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ウクライナに向けて祈る

今回のウクライナへの侵攻のように、実際の戦争が起きるときには、一人ひとりができることに限りがあり、無力さに不安になる人も多いようです。教会も、直接戦争に介入するわけではありませんが、カトリックのネットワークの中で、戦争終結に向けてなんとか影響を与えようと、また攻撃を受けている傷つく人々の救援のために、努力している様子が伝えられています。

(「教皇特使 ウクライナの平和を祈る」La Croix 2022年3月10日)
教皇特使のクラジェウスキー枢機卿ら2人の特使がローマから派遣され、ウクライナ西部のリヴィウで、正教会の主教とともに、キリスト教諸派との平和を求める祈りの集いを開きました。「信仰があれば、山をも動かせる。わたしはそれを信じる。馬鹿げた戦争だってやめさせられる」と同枢機卿は訴えています。

(「EU司教協議会会長 キリル総主教に戦争集結支援を促す」La Croix 2022年3月10日)
東京・上智大学でも教えていた、EU司教協議会会長の、ジャン=クロード・オルリッシュ枢機卿は、ロシア正教会のキリス総主教に宛て、ロシア当局にウクライナへの攻撃即時停止を訴えるよう、書簡を送りました。「兄弟として、この四旬節の期間、ともに同じ福音を告げ知らせ、戦争ではない平和の同じ神に祈り、欧州大陸に平和と和解が戻るよう、この無意味な戦争を終わらせるよう祈り、最大限の努力をしましょう」と呼びかけています。この記事によると、同総主教は、今回の侵攻について比較的慎重だったが、ロシアとウクライナの統一というロシアの見解は支持しており、また2014年のクリミア半島併合についても沈黙を守った、とのことです。

(バチカン・ニュース 2022年3月11日)
教皇庁からの代表者である、駐ウクライナ大使のクルボカス大司教は、カトリックのウクライナ国内のネットワークを通じて、できる支援を続けている様子を訴えいてます。しかし状況は日々悪化しているでしょうから、こうした努力の継続性も非常な困難さを伴っていることが想像されます。

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