかも落っこちてくるかもしれないでしょう? 危ないよ。
TM:まぁ、そういうことも考えなくは無かったけど、滝行中に石が落ちてきたっていう事故も聞いたこともなかったから、ほとんど気にしなかったよ。
ただ運が良かっただけなのかもしれないけどね。
蘭:で、滝行してみて、何か良いことあったの? 成果は?
TM:何か特殊な能力が開花した! なんてことは無かったよ。
でも、僕が滝行をしたのは秋から真冬だったから水は冷たくてね。
滝は凍らないけど水たまりは凍るくらいの冷たさ。
で、特に泊まり込みしていた一か月ほどの期間は、日の出と日の入り時刻に合わせて一日二回やってたから、克己心を養うことくらいは出来たんじゃないかな。
あとは、凍死の危険を感じた身体が生き延びようとする感覚を実感することはできた。
つまり、「もうこれ以上打たれていると感覚が麻痺して動けなくなる」っていうくらいまで勢いのある冷水を浴び続けているから、滝から上がってからしばらくは身体の底から冷え切っているわけ。
その状態だと身体の芯からの震えがとまらないんだけど、震えることで体温を上げようとしているんだな~っていうのが文字通り身体で理解できるんだ。
そうして徐々に体温が回復してくると、今度はポカポカと温かくなってくるんだよね。真冬、しかも山の中なので氷が張るくらいの気温なのに。
そうすると、生きている実感ってのを感じることが出来て、それがなんとも言えない良い気分なんだ。
蘭:冷水摩擦の強烈バージョンって感じかな?
あれでも結構暖かくなるもん。
TM:そうだね。でも、冷水摩擦を命がけで行うことはほとんどないわな。
滝行の場合、僕は単独でやっていたので、もしものことがあったら死んでいてもおかしくなかったんだよ。実際、凍えて動けなくなる寸前まで耐えていたんだから、ちょっとタイミングが遅れたら本当に危険。そのまま死んでしまうだろうね。
それと、今から思うとよく心臓麻痺を起こさなかったものだなぁって思うよね。後に心臓の手術をする羽目になったことを思うと。
もしかしたら、真冬の滝行っていう荒行が心臓にダメージを与えた可能性はあるかもしれない。
ま、ヴィパッサナーにも言えることだけど、滝行もまた、自分の身体の声やメンタルの動きを観察する良い機会にはなったと思うよ。
蘭:あっ、じゃあ、もしかして、その自分の身体やメンタルの状態を観察することが、超早漏やインポを治すのに役に立ったっていうことなの?
TM:さすが察しが良いね、その通り!(笑)
ただし、その観察力を超早漏やインポの改善に活用するようになるのはもうちょっと先のことになるんだ。
当時は、ターゲットになるような女性もいなかったし、男性機能が下降中だったせいか性に対する探求心がそこまで強くなかったのかもしれないんだ。
そのあたりの記憶はあまり定かでは無いんだけどね。
その代わり、どこか自然の豊かな田舎で暮らしてみたいと思い始めて、移住先をあれこれと検討することの方に時間と労力を使っていたんだと思う。
蘭:そうなんだ~。早くどうやって復活したのか知りたいのに~!(笑)
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