Note 69:月蝕歌劇団11月公演「新撰組 in 1944」千秋楽も見た!

今日も今日としてザムザ阿佐ヶ谷で月蝕歌劇団11月公演、「新撰組 in 1944〜ナチス少年合唱団〜」を観てきた。
3日間5回。
見過ぎだ。
体も悪いしお金もないので、4公演ぐらいにセーブしようと思ってたんだけど、連続公演じゃなくなったし、年に2回くらいの公演になったので、ここはガッと観た。

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同じ演劇何回も見て何が楽しいんですか。
自分でもそう思うけど、とにかく複雑でわけわかんない話だし、同じ話を下手から見たり、上手から見たり、セリフ喋ってない人のウケの芝居を見たり、推しの女優さんだけずーっと見たり、アクシデントを見たり、あれっセリフが微妙に変わってるとか、演技プランが変わってるとか見るのも楽しい。
同じ演劇を何回も見るから、わざとやってるのか、アクシデントなのか、役者さんの個性なのか、そういう役どころなのか、観客側の心理状態に問題があるのか、いろいろ妄想が広がってくる。
月曜はついに会社休んで行った。
ちゃんと金曜までに仕事終わらせて有給取って行ったのだが、やっぱ識閾下では仕事のこと考えてるらしく、役者さんのセリフにことよせていろいろアイディアが浮かんだりした。
そういう効果もあるんですよ〜〜>会社の人

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新撰組と、ナチスと、維新派と、旧日本軍と、謎の中国人が、時空を超えて5つどもえの争いを繰り広げる話。
こんなこと書いても少しもネタバレにならないので、安心して書いているが、ナチ将校、実は〇〇○○という例のあの役者さんのセリフに、「自分は歴史の味方だ」というのがあって、すごく腑に落ちた気がした。
ぼくは戦後民主主義教育の薫陶を受けて育った100%ピュアピュアなリベラルなので、ネトウヨとかネオナチの人の気持ちが全然分からない。
全然わからないから、逆に、底しれぬ恐怖を感じるし、いっぽう今のご時世で「底しれぬ恐怖を感じる」存在なんて希少価値があるから、逆に興味を持って見てしまうけど、「歴史の味方」という言葉に、そこを紐解くヒントがあったような気がしたのだ。
でも、これ以上書き進めると、安いネタバレになってしまうからやめよう。

※ダメ出しというか、一点だけ、新撰組が維新派のことを「志士たち」と呼ぶのがちょっと気になった。
 志士って言うのは維新派の立場からの美称で、しかもたぶん構成の歴史学者がつけた名前で、新撰組の隊士は志士とは言ってなかったと思う。
 言い換えが思いつかないが……

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前回noteで、高取さん時代の演出がラフで野性味があったのに対して、白永さん時代になってきめ細かくて話が分かりやすくなった気がする、とオタクの人と話をしたことを書いたけど、制作・運営もすごくパワーアップしていて、まったくトラブルがなかった。
たとえば「スペシャルチケット」を予約すると、特典DVDとサイン付き生写真をもらえて、先頭の列に並べる。
これだけのことで、昔はいろいろトラブルがあって、制作の人にこっちから「DVDと生写真ください」と催促すると、「あ〜渡してなかったですか」とか言いながらジャケットのポケットから出してきたりして、文章に書くとすげえな。それはそれで非現実感があって今思い返すと楽しい思い出だが、今回はビシッとレーベルが印刷されたやつがゆうパックで届いたりして、すげえな月蝕!やる気満々だな!と思って観劇に向かって盛り上がった。

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それにしても、高取さん没後1年である。
エラソーな書き方になるけど、最初はどうなるかなーと思った。
でも、全然問題ないし、運営面ではむしろパワーアップしてるし、お客さんは満員だし、芸術的にも違った味わいも出てきた気がする。

昔、作家の都筑道夫さんが、名人と言われた古今亭志ん生の息子の志ん朝の落語の完成度に感心して「もう志ん朝は、志ん生になっていいんじゃないか」と書いたのが話題になった。
それを真似して、ぼくなんかがこんなところに書くのも完全におこがましいけど、もう、月蝕歌劇団は、白永さんの劇団として、第2の黄金期を迎えているんじゃないだろうか。
と思った。
これからも、すでに高取さん演出で見た作品を、白永さん永野さん他の役者さんで見たいし、ぼくは2011年から見始めたニワカなので昔観られなかった作品、ステーシーとか観たいし、いずれ新作も観たい。
楽しみすぎる。

(この項おわり)

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会社員兼業ライターの深沢千尋です。いろいろ綴っていきますのでよろしくです。FaceBook、Twitterもやってますのでからんでください。 https://www.amazon.co.jp/l/B005CI82FA