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別室登校(リソースルーム)

教室に入れなくなり休みがちになった男の子がいた。

担任が家庭訪問していたが、だんだん休みが増えてきて、担任への不信感も募ってしまっていたので私が家庭訪問し、保健室や職員室近くの部屋(来客や会議で使う)で、一緒に勉強しないかと誘った。

それから、休みがちではあるが、彼は保健室に登校をしだした。そのうち、保健室だけで対応するには元気過ぎて手を焼き出したので、私が職員室近くの部屋で預かることにした。

算数はよくできた。褒めれば褒めるほどがんばって何問も何枚もプリントをこなした。

そして彼は進級し別室登校を続けながら、教室での授業も受けられるようになっていった。
ただ、家庭環境が難しい状況もあり、少しずつ休みが増えていった。

そんな時、高学年の女の子が教室に入れなくなり休みがちになった。

保護者、本人と話をして、保健室等別室への登校を週1.2回から始めた。絵を描くのが得意だった。

その後、また2人ほど教室に入れない子が出てきた。

職員室近くの部屋が手狭になってきたことと、前々から特別支援学級との連携で何かできないかという話が先生達から出ていた。

そこで、近隣校に「リソースルーム」という名の別室での学習をやっている学校があるということで見学に行った。

リソースルームとは、ADHDやLDなど、落ち着けない子やHSP等過敏な子で、特別支援学級入級していない子が、個別に学習できる場所であり、その学校は、特別支援学級の子もリソースルームに来る子も一緒に学習していた。

まず、関わる先生たちと相談し、空き教室や特別支援学級の教室で学習できるようにしていき、形になったところで組織として仕組みを作ろうという話になった。

そうして、年度末に組織にすることができた。もちろん、まだまだこれからではあるが、形としてレールを敷くことはできた。

「学校に行けなくなり、教室には入れなくなっても、別室で個別に学習することができる。」
できそうで、なかなかできないのが学校現場の現状であると思う。

私にとって、この出来事はとても感慨深い。なぜなら、以前、引きこもり相談の仕事をしていて、引きこもりになったきっかけが小学校での出来事が原因という人が多かったので、自分が小学校の先生になって引きこもりになる人を1人でもなくしたいと思ったことが、小学校の先生になろうと思ったきっかけだからだ。

不登校、教室には入れない等いろいろあるが、原因は一つでないことも多いし、はっきりしないことも多い。学校に行かなくてもいいと言う人もいれば、休みがちな子はサボりだと思う人もいる。ある程度、叱咤激励した方がいい場合もあれば、「がんばって」等禁句で、見守ることが必要な時もある。

全てにおいて、一概には言えない。人によってさまざま。


何でも、1人では何もできないし、強引に進めても上手くいかない。上手くいっても、それがゴールではない。

でも、やはり、意思をもって取り組んで、形にできたことは素直に嬉しい。

色んな意味で日本の学校教育が過渡期?変わる時になってきているということは肌で感じている。

自分ができることを自分ができる範囲で、諦めず、投げ出さず、コツコツと取り組んでいこうと思う今日この頃である。

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