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偽名みたいな名前を授かった半生を振り返ってみる ~フーモア編5/5~

最初の記事から全部読んでここまでたどり着いている人はそう多くないと思ってますが、もしそんな人がいたらありがとうございます。
ここからは現職でどういったことをしてきて、今どういったことをしているかについて触れていきたいと思います。

フーモア入社まで

エンタメ業界に再挑戦したものの、その挑戦はすぐに打ち砕かれました。
というのが前回までのハイライト。
新たなエンタメ分野を探しているところにたまたま出会ったのがフーモアの求人でした。

クリエイティブで世界中に感動を」というビジョンを掲げたその会社は、漫画家としての夢が叶わなかった代表の想いと共にクリエイティブに対する熱意を綴っていました。
興味を引かれたのは2点。

1.クリエイターファーストである

クリエイターネットワークの規模もさることながら、ネットに転がっているフーモアに関する記事は、そこかしこにクリエイターへの敬意が伺い知れました。
イラストレーターや漫画家がそれ単体で食べていくためには出口が狭すぎる。その人たちに多くの出口を提供したい。そういう思いで溢れており、それは入社した今でもブレることなく感じる社風であると思ってます。

2.「広告漫画」という新たな扉

2018年当初も確かに電車の中吊り広告や町のポスター、TwitterのPR漫画など、広告漫画を目にすることはありましたが、それに誰が携わっていて、誰が描いているかを考えることはありませんでした。
そこに「フーモアはエンタメを活用した課題解決、コンサルティングをしています」という求人文言。初めてコンテンツ商業向けではないエンタメのビジネス活用に触れ、将来的なビジネスの広がりを感じました。

フーモア入社後(暗黒期)

エントリーから面接のくだりは特に面白いこともないので端折ります。
フーモアにJoinしたのは2019年の2月。この頃はフーモアの何回目かわからない変革期でした。
漫画事業部の立ち上げを行った事業部長含め創立メンバーが全員新規事業部に異動となり、残されたメンバーからリーダーが選出。そのリーダーも入社半年程度で、まだ業務理解が完全とは言えない状態でメンバーを牽引しなくてはいけない組織でした。

各事業部に管掌役員が付き、事業部責任者としてマネージャーが付いたりもしましたが、前任の事業部長と違ってマネジメント特化型だったため、広告漫画事業の業務理解・業界知識などがそこまであるわけでもなく、私が入社してからの漫画事業部は売上が低迷します。

メンバーの誰しもが明確な統一フローを認識しておらず、部署がどのくらいの売上なのかはもちろん、自身がどのくらいの売上を持っているのかさえ把握している人は少なかったのではないでしょうか。

自分はすでに年齢も高い状態で入社していたので、現リーダーの座をさっさと奪いにいくつもりでした。
まずは現リーダーよりも誰よりも案件を担当し、部内で一番売上を立てることを目標に掲げましたが、そもそも部署の売上がどうなっているのか見れるところがない…
そこで、メンバー全員の案件を進捗と共に一覧で確認できる管理表を作成します。加えて、案件進行とフローで抜け漏れが出ないよう、タスク管理表を作成します。どちらも自分が確認するために作ったものですが、席が近いメンバーの「自分も使いたい」という声を受けて部内展開することとなりました。

もちろん、当初の目的であった案件を一番回すという目標はこの時点でクリアしています。

フーモア入社後(新生期)

ここまででまだ入社2か月程度ですが、事業部の売上低迷を受けて元事業部長を戻すという経営判断がありました。
それによるハレーションやメンバーの入れ替わりもありましたが、漫画事業部新体制として全員で決意を新たに再始動となったことで、事業は再び安定化していきます。

その年の末、フーモアは11月で期が変わるので、そのタイミングの入社9か月にして副部長の座を拝命しました。肩書としては制作部長
営業チーム、制作チームとあるうちの、制作側の責任者となったわけですが、不安はいくつかありました。

1.業界歴浅すぎ問題

これまでの経歴で長かったもので言うと、編集経験もありますし、人事教育経験もあるので、実務とマネジメントにおいてはそこまで心配はなかったんですが、なにせ広告業界は素人同然です。
過去の職歴で広告主側だったことはあるので、そこでコンサルしてもらった広告、アフィリエイト(ASP)なんかの知識はわずかながらありましたが、今度からは自分がクライアントや広告主にアドバイスしていかなくてはならない。
深すぎる専門分野は知識を有する人間が組織にひとりでもいれば問題ないですが、立場上少なくとも一定の知見は必要になるわけです。

2.同僚との関係値問題

ポジションが上がる前は同僚たちと同じ目線で気軽に意見をぶつけ合い、時に怒り、時に相談し、一丸となって事業を前に進める気概が事業部メンバーにはありました。
同じ目線でいながらも自分は年齢が上なこともあって、同僚のよきメンターであったという自負もあります。
この立場が変わってしまうことによって、相談しにくくなる、同じ目線で話せなくなる、もしくは同じ目線じゃないと見られてしまうことへの危惧が最も嫌だなあと感じていたことでした。

と、心配なことはいくつかありましたが、何も変わることはなく、事業部長から信頼してもらっていたこともあって一定の裁量をもらえていたので、知識は自分から取りに行き、関係値は特に変わることもなく、ここで働く楽しさみたいなものはずーっと感じられていました。フーモア最高

フーモア入社後(育休期)

入社2年が経とうという頃、webtoon事業化の波がやってきます。
当初漫画事業部の中にwebtoonスタジオが設置しており、事業部長はどちらも見ているという状態でした。
漫画事業部の制作人員の中でClipStudioが触れるメンバーは全員webtoon側に寄せてしまったという意味では当初の人員計画とかなり変わってしまいましたが、漫画事業部の事業に関してはすでに手がかかる状態ではなかったので、事業部長の方に届く案件相談をそのままトスアップしてもらえればいいぐらいの感じではありました。
そんな折、事業部長の奥様がご懐妊され、半年ほどの育休に入ることになります。

前述の通り事業に関する心配は特になかったんですが、決裁領域を明確に定めないまま育休突入になってしまったため、育休中の事業部長に判断を仰がなくてはならないケースがいくつか出てきてしまったのは反省点です。

フーモア入社後(部長期)

半年後の育休明けのタイミングには、webtoon事業部が独立した事業部となります。この期が変わるタイミングを以て、事業部長はwebtoon事業部長へ、そして副部長だった自分が漫画事業部の事業部長となります。
この半年の間にほぼすべての決裁権限は委譲してもらっていたので、この交代劇はスムーズでした。問題は、この時期に事業部長だった方々が全員執行役員も兼任するということでした。

フーモアがIPO(≒株式上場)を目指していることはインターネット先生が教えてくれると思うので敢えて触れますが、この頃はかなり重要な時期でした。
期が変わる1か月前の時期に事業部長(次期含む)全員が取締役に呼ばれ、執行役員兼任の旨と「全員死んでくれ」って意味の言葉を言われました。
要約しただけなので、実際は「組織も頑張んないといけないし、事業も頑張んなきゃいけない、さらにIPO準備で大変なことも多い1年になるから死ぬ気で頑張って」って感じの内容だったと思うんですが、よぉーし死ぬぞぉという感想だけが残ったので、実際何言われたかはあまり覚えてません。

フーモア入社後(現在)

この記事を書いている現在は、漫画事業部の責任者となって1年ちょっとが経過した頃です。
この1年で組織の安定化のために社内で漫画事業部でしか導入していない制度をいくつも立ち上げ、実行しました。
勉強会、リーダー研修、360度評価、MVP制度、インセンティブ制度…
おかげさまで他事業部から見ても、役員陣から見ても、漫画事業部の組織は安定しているし人を成長させられる見込みがある組織であると思います。

一方で事業は落ち込みました。IPO準備期間や組織改革におけるハレーションもありましたし、メンバーの入れ替えやチーム編成の見直しの過程で結構な人数の新たなメンバーを迎えることになります。

入社半年未満のメンバーが多い状態で人員計画と生産性を100%一致させることができず、昨期は見込み通りの実績に達することはできませんでした。

結果に拘る

今期(2022年11月~)に掲げた漫画事業部のキーワードは「結果に拘る」です。
現在人員は安定し、このメンバーなら確実に事業を躍進させることができるし、いずれ任せられる人が出てくるだろうと確信しています。
これに関してはひとえに自分が1年かけてやってきたことによるものだと自信を持って言えますが、少なくとも事業側で結果が出てない以上まだ誇れることはひとつもない状態です。

メンバーの求心力を高めたかったらメンバーに好かれる行動だけしてればいいだけなので、事業としての結果が伴ってこそようやく評価に値するというのは自分が一番よくわかってます。
だからこそ今度は結果。あとは結果しかないんです。

おわりに

長々と書いてきた自己紹介記事もようやく終わりです。
自分以外のディレクターがどういう経緯で入社して、今どんなことをしているかは別のサイトでまとめているので、自分もここに載せようかと思ったんですがどうにも文字数が…ということでnoteに綴ることにしました。

自己紹介記事の最初に触れていますが、今後は自分がこれまで培ってきた組織マネジメントの観点から、これからの世代の人たちや新任リーダーの人たちにとって気づきが与えられるような記事を書いていければと思っています。
数年後、結果が出ていないときは責任を取って別のことをしている可能性があるので、その時はこのnoteがひっそり消えていると思うので参考にしないでいいですからね、なんて面白ブラックジョークで締めたいと思います! では!

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