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Note 118: 月蝕歌劇団出演、ドキュメンタリー映画「静かな時間」を見た

本日7月8日は、四谷三丁目のライブカフェ「CON TON TON VIVO」で行われた、ドキュメンタリー映画「静かな時間」の先行上映会に行ってきた。
明後日7月10日土曜日までやっていて、明日と明後日の最後の回はライブ付きということなので、興味がある人は是非お運びください。

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CON TON TON VIVOは、はじめて行く場所だけど、Googleマップがやたら脇の細い道に誘い込もうとして、ちょっと迷った。
脇道に入るところの三角形のビルの地下1階で、入り口は大通りに面しているので、行く人は気をつけてください。
入り口の横に今回のチラシが貼ってある。
今日はぼくのいわゆる推しメンの慶徳優菜さんのトークショーもあったのだが、慶徳ちゃんも道に迷ったと言っていて、ちょっと嬉しかった。
(キショ>自分)

以下ネタバレ。

映画は、月蝕歌劇団の舞台に男優として立ちながら、テレビマンとしての顔も持つ友利栄太郎さんが撮ったドキュメンタリーで、月蝕歌劇団というアングラ小劇場が、コロナ禍と自粛の嵐の中で、どのように影響を受けて、どのように受け止めたかを、3人の女優さんを通して描いている。
撮ってくれて良かった、と思う。
ディストピアSF映画みたいな世情を映像に残すだけでも価値があるが、その中で月蝕歌劇団の女優さんたちが、ふだん舞台の上で演じている役割からは離れて、素の自分で語っているから、余計に事態が良く分かる。

ちょっと話は逸れるけど、昔ビートたけしが自作の油絵をテレビ番組で紹介していて、その中で「宇宙人が攻めてきたらやっと地球人は団結し、宇宙戦争によって世界平和がようやく達成される」というテーマの絵があった。
なるほどそうかーと、ぼくはテレビの前でひとしきり感心した。
しかし、現実にウイルスに世界が征服されてしまうと、現実はそれほど甘くはなかったと、我々は思い知ることになる。
人間は持てるものと持たざるもの、国籍や主義主張で分断され、自粛、密告、私刑が横行する。

ぼくはデスクワークのサラリーマンで、リモートが許されたから、あまりインパクトを受けなかったが、そのぶんライブの人とのつながりがなくなって、やはりキツイ。
それでも、ぼくのような立場はめぐまれていて、飲食店や、ライブが生業のミュージシャン、演劇人、特にインディーズや小劇場を活動舞台にしている人はひとたまりもなかっただろう。
そして、演劇は集団芸術だから、その中で立場が分かれる。
「不安だからやめたい」
「不安だからこそやりたい」
どちらも本音である。
去年までは同じ稽古場でとっくみあって、笑い合っていた仲間が、ビデオ会議の画面を挟んで議論することになるなんて……。

言葉を選びながら話す女優さんたち。
でもどんなに選んだ言葉であっても、誰かからは反発されてしまう言葉になる。
その表情を見ていて、苦しくもなったし、目を離せなくなった。
故郷に帰った女優さんの、田舎の風景の美しさが、人がいない都会と対比される映像も素晴らしい。

上映後は、上にも書いたけど、月蝕女優の一人、慶徳優菜さんの、映画ライター睡蓮みどりさんの司会によるトークショーがあった。
映画の中ではどスッピンで喋りまくっていた慶徳ちゃんが、ちょっと茶髪にして、柔和な口調で今の様子を語っていて、少しホッとした。
彼女がトークの中で、昔からつながっている人と話せる、笑い合える幸せを大事にしたいみたいなことを言っていて(<=記憶に頼っているから曖昧ですが……)心から共感した。

もう1回見に行く。興味がある方ぜひお運びください。

(この項おわり)

会社員兼業ライターの深沢千尋です。いろいろ綴っていきますのでよろしくです。FaceBook、Twitterもやってますのでからんでください。 https://www.amazon.co.jp/l/B005CI82FA