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雨の秋、君を待つ、心は春

秋、雨降りの新宿
どんより垂れ込める灰色の空
肌寒い上に冷たい雨が服を濡らす
髪は纏まらずアホ毛だらけ

こんな大嫌いな日なのに
心は春のように暖かい
君を待つ、というだけで

どこに立てば、君に私が見えるだろう
約束まで大分時間があることに気がついて
とりあえず近くのカフェに入る 
注文したコーヒー、周りの人
全てベールを1枚被せたように
そこは君を待つ私だけの世界

少し早いけれど、また外に出て傘を差す
でも、傘で君が見つけられないかも
そう思ってそっと傘を閉じた

車のクラクション、行き交う人々の声、大音量の広告
周囲は遠い世界のよう
ただ君が来る姿を想像する

そんなことをしているうちに
君の声がする
私はゆっくり、顔を上げて君を見つめた。

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