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バチカン 元駐米大使を破門

教皇庁は、これまで繰り返し教皇フランシスコへの不服従を公言し、異端者と批判し、また、カトリック教会の最近の公会議(教えを決定する最高権威の会議)である第2バチカン公会議の教えを否定するなどの発言を続けていた元駐米バチカン大使のビガノ大司教を、破門する判断を下しました(↑Dominique DevroyeによるPixabayからの画像)。

「バチカン ビガノ大司教をきずなへの罪で破門」タブレット誌、2024年7月5日

7月4日に教皇庁教理省は、元駐アメリカバチカン大使のビガノ大司教を、教皇への従順や教会との交わりを拒否する「シスマ(きずなへの罪)」によって破門が判断されました。

バチカン・ニュース、2024年7月5日

バチカンからのニュースでもこれが報じられ、破門の理由として、「同大司教の公的な主張が『教皇を承認し従うこと、教会のメンバーとの交わり、第二バチカン公会議の教えの正当性と権威を拒否する』ものであるため」と述べられています。

「バノン氏 『教皇辞任は否定、教会虐待法定が必要』」ロイター、2018年9月9日

6年前の記事です。
破門自体の報道では分かりにくいところもありますが、トランプ前大統領の時代には、このロイター電にあるように、ビガノ大司教は、もうひとりの教皇批判の急先鋒のバーク枢機卿(米国人)ともども、トランプ元大統領の政治顧問だったバノン氏と関係が深かったことが報じられています。バノン氏はイタリア国内でも教皇批判の運動をしていたニュースも出ていました。単なる教会内の主導権争い以上の様相を呈していた、と言えるでしょう。
最近、米国内での具体的な動きについては、外電に乗ることは少なかったように思いますが、教皇に対して非常に批判的な司教・大司教も多いといった報道もあります。とりわけ前大統領時代には、こうして政府とも連携して、教会を分裂(シスマ)に導くような動きが活発だったようです。

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