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司教より中古車ディーラーの方がマシ??

ドイツの一人の司教が、性虐待で揺れるカトリック教会について、「いまのままなら、人々は、司教よりも、中古車ディーラーの言うことを信用する」と言い切ってます(↓)。

(「驚くほど率直な司教発言:カトリック教会は過去の自分自身が粉々になった残骸」ラクロワ、2021年11月24日)

ドイツ北部のヒルデスハイム教区の60歳のビルマー司教が、ハノーバーで行われた毎年恒例のレセプションで、200人のさまざまな参加者を前にした発言。性虐待の問題に対し、カトリック教会はその対処を誤ったために信用失墜していると断じています。教会にpは組織防衛を重要視し、被害者保護は二の次だった、カトリック教会はもはや、社会の中で重要な役割を果たせなくなっている、組織としての教会は縮小しておりその声は社会の中でいのちの価値を説く多くの声の中の一つに過ぎなくなっている、と危機感を訴えます。
一方で、人々は依然として方向性や安定を模索しており、とくにコロナ禍で喪失感は高まり、教会がエコロジーや社会問題に対して「橋を架ける」役割はまだまだたくさんある、そのために、小さい領域であっても聖書に根ざした深みを育てるべきだと呼びかけます。
しかしそこで、自ら司教ですから、批判でなく、自戒する発言なわけですが、「いまや司教よりも、中古車ディーラーの言うことの方が信用されている」ということばにつながります。社会のために教会が機能するには、権力配分の変更が必須で、現在の聖職者を軸とした上下関係を止めて、新たなセクシャリティー観を模索し、司祭の役割を再考し、教会におけるジェンダー公正な参加が必要とされる、と述べています。

ビルマー司教はイエスの聖心司祭会(デホニアン)という修道会の総長を務めている3年目だった2018年、教皇フランシスコによって司教に任命され、フランシスコに近い人物と目されているそうです。
写真のとおり、シリアスそのものな印象で、発言もきついですが、リアリストなのだと思います。昨年2021年でしたか、性虐待の報告書が出たときに、ケルンの枢機卿が「教会も被害者」と言ってドイツ一般社会から顰蹙をかいましたが、自分がまずどう変われるのかが教会改革の出発点になるという、厳しい自己分析をしているのだと読みました。

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