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ルドルフ・シュタイナー『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』を読む(悟りを得る前に)

シュタイナーが読者にまず求めることは、心の奥底に「畏敬の念」をもつことです。それが、内なる気づきを保証し、外なる邪気を払います。

その条件を踏まえて、「人格の形成」に努めることが重要です。超感覚的世界の認識を獲得することは、そうした生活を通してのみ可能です。

あなたの求めるどんな認識内容も、あなたの知的財宝を蓄積するためのものなら、それはあなたを進むべき道からそらせる。しかしあなたの求める認識内容が人格を高貴にし世界を進化させるためのものであるなら、それは成熟への途上であなたを一歩前進させる。

――p.35 条件

著者は、「神秘修行の諸条件」pp.123-138において、七つの条件を掲げています。その七つは、そのまま七つのチャクラとも連係しており、チャクラの活性化をもって、「人格の形成」としています。

条件の第一は、肉体と精神の健康に留意することである。どれ程健康であるか、勿論当人の意志だけではきめられない。しかし健康であろうと努力することは誰にでもできる。・・・ ――p.125(ルートチャクラ)

条件の第二は自分を全体生命の一部分と感じることである。この条件には、多くのことが含まれている。しかし各人はそれを自分流に充たしていけばよい。・・・ ――p.127(仙骨のチャクラ)

神秘修行の第三の条件はこのことと直接関係している。修行者は自分の思考と感情が世界に対して自分の行為と同じ意味を持つ、という立場に立てなければならない。誰かを憎むなら、すでにそれだけで、なぐるのと同じ被害をその人に与えている。・・・ ――p.129(太陽神経叢のチャクラ)

条件の第四は今述べた言葉の中にすでに含まれている。すなわち人間の本質が外観にではなく内部に存するという観点を獲得することである。自分を外界(つまり物質界)の所産に過ぎないと考える人は神秘修行上、進歩することが不可能である。・・・ ――p.130(ハートチャクラ)

こう述べることで、すでに第五の条件が暗示されている。すなわち一旦決心した事柄は忠実にこれを実行する、ということである。みずから間違った決断を下したと認めるのでない限り、何事も修行者の決意をひるがえさせようとしてはならない。・・・ ――p.131(喉のチャクラ)

第六の条件は自分に向かってくるすべての事柄に対する感謝の気持を養うことである。自分の存在は全宇宙からの贈り物である。われわれ一人一人がこの世に生を受け、生きながらえることができるためには、どれ程多くの必要条件が充たされねばならないか、どれ程多くのことをわれわれは自然に負い、また他の人々に負っていることか。・・・ ――p.132(第三の目)

以上に述べたすべての条件は、第七の条件の中で統一されねばならない。人生をこれらの条件にふさわしく形成すること、これが第七の条件である。このような人生態度を通して、修行者は自分の人生のために、ひとつの統一した刻印を与える可能性を作る。・・・ ――p.133(クラウンチャクラ)

――pp.123-138 三 霊界参入「神秘修行の諸条件」

ときに、「人格の形成」をおろそかにして、悟りを目指す素人がいますが、それで、「私」を失うことの危険性には、気づかねばならない。

この世の中には、肉体をともなわない電磁的知性体も、夢やプライドをもって生きています。「人格の形成」による霊的な免疫力をもたない素人が、悟って「私」を失おうものなら、その瞬間、人権に配慮しない悪質な魔物に、食い潰されるかもしれません。

※「そのまま七つのチャクラとも連係しており」とは、私の読みです。

以上、言語学的制約から自由になるために。